世界を護る者達/第二部:ゴロツキどもをウチの妹たちから守れ Twisted Justice −極悪刑事−

蓮實長治

文字の大きさ
上 下
14 / 31
第1章:インサイダーズ

眞木桜(まき さくら) (3)

しおりを挟む
 家にやって来たのは、隊長代行の中島さんと、後輩の大石。
 ある書類を百枚以上とモバイルPCを各1つ。
「で、ある奴に、これを渡さないと、瀾と治水の身が無事で済まんぞ、と言われててな……」
 瀾は、中島さんと大石が持って来た書類を何枚か見て……。
「つまり、桜さんを脅してる奴は……桜さんの勤め先の管理職クラスの名前と役職をリストアップしたい訳ですね」
「お……おい、何で判った?」
「有名な手ですよ。『地方紙を1年分、分析したら、その県の県庁の管理職クラスの大半の名前と役職のリストを作れる』ってヤツでしょ」
「あ……あのさ……お前らも、その手で……その、ウチのカイシャや同業のエラいさんの個人情報を……」
「見習いで破門された私が知ってると思います?」
「で、何すればいいの?」
 そう訊いてきたのは治水だった。
「これの偽物を作ってくれ。管理職クラスの個人名を偽名に変えたヤツをな……。ワープロで何とか……」
「そんな事したら、偽物を渡した相手にバレますよ」
 瀾は冷静にそう指摘。
「や……やっぱり、そうなる……かな?」
「そして、どこを改竄したかがバレたら、こっちが相手の意図をどこまで読んでるかもバレてしまいますよ。後々、確実に面倒な事になる」
「やっぱ……この手は駄目か……」
 そう言ったのは中島さん。
「いつまでに渡す約束なんですか?」
「あたしが研修に行く日の朝」
「方法は……そうだ……。あの、付近のコンビニに行って1本でも多く買って来て欲しいモノが有るんですが……。大丈夫だと思いますが、足が付かないように、支払いはカードや電子マネーじゃなくて現金で」
「何?」
「こすると消えるマーカー」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「悪の組織」からの足抜けを手伝いますッ♥/第一部「安易なる選択−The Villain's Journey−」

蓮實長治
SF
現実と似ているが「御当地ヒーロー」「正義の味方」によって治安が維持されている世界。 その「正義の味方」が始めた新しい「商売」である「悪の組織からの足抜けと社会復帰の支援」を利用して、落ち目になった自分の組織の「お宝」を他の組織に売り渡し、輝かしい第二の人生を始めようとしたある悪の組織の幹部(ただし、幹部の中でも下の方)。 しかし、のっけから事態は予想外の方向に……。 同じ作者の別の作品と世界設定を共有しています。 「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。 (pixiv,GALLERIAは完結後の掲載になります) こちらに本作を漫画台本に書き直したものを応募しています。 https://note.com/info/n/n2e4aab325cb5 https://note.com/gazi_kun/n/nde64695e2171

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

絶世のディプロマット

一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。 レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。 レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。 ※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

ゾンビのプロ セイヴィングロード

石井アドリー
SF
『丘口知夏』は地獄の三日間を独りで逃げ延びていた。 その道中で百貨店の屋上に住む集団に救われたものの、安息の日々は長く続かなかった。 梯子を昇れる個体が現れたことで、ついに屋上の中へ地獄が流れ込んでいく。 信頼していた人までもがゾンビとなった。大切な屋上が崩壊していく。彼女は何もかも諦めかけていた。 「俺はゾンビのプロだ」 自らをそう名乗った謎の筋肉男『谷口貴樹』はアクション映画の如く盛大にゾンビを殲滅した。 知夏はその姿に惹かれ奮い立った。この手で人を救うたいという願いを胸に、百貨店の屋上から小さな一歩を踏み出す。 その一歩が百貨店を盛大に救い出すことになるとは、彼女はまだ考えてもいなかった。 数を増やし成長までするゾンビの群れに挑み、大都会に取り残された人々を救っていく。 ゾンビのプロとその見習いの二人を軸にしたゾンビパンデミック長編。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...