23 / 125
第三章:Here She Comes
(9)
しおりを挟む
クソ女が戻って来たのは夕方の6時過ぎだった。
それと入れ替わりに、茶髪のボブカットの女は仕事で夜勤だとか言って、この部屋を出て行った。
ダイニング・キッチンには、ご飯の炊ける匂い、豚肉と野菜を炒める匂い。
ご飯の方は……ご飯炊き専用らしい土鍋で炊かれていた。
「遅くなってから中学生が出歩いてると、警察に見付かったら色々と言われるぞ。しかも、関東難民に因縁付けてる不良警官も少なくないから……早い内に帰った方がいいぞ」
「泊まってっていい?」
「何で?」
「家でクーラーつけるお金が無い」
「切実な問題だな……好きにしろ……。じゃあ、夏休みの間は、ここに居るか?」
「いいの?」
「まぁ、こっちから来いって言ったんだ。好きにしろ。ああ、そうだ、洗い物は頼んでいいか?」
「う……うん……」
安請け合いしたはいいけど……食器はともかく、ご飯用の土鍋を洗うのは結構大変だった。
クソ女は、夕食を食べた後、学校の宿題らしい勉強をして、更に本棚から英語の本を取り出し……。
「面白い?」
「まぁな……」
「何の本?」
「ニューラルネットによる機械制御」
なるほど……何の事か、さっぱり判らない。
気付いた時には一〇時ぐらい……。
「おい、そろそろ寝ろ」
「は~い……。ヌイグルミ借りていい?」
「今晩だけだ。明日からは自分のを持って来い」
その時、何故か、玄関の方からチャイムの音。
ドアスコープから外の覗いたクソ女は……何故か首を傾げつつ、玄関のドアを開け……。
「えっ?」
「えっ?」
「何で……沙也加ちゃんと優那ちゃんが、ここに居るの?」
「何で……撫子ちゃんが、ここに居るの?」
そこには……あたしのクラスメイトの沙也加ちゃんと……同じ「魔法少女」チームのメンバーだった優那ちゃんと……身長一八〇㎝台後半の……多分、外人さんだとは思うけど……白人と言われれば白人に、アジア人と言われれば顔は濃いけどアジア人に思えるような感じの……あたしより2~3歳齢上の男の人が居た。
「沙也加……何をやらかした?」
「ごめん、母さんや兄ちゃんにバレるとマズい事をやっちゃって……しばらく、匿ってくれる?」
「だから、何をやった?」
「市会議員をブチのめしちゃった」
「はあ?」
「友達に付き纏ってるストーカーが居たんで、ブチのめしたら……そのストーカーが市会議員だった」
それと入れ替わりに、茶髪のボブカットの女は仕事で夜勤だとか言って、この部屋を出て行った。
ダイニング・キッチンには、ご飯の炊ける匂い、豚肉と野菜を炒める匂い。
ご飯の方は……ご飯炊き専用らしい土鍋で炊かれていた。
「遅くなってから中学生が出歩いてると、警察に見付かったら色々と言われるぞ。しかも、関東難民に因縁付けてる不良警官も少なくないから……早い内に帰った方がいいぞ」
「泊まってっていい?」
「何で?」
「家でクーラーつけるお金が無い」
「切実な問題だな……好きにしろ……。じゃあ、夏休みの間は、ここに居るか?」
「いいの?」
「まぁ、こっちから来いって言ったんだ。好きにしろ。ああ、そうだ、洗い物は頼んでいいか?」
「う……うん……」
安請け合いしたはいいけど……食器はともかく、ご飯用の土鍋を洗うのは結構大変だった。
クソ女は、夕食を食べた後、学校の宿題らしい勉強をして、更に本棚から英語の本を取り出し……。
「面白い?」
「まぁな……」
「何の本?」
「ニューラルネットによる機械制御」
なるほど……何の事か、さっぱり判らない。
気付いた時には一〇時ぐらい……。
「おい、そろそろ寝ろ」
「は~い……。ヌイグルミ借りていい?」
「今晩だけだ。明日からは自分のを持って来い」
その時、何故か、玄関の方からチャイムの音。
ドアスコープから外の覗いたクソ女は……何故か首を傾げつつ、玄関のドアを開け……。
「えっ?」
「えっ?」
「何で……沙也加ちゃんと優那ちゃんが、ここに居るの?」
「何で……撫子ちゃんが、ここに居るの?」
そこには……あたしのクラスメイトの沙也加ちゃんと……同じ「魔法少女」チームのメンバーだった優那ちゃんと……身長一八〇㎝台後半の……多分、外人さんだとは思うけど……白人と言われれば白人に、アジア人と言われれば顔は濃いけどアジア人に思えるような感じの……あたしより2~3歳齢上の男の人が居た。
「沙也加……何をやらかした?」
「ごめん、母さんや兄ちゃんにバレるとマズい事をやっちゃって……しばらく、匿ってくれる?」
「だから、何をやった?」
「市会議員をブチのめしちゃった」
「はあ?」
「友達に付き纏ってるストーカーが居たんで、ブチのめしたら……そのストーカーが市会議員だった」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。
ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる