45 / 125
第六章:Rebel Without a Clue
(11)
しおりを挟む
「か……かわいい……」
あたしは、駅の近くの博物館で、それを見上げながら言った。
「かわいい? 今、『かわいい』って言った?」
そう言ったのは……駅を出た所で合流したクソ女の親類の女性。
「可愛いだろ」
続いてクソ女。
「そうかな……?」
「これが……スーちゃんのモデルか……」
「そうだ……。レプリカだけど、世界最大級のティラノサウルスの化石『スー』だ」
「ああ……やっぱり面影がある……。何て言うか……いかにも……『顔は怖いけど、心は優しいお姉さん系』って感じ」
「そ……そうか……?」
「そう見えないか?」
「見えねえよ」
館内を一通り見て回った後、あたし達は、グッズ売り場に行く。
「お……おい……瀾……」
「何?」
「おまえ、その恐竜のヌイグミさ、いくつも同じの持ってるだろ」
「この子達は、1人1人、わざと表情を変えてるんだ」
「すっかり、商業主義の奴隷だな……。あと、ヌイグルミを『1人』って呼ぶな」
「日本語の抱える根本的な欠陥のせいだ。日本語には、人間より高等な存在を数える為の助数詞が無い」
「おまえさ……あのさ……あくまで仮定の問題だが……」
「何だ?」
「もし、億が一、恐竜が人間世界を征服する為に出現したら……お前、人間と恐竜のどっちに付く?」
「そりゃ、決ってるだろ、賢くて、気高くて、可愛い方だ」
「あたしも……」
「お前ら、さっさと殺した方がいい気がしてきた……」
あたしは、駅の近くの博物館で、それを見上げながら言った。
「かわいい? 今、『かわいい』って言った?」
そう言ったのは……駅を出た所で合流したクソ女の親類の女性。
「可愛いだろ」
続いてクソ女。
「そうかな……?」
「これが……スーちゃんのモデルか……」
「そうだ……。レプリカだけど、世界最大級のティラノサウルスの化石『スー』だ」
「ああ……やっぱり面影がある……。何て言うか……いかにも……『顔は怖いけど、心は優しいお姉さん系』って感じ」
「そ……そうか……?」
「そう見えないか?」
「見えねえよ」
館内を一通り見て回った後、あたし達は、グッズ売り場に行く。
「お……おい……瀾……」
「何?」
「おまえ、その恐竜のヌイグミさ、いくつも同じの持ってるだろ」
「この子達は、1人1人、わざと表情を変えてるんだ」
「すっかり、商業主義の奴隷だな……。あと、ヌイグルミを『1人』って呼ぶな」
「日本語の抱える根本的な欠陥のせいだ。日本語には、人間より高等な存在を数える為の助数詞が無い」
「おまえさ……あのさ……あくまで仮定の問題だが……」
「何だ?」
「もし、億が一、恐竜が人間世界を征服する為に出現したら……お前、人間と恐竜のどっちに付く?」
「そりゃ、決ってるだろ、賢くて、気高くて、可愛い方だ」
「あたしも……」
「お前ら、さっさと殺した方がいい気がしてきた……」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
Neo Tokyo Site 01:第一部「Road to Perdition/非法正義」
蓮實長治
SF
平行世界の「東京」ではない「東京」の千代田区・秋葉原。
父親の形見である強化服「水城(みずき)」を自分の手で再生させる事を夢見る少年・石川勇気と、ある恐るべき「力」を受け継いでしまった少女・玉置レナは、人身売買組織に誘拐された勇気の弟と妹と取り戻そうとするが……。
失なわれた「正義」と「仁愛」を求める「勇気」が歩む冥府魔道の正体は……苦難の果てにささやかな誇りを得る「英雄への旅路」か、それとも栄光と破滅が表裏一体の「堕落への旅路」か?
同じ作者の「世界を護る者達/御当地ヒーロー始めました」「青き戦士と赤き稲妻」と同じ世界観の話です。
「なろう」「カクヨム」「pixiv」にも同じものを投稿しています。
こちらに本作を漫画台本に書き直したものを応募しています。
https://note.com/info/n/n2e4aab325cb5
https://note.com/gazi_kun/n/n17ae6dbd5568
万が一、受賞した挙句にマルチメディア展開になんて事になったら、主題歌は浜田省吾の「MONEY」で……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。


異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる