世界を護る者達/第二部:ゴロツキどもをウチの妹たちから守れ Twisted Justice −極悪刑事−

蓮實長治

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第1章:インサイダーズ

高木瀾(たかぎ らん) (3)

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 そして、私と桜さんと治水、そして桜さんのカイシャの人達2人は、延々と、その書類をチェックし続けていた。
 書類と言っても、桜姉さんの職場の内報に、健康保険組合や労働組合の会報。
 その中に有る肩書が管理職クラス以上の人の名前をマーカーでチェック。その名前をネットで検索して「ネットで調べれば、桜さんの職場の管理職クラス以上の人だと判る」かを調べる。
 大概がNGだけど……迂闊にも、SNSのプロフィールに、どこに勤めてて、どれ位の役職かを匂わせてる人が居た。
 最近の警察機構けいさつって、ここまでタルんでるのか?
 私が破門になった「御当地ヒーロー」「正義の味方」では、SNSは原則禁止で、「表の仕事」が自営業の人でも、その「表の仕事」の宣伝や告知だけをやって、個人的な事は一切、SNSに書かないようにしている。
 まぁ、本人が迂闊とは言えOKが有るのはありがたいが、1つでもNGが有る社内報や会報は丸ごとNG扱い。
「あのさ……9時半までゲームしてていい?」
 そう言い出したのは治水。
「何で9時半?」
「オンラインRPGでパーティ組んでる仲間の中に、小学生が2人居るみたいで……夜遅くは出来ないみたい」
「どう云うオンラインRPGのどう云うパーティだ?」
「いいよ、行ってこい」
「いいんですか?」
「よくよく考えりゃ、お前らまで巻き込むのは……」
「はぁ……」
「チェック終ったのが……四分の一から……三分の一で……OKは、たったこれだけか……」
「コーヒーでも淹れてきます?」
「ああ、頼む……。一番いいのを……」
 台所でお湯を沸かし、ドリッパーにコーヒーの粉を入れ……。
 どうしたモノかな……。
 多分、伯父さんあたりに相談すれば、一発で解決だ。
 しかし、伯父さん達「正義の味方」「御当地ヒーロー」は、桜さん達、対異能力犯罪広域警察機構レコンキスタにとっては取り締まり対象。
 これ以上、取り締まる側と取り締られる側が「なあなあ」「ズブズブ」な関係になるのは……当の伯父さんが望まないだろう。
 人数分のカップにコーヒーを注ぎ、まず、治水の部屋に持って行く。
「なんだ、そのゲーム?」
 画面では、熊人間が口から雷撃らしきモノを吐いて、いかにもなファンタジーRPGの雑魚キャラを薙ぎ払っていた。
「普通のファンタジーRPGだよ。オークとかエルフとかゴブリンが出て来るような」
「で、何、その熊?」
「あたしのキャラ。ワーベアの魔法使い」
「はぁ?」
「魔法で肉体を強化して前線で戦うキャラ」
 えっと……「普通のファンタジーRPG」の定義や範囲って、どうなってるんだ?
 まぁ、いいや。
 治水の部屋を出て居間に向かうと……桜さんと、その上司の声。
「すいません、あたしが研修に行ってる間……」
「言いたい事は判るけど……この秘密は、今んところ、カイシャの他の奴に明かすのは……」
「あ、言いたい事は判りますけど、最後まで話を聞いて下さい」
「何だ?」
。逆じゃなくて」
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