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第2章:悪いやつら
眞木治水(まき おさみ) (1)
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「瀾ちゃん、何なの、その格好?」
「何と言われても……」
夜中に手伝ってた桜姉さんの職場の書類の仕分作業は昨日で終り、今日は買い物に出掛ける事になった。
一緒に行く瀾ちゃんの格好は……パジャマ代りにいつも瀾ちゃんが着てる迷彩模様の作務衣にデニムの上着だった。
靴はデニム地のブーツで、髪は青っぽい迷彩風の模様のリボンで束ねている。
顔にはダサいのか今風なのかイマイチ判断に困るデザインの眼鏡型携帯端末。
「えっと……何と言うか……その……」
言葉で説明すると変な格好なのに……何故か妙に決ってる。
「そっちこそ……自分の格好、鏡で見たのか?」
あたしは派手だったり明る目の色や可愛い系の服が苦手なんで、黒い男物のアウトドア系の上着に、ダークグレイのシャツにブラック・ジーンズに黒のスニーカー。
「この格好が何か?」
「全部、大き目のサイズを選んでるだろ?」
「それが……?」
「遠目だと……黒っぽいパジャマかスウェット着てるように見えるぞ」
えっ?
そうなの?
「で……あの人達、何?」
「気付いてるフリはするな」
西鉄久留米駅前行きのバスに乗ると……普段は、そんなに人が多いバス停でもないのに、あたし達の後から十人近い男達が乗り込んで来た。
ほぼ全員が二十代ぐらい。2人ほど、三十代かも知れない人が居る。
体格や服装は色々だけど……共通点は「チンピラ風」。
「どうする? 全員……」
「やめろ、ややこしくなる。応援を呼ぶか……」
そして、あたしは桜姉さんに、瀾ちゃんは知り合いの「御当地ヒーロー」に電話をかけた。
「何と言われても……」
夜中に手伝ってた桜姉さんの職場の書類の仕分作業は昨日で終り、今日は買い物に出掛ける事になった。
一緒に行く瀾ちゃんの格好は……パジャマ代りにいつも瀾ちゃんが着てる迷彩模様の作務衣にデニムの上着だった。
靴はデニム地のブーツで、髪は青っぽい迷彩風の模様のリボンで束ねている。
顔にはダサいのか今風なのかイマイチ判断に困るデザインの眼鏡型携帯端末。
「えっと……何と言うか……その……」
言葉で説明すると変な格好なのに……何故か妙に決ってる。
「そっちこそ……自分の格好、鏡で見たのか?」
あたしは派手だったり明る目の色や可愛い系の服が苦手なんで、黒い男物のアウトドア系の上着に、ダークグレイのシャツにブラック・ジーンズに黒のスニーカー。
「この格好が何か?」
「全部、大き目のサイズを選んでるだろ?」
「それが……?」
「遠目だと……黒っぽいパジャマかスウェット着てるように見えるぞ」
えっ?
そうなの?
「で……あの人達、何?」
「気付いてるフリはするな」
西鉄久留米駅前行きのバスに乗ると……普段は、そんなに人が多いバス停でもないのに、あたし達の後から十人近い男達が乗り込んで来た。
ほぼ全員が二十代ぐらい。2人ほど、三十代かも知れない人が居る。
体格や服装は色々だけど……共通点は「チンピラ風」。
「どうする? 全員……」
「やめろ、ややこしくなる。応援を呼ぶか……」
そして、あたしは桜姉さんに、瀾ちゃんは知り合いの「御当地ヒーロー」に電話をかけた。
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