82 / 125
第一〇章:Where have all the good men gone? And where are all the gods?
(3)
しおりを挟む
「ねえ、まだ、起きてる?」
防災用っぽい四角いテントの中で寝袋に入ってると、横に居る沙也加ちゃんが、そう言った。
「うん……」
「ごめん……無茶苦茶な事に巻き込んじゃって……」
「でも……あの時から、こうなる運命だったのかも……」
「あの時?」
「夏休みの直前に……あの変なおじさんに絡まれた日」
「ああ……あれか……」
「結局、あのステッキや……同じような『魔法』がかけられてた警官用の警棒って……」
「あっ……」
「何?」
「『大阪』に、全国から『魔法少女』が集って、あのステッキを作たのが『大阪』だとしたら……」
「あ~……でも……」
「でも……何?」
「『魔法少女』って、要は促成栽培の使い捨てだから……元『魔法少女』とは言っても、あたし、その手の知識は案外教えられてないし……」
まぁ、そうだ……。「相手が魔法使い系か探る魔法(それも相手に使った事がバレるタイプのヤツ)は、先に使った方が相手に喧嘩を売った事になる」って、言われてみれば納得だけど、言われるまで、あたしは気付いてなかった。
「ああ……」
「だから……あの魔法のステッキで……どの程度まで人を操れるか、良く知ら……」
「嫌な想像が……ちょっと……」
「ど……どうしたの?」
「操るにはテクニックや職人芸が必要かも知れないけど、単純に壊すだけなら力づくでも何とかならない?」
「えっ?」
「あの変な魔法のステッキや警官用の警棒を作った奴らが……あのステッキや警棒が引き起した事態から……失敗作だって判断してたら?『操る』よりも『一度、人格を壊して、自分に都合のいい人格を新しく植え付ける』方が、労力も少なくて、成功率も高くなる、って考えるようになったとしたら?」
「ま……マズいね……それ……」
防災用っぽい四角いテントの中で寝袋に入ってると、横に居る沙也加ちゃんが、そう言った。
「うん……」
「ごめん……無茶苦茶な事に巻き込んじゃって……」
「でも……あの時から、こうなる運命だったのかも……」
「あの時?」
「夏休みの直前に……あの変なおじさんに絡まれた日」
「ああ……あれか……」
「結局、あのステッキや……同じような『魔法』がかけられてた警官用の警棒って……」
「あっ……」
「何?」
「『大阪』に、全国から『魔法少女』が集って、あのステッキを作たのが『大阪』だとしたら……」
「あ~……でも……」
「でも……何?」
「『魔法少女』って、要は促成栽培の使い捨てだから……元『魔法少女』とは言っても、あたし、その手の知識は案外教えられてないし……」
まぁ、そうだ……。「相手が魔法使い系か探る魔法(それも相手に使った事がバレるタイプのヤツ)は、先に使った方が相手に喧嘩を売った事になる」って、言われてみれば納得だけど、言われるまで、あたしは気付いてなかった。
「ああ……」
「だから……あの魔法のステッキで……どの程度まで人を操れるか、良く知ら……」
「嫌な想像が……ちょっと……」
「ど……どうしたの?」
「操るにはテクニックや職人芸が必要かも知れないけど、単純に壊すだけなら力づくでも何とかならない?」
「えっ?」
「あの変な魔法のステッキや警官用の警棒を作った奴らが……あのステッキや警棒が引き起した事態から……失敗作だって判断してたら?『操る』よりも『一度、人格を壊して、自分に都合のいい人格を新しく植え付ける』方が、労力も少なくて、成功率も高くなる、って考えるようになったとしたら?」
「ま……マズいね……それ……」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
勇者、追放される ~仲間がクズばかりだったので、魔王とお茶してのんびり過ごす。戻ってこいと言われても断固拒否。~
秋鷺 照
ファンタジー
強すぎて勇者になってしまったレッグは、パーティーを追放され、一人で魔王城へ行く。美味しいと噂の、魔族領の茶を飲むために!(ちゃんと人類も守る)
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる