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第九章:Burning Heart
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『よし、じゃあ、評決取るぞ。行きたい奴、手を上げて』
まず、沙也加さんが手を上げ……それを見て、沙也加さんと一緒だった女の子が手を上げ……。
ふと、沙也加さんと目と目が合った。
そして……。
沙也加さんのお兄さんが、ボクの方を……あっけに取られた感じと、「馬鹿か?」って感じと、「裏切り者が」って感じを1:1:1でミックスしたような表情で見ていた。
もちろん、その場の雰囲気に呑まれて、ボクが手を上げちゃったせいだ……。
続いて、全員が、沙也加さんのお兄さんを見る。
時間が経つ。
数秒のようにも、十数分のようにも感じる時間……。
「あ……1人でも不賛成が居たら無かった事になる話なんで……これでお流れ……」
望月さんが、そう言った瞬間……。
「あんた、馬鹿かッ⁉ 全員、マヌケの集団かッ⁉」
沙也加さんのお兄さんの彼女の罵声。
『い……言っては……みるもんだな……』
当の提案者からして、この事態は予想外だったらしい。
「何でッ‼ 1人でもッ‼ 不賛成だったらッ‼ 無かった事になる話にッ‼ 全員、手ぇ上げたッ⁉ この馬鹿どもがッ‼」
「あ……あ……あ……ごめん……」
「ま……まぁ、お姉ちゃん、いいじゃ……ぐえ……」
沙也加さんのお兄さんの彼女は……沙也加さんの口の両端に指を入れ……。
「だ・れ・が・お・ね・え・ち・ゃ・ん・だ?」
「ぐ……ぐえええ……」
「どっかの誰かさんの悪いとこだけ真似するよ~な阿呆な妹は持った覚えないッ‼」
「は……はい……」
すごい光景だ。
異能力者の中でも……かなり規格外の筈の沙也加さんが……何の異能力もない単なる人間に……やられっぱなし……。
まず、沙也加さんが手を上げ……それを見て、沙也加さんと一緒だった女の子が手を上げ……。
ふと、沙也加さんと目と目が合った。
そして……。
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もちろん、その場の雰囲気に呑まれて、ボクが手を上げちゃったせいだ……。
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「ぐ……ぐえええ……」
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