61 / 78
第四章:Let There Be Carnage
シルバー・ローニン(3)
しおりを挟む
私達はトラックのコンテナを改造した「部屋」内に居た。
部屋内のモニタに外の様子が映されているが……。
『問題発生』
トラックの運転手からアナウンス。
何故、そんな事になったのかは判らない。
しかし、少なくとも、何が起きたのかだけは判る。
私達は陽動の為に「狭い意味での『日本』」とTCAの国境付近で大暴れする事になっていた。そして、「敵」が私達に対処している隙に、他のメンバーがTCA内に侵入する事になっていた。
しかし……TCAの「国境警備隊」は、私達が乗っているトラックを調べもせずに、あっさり通してTCA内に入れてしまった。
「何が起きた?」
『TCAの「国境警備隊」に前もって賄賂を渡してたら、奴ら、本気で我々を新しく「商売」を始めた密輸業者だと信じてしまったらしい』
「奴らが我々に『自分達は底抜けの阿呆だ』と思い込ませようとしている可能性は?」
『少なくとも「国境」検問所の現場の人間は嘘を吐いている様子は無し。本当にマヌケか、逆にそこそこは手の込んだ罠かの2つに1つ』
トラックの助手席に居るのは、今回、後方支援に加わったレスキュー隊の太宰府支部の紅林氏。精神操作系の「魔法」、特に他者による精神操作の解除が専門の「魔法使い」だ。当然ながら、周囲に居る常人が嘘を吐いているかの判別も可能だ。
「少し暴れて『マヌケ』か『罠』かを確認するか……」
「そうだな……」
同じ部屋内に居る旭も賛同。
『大丈夫ですか?』
トラックの助手席の紅林氏がそう言った。
『忘れるな。お前たちの任務は「陽動」だ。危険いと思ったら、即、逃げろ』
瀾師匠から通信。
「了解」
「了解。『白』『雪』、出るぞ。警察機構の警官、軍関係の組織の将兵、その他何らかの戦闘員と判断した者のみ殺害を許可する」
私はATVに乗りながら、支援用の恐竜型戦闘ロボットに命令。
『コードネーム「シルバー・ローニン」による「敵」の殺害命令を承認。コードネーム「白」とコードネーム「雪」は「シルバー・ローニン」または「スカーレット・モンク」の指示に従え』
瀾師匠よりの通信が入る。
『了解』
『了解』
二体の銀色の恐竜型ロボットは無線通信で返事をする。
「ねえ、何で、こいつら、同型の青い奴らと違って、しゃべり方がお堅いの?」
「青い『2人』が変なんだ。あの『2人』を『教育』したのは『ソルジャー・ブルー』だ」
「ああ、あの人か……何となく判る」
「ともかく、行くぞ。コンテナの扉を開けてくれ」
部屋内のモニタに外の様子が映されているが……。
『問題発生』
トラックの運転手からアナウンス。
何故、そんな事になったのかは判らない。
しかし、少なくとも、何が起きたのかだけは判る。
私達は陽動の為に「狭い意味での『日本』」とTCAの国境付近で大暴れする事になっていた。そして、「敵」が私達に対処している隙に、他のメンバーがTCA内に侵入する事になっていた。
しかし……TCAの「国境警備隊」は、私達が乗っているトラックを調べもせずに、あっさり通してTCA内に入れてしまった。
「何が起きた?」
『TCAの「国境警備隊」に前もって賄賂を渡してたら、奴ら、本気で我々を新しく「商売」を始めた密輸業者だと信じてしまったらしい』
「奴らが我々に『自分達は底抜けの阿呆だ』と思い込ませようとしている可能性は?」
『少なくとも「国境」検問所の現場の人間は嘘を吐いている様子は無し。本当にマヌケか、逆にそこそこは手の込んだ罠かの2つに1つ』
トラックの助手席に居るのは、今回、後方支援に加わったレスキュー隊の太宰府支部の紅林氏。精神操作系の「魔法」、特に他者による精神操作の解除が専門の「魔法使い」だ。当然ながら、周囲に居る常人が嘘を吐いているかの判別も可能だ。
「少し暴れて『マヌケ』か『罠』かを確認するか……」
「そうだな……」
同じ部屋内に居る旭も賛同。
『大丈夫ですか?』
トラックの助手席の紅林氏がそう言った。
『忘れるな。お前たちの任務は「陽動」だ。危険いと思ったら、即、逃げろ』
瀾師匠から通信。
「了解」
「了解。『白』『雪』、出るぞ。警察機構の警官、軍関係の組織の将兵、その他何らかの戦闘員と判断した者のみ殺害を許可する」
私はATVに乗りながら、支援用の恐竜型戦闘ロボットに命令。
『コードネーム「シルバー・ローニン」による「敵」の殺害命令を承認。コードネーム「白」とコードネーム「雪」は「シルバー・ローニン」または「スカーレット・モンク」の指示に従え』
瀾師匠よりの通信が入る。
『了解』
『了解』
二体の銀色の恐竜型ロボットは無線通信で返事をする。
「ねえ、何で、こいつら、同型の青い奴らと違って、しゃべり方がお堅いの?」
「青い『2人』が変なんだ。あの『2人』を『教育』したのは『ソルジャー・ブルー』だ」
「ああ、あの人か……何となく判る」
「ともかく、行くぞ。コンテナの扉を開けてくれ」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く
川原源明
ファンタジー
伊東誠明(いとうまさあき)35歳
都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。
そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。
自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。
終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。
占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?
異世界で、医師として活動しながら婚活する物語!
全90話+幕間予定 90話まで作成済み。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
『エンプセル』~人外少女をめぐって愛憎渦巻く近未来ダークファンタジー~
うろこ道
SF
【毎日20時更新】【完結確約】
高校2年生の美月は、目覚めてすぐに異変に気づいた。
自分の部屋であるのに妙に違っていてーー
ーーそこに現れたのは見知らぬ男だった。
男は容姿も雰囲気も不気味で恐ろしく、美月は震え上がる。
そんな美月に男は言った。
「ここで俺と暮らすんだ。二人きりでな」
そこは未来に起こった大戦後の日本だった。
原因不明の奇病、異常進化した生物に支配されーー日本人は地下に都市を作り、そこに潜ったのだという。
男は日本人が捨てた地上で、ひとりきりで孤独に暮らしていた。
美月は、男の孤独を癒すために「創られた」のだった。
人でないものとして生まれなおした少女は、やがて人間の欲望の渦に巻き込まれてゆく。
異形人外少女をめぐって愛憎渦巻く近未来ダークファンタジー。
※九章と十章、性的•グロテスク表現ありです。
※挿絵は全部自分で描いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる