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第一一章:Eye of the Tiger

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 警官隊は二〇人ほど。強化装甲服パーワドスーツを着装してるんで、多分、エリート部隊なんだろう。
 でも、たった5人に明らかに負けている。
 既に、何人かが、地面に倒れている。
 ヤクザの方は、2人が獣化能力者。似た獣化形態の、どちらも筋肉質な男女。と言っても、ボクたちの獣化形態よりは遥かに人間っぽい。牙や爪や一部の体毛が延びてるぐらいだ。
 1人は、高速移動能力者らしく、警官達の警棒を躱しながら、次々と銃弾を撃ち込んでいる。黒っぽいプロテクター付ライダースーツっぽい副を着た細マッチョでスキンヘッドの女性。
 1人は……えっと……何だ、ありゃ? 何で、あんな格好してんだ?……ホラーものの韓国映画で見た事のある向こうの呪術師ムーダン風の服装の初老の男。
 1人は、人間用にしては大型の機関銃を持った……。
「マジかよ?」
 もう1台のトラックから出て来た「副店長」の唖然とした声。
 そう言いたくなる気持ちも判る。
 「副店長」の「表の勤務先」の……まぁ、大半はライセンス生産だし……奴が着装してんのは中古品みたいだけど……。
「?」
 「副店長」と……もう1人の強化装甲服「水城みずき」の着装者の目が合う。
 と言ってもカメラアイだけど。
 向こうが着装してるのは標準モデルより出力が2~3割増しの「パワー型」。
 「副店長」のは対NBC型。……と言っても細かい設計変更は有っても、基本的にパワー型に放射線・有害微生物・有害化学物質などに汚染された場所での活動用の装備を追加したものだけど。
 年式バージョンが同じなら、出力はほぼ同じ。対NBC型の方が装甲部分が多く見える。ただし、重装備になってる分、稼働時間や重量出力比パワーウェイトレシオでは対NBC型が劣る。
「うわああああッ‼」
 5人のヤクザ達(多分)から逃げ出そうとした警官の1人が、何故か、警棒と呼ぶには異様にゴツい金属棒で「副店長」に殴りかかるが……。
 ドオンッ‼
 グシャリ……。
 次の瞬間、地面に投げ落されていた。そして、その時の衝撃で……バッテリーなんかが入ってるらしいバックパックが歪み……。
 爆音……。
 どうやら……蓄電容量その他のスペックはソコソコでも……衝撃に弱いなどの戦闘用向きじゃない種類の大容量バッテリーを使ってたようで……。
「何だ、こりゃ? どこの阿呆だ、こんなモノ設計したのは?」
 地面に叩き付けられた強化装甲服パワードスーツの警官は炎に包まれていた。
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