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第一章:屍病汚染

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 2体のヴェロキラプトル型のロボットは玄関から警察署内に入る。
 操作は地元の「正義の味方」達の拠点から遠隔で行なってるらしく、ピンガーラが持って来たモバイルPCの画面に、2体のドローンから送られた映像が映し出されている。
「サンプルは1階と最上階の複数の場所から取らせる。あと、ドローン自体が汚染されてる可能性が有るんで、ドローンは当面、警察署内に置いておく」
「それでいいと思うけど……ん?」
 1階で死体に付着していた血液のサンプルを採取しようとしていたドローンのカメラに変なモノが映し出される。
 死体の片手の小指に傷……致命傷じゃないけど、結構な重傷。
 皮膚や肉がごっそり削り取られ、骨が覗いている。
「この傷、拡大して分析」
『考え得る可能性を手当たり次第にパターン認識させるんで、結構時間がかかりそう。こっちでバックグラウンド処理させといて、結果が出たら連絡する』
了解Confirm
 無線通話で、「正義の味方」の後方支援チームから連絡。
「ここの傷から感染したの?」
「でも……何か……変な感じがするんだよね……。とりあえず、この傷口のサンプルも採取しとくか……」
 ヴェロキラプトル型のロボットはピンセットやスポイドや小型の鋏を使い、小型試験管内に傷口や血液のサンプルを入れる。
「この器具って使い捨て?」
「もちろん。1つサンプルを取るごとに使い捨て。最悪の可能性として、死体によって死因が違うなんて事も有り得るしね。あたしがテロリストだったら……複数の微生物兵器を撒き散らしてる」
「サンプルは、どれだけ取れるの?」
「1つのドローンにつき4つの計8つ」
「十分だと思う?」
「あくまで、最初の手掛かりだと割り切ればね」
 とろこが、その時、最上階に向かっていた2つ目のドローンのカメラに写ったのは……。
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