86 / 107
第一〇章:Where have all the good men gone? And where are all the gods?
(7)
しおりを挟む
やがて、外から煙が入ってきた。
単に焦げ臭いだけじゃなくて……何か変な臭いも混って……。
「あ~……見ない方がいいかも」
一足先に下りた沙也加ちゃんは、そう言ったけど……。
「もう、見ちゃったよ……」
外に出ると……一応、舗装はされてるけど、林や山の中らしい道路。
そして、道路から飛び出して、林の木の1つに激突して……変形・炎上した白バイ。
消火器の白い粉まみれになって地面に横たわってる警察官が1人。
機動隊とか、そう云う人みたいで、やたらとゴテゴテした防具を付けてる。
どうやら、あたし達の乗ってたトラックのコンテナのハッチとぶつかりそうになったんで、避けようとして……ハンドルを切り損ねたらしい。
「まだ、生きてるか?」
そう言ったのは、あたし達の前を走ってた、もう1台のトラックから出て来たらしい強化装甲服の誰か。
どうも、その強化装甲服には「気配を隠す」系の魔法がかかってるみたいで……「中の人」の気配が感じられない。
女の声だけど……何か声色を変えるような機械を通してるらしい……。
全員が、あたしの方を見る。
「出来る?」
沙也加ちゃんは、そう訊いた。
「う……うん……」
一応、気配を感知する系の魔法を使えば……生きてるかどうかは判別出来る。
けど……わずかに露出してる肌は、赤と黒。
焼け焦げの黒と、血や肉の赤。
「一度、息を吸って吐く度に数を数えてみろ、それで、ある程度、心を落ち着けられる筈だ」
強化装甲服の女が、そう言った。
言う通りにして……倒れてる警察官に手を近付け、「気」を放つ。
相手が、あたしの「気」を受けて……生きているなら、何か反応が返って……。
「かろうじて……でも……」
「生きてるが、かなりマズい状況か……」
単に焦げ臭いだけじゃなくて……何か変な臭いも混って……。
「あ~……見ない方がいいかも」
一足先に下りた沙也加ちゃんは、そう言ったけど……。
「もう、見ちゃったよ……」
外に出ると……一応、舗装はされてるけど、林や山の中らしい道路。
そして、道路から飛び出して、林の木の1つに激突して……変形・炎上した白バイ。
消火器の白い粉まみれになって地面に横たわってる警察官が1人。
機動隊とか、そう云う人みたいで、やたらとゴテゴテした防具を付けてる。
どうやら、あたし達の乗ってたトラックのコンテナのハッチとぶつかりそうになったんで、避けようとして……ハンドルを切り損ねたらしい。
「まだ、生きてるか?」
そう言ったのは、あたし達の前を走ってた、もう1台のトラックから出て来たらしい強化装甲服の誰か。
どうも、その強化装甲服には「気配を隠す」系の魔法がかかってるみたいで……「中の人」の気配が感じられない。
女の声だけど……何か声色を変えるような機械を通してるらしい……。
全員が、あたしの方を見る。
「出来る?」
沙也加ちゃんは、そう訊いた。
「う……うん……」
一応、気配を感知する系の魔法を使えば……生きてるかどうかは判別出来る。
けど……わずかに露出してる肌は、赤と黒。
焼け焦げの黒と、血や肉の赤。
「一度、息を吸って吐く度に数を数えてみろ、それで、ある程度、心を落ち着けられる筈だ」
強化装甲服の女が、そう言った。
言う通りにして……倒れてる警察官に手を近付け、「気」を放つ。
相手が、あたしの「気」を受けて……生きているなら、何か反応が返って……。
「かろうじて……でも……」
「生きてるが、かなりマズい状況か……」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
シンデレラストーリーは悪魔の契約に基づいて
かみゅG
ファンタジー
シンデレラは魔女の力を借り、ねずみの馬、かぼちゃの馬車、美しいドレス、ガラスの靴を手に入れて舞踏会に参加し、王子に見初められて幸せになりました。
しかし、ここで疑問が残ります。
魔女はタダでシンデレラに力を貸したのでしょうか?
シンデレラは舞踏会に参加したかっただけなのでしょうか?
王子がシンデレラを見初めたのはたまたまだったのでしょうか?
真実は違います。
魔女には打算があり、シンデレラには目的があり、王子には狙いがありました。
そして運命は契約に基づいて回ります。
悪魔と契約した者の行く末を、どうかお楽しみください。
【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです
山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。
今は、その考えも消えつつある。
けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。
今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。
ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。
【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。
ヒロインに騙されて婚約者を手放しました
結城芙由奈
恋愛
地味で冴えない脇役はヒーローに恋しちゃだめですか?
どこにでもいるような地味で冴えない私の唯一の長所は明るい性格。一方許嫁は学園一人気のある、ちょっぴり無口な彼でした。そんなある日、彼が学園一人気のあるヒロインに告白している姿を偶然目にしてしまい、捨てられるのが惨めだった私は先に彼に婚約破棄を申し出て、彼の前から去ることを決意しました。だけど、それはヒロインによる策略で・・・?明るさだけが取り柄の私と無口で不器用な彼との恋の行方はどうなるの?
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる