13 / 125
第二章:Summer Nights
(5)
しおりを挟む
「お兄ちゃ~ん、それでいいの?」
「う……うん……」
食堂で夕食をとっていると、向いの席に居た施設の子供からそう言われた。
選んだ料理は……野菜ばっかり。
最近、高速治癒能力……俗に言う「再生能力」……持ちは、癌になった時の癌細胞の増殖スピードが一般人の下手したら一〇倍以上なんて話を聞いて、健康に気を使ってる。どうやら、傷がすぐに治る仕組みが癌になった時には癌細胞をとんでもない勢いで増やしてしまう方向に働いてしまうらしい。
「まぁ、理事の日焔さんだって、ベジタリアンなのに、あの体格だから……」
「でも、あの先生、本業はお坊さんでしょ? お兄ちゃんは、そうじゃない」
「まぁ……そりゃ……」
「それに、彼女さんに『タイガー』って呼ばれてるのに、肉も魚も食べないって……変だよ。虎は肉食でしょ?」
「その話、誰に聞いたの?」
「エイミーおねえちゃん」
また、あいつか……。
ただ、実際は「タイガー」じゃない。似てるけどビミョ~に違う呼び名だ。
『にゃんこ~、今晩、暇?』
その時、当のガールフレンドの沙也加さんから電話がかかってきた。
「今晩?」
『ちょっと手伝って欲しい事が有るんだけど……』
「あ……あの……」
一応、ボクも2~3歳しか齢上じゃないとは言え……向こうは中学生だ。
『じゃあ、夜の8時半に肥前山口駅前でいい?』
「え?」
何か変だ。
沙也加さんの自宅の最寄り駅は1つ先のJR久留米駅。
沙也加さんの兄さんに相談した方が……駄目だ、話がややこしくなる可能性の方が高い。
あとは……。
「あの……瀾さん……ちょっと相談したい事が……」
沙也加さんの兄さんの高校の同級生でもある日焔さんの姪に電話をする。
彼女なら、この手の事は慣れてる筈……。
『すまん、今、家に客が来てて……話が有るなら、夜の一〇時以降でたのむ』
「い……いや……その、誰に相談したらいいか判んなくて……」
『急ぎなのか?』
「え……ええ……」
『じゃあ、3分以内に簡潔に説明を頼む』
話せる事は、ほとんど無いので……三〇秒以内に説明終了。
『別に大丈夫じゃないのか?』
「何でですか?」
『私が沙也加で……何か暴れるつもりが有るなら……メンバーに「魔法使い」系を入れる。君しか呼んでないなら、荒事をやるつもりじゃないだろうな』
「そ……そうですか……」
『君が沙也加に何もしなけりゃ、あいつの兄貴に舌を引っこ抜かれたり、チ○コを切り取られたり、玉を潰される心配はない。話は、これで終りだ』
「は……はぁ……」
「う……うん……」
食堂で夕食をとっていると、向いの席に居た施設の子供からそう言われた。
選んだ料理は……野菜ばっかり。
最近、高速治癒能力……俗に言う「再生能力」……持ちは、癌になった時の癌細胞の増殖スピードが一般人の下手したら一〇倍以上なんて話を聞いて、健康に気を使ってる。どうやら、傷がすぐに治る仕組みが癌になった時には癌細胞をとんでもない勢いで増やしてしまう方向に働いてしまうらしい。
「まぁ、理事の日焔さんだって、ベジタリアンなのに、あの体格だから……」
「でも、あの先生、本業はお坊さんでしょ? お兄ちゃんは、そうじゃない」
「まぁ……そりゃ……」
「それに、彼女さんに『タイガー』って呼ばれてるのに、肉も魚も食べないって……変だよ。虎は肉食でしょ?」
「その話、誰に聞いたの?」
「エイミーおねえちゃん」
また、あいつか……。
ただ、実際は「タイガー」じゃない。似てるけどビミョ~に違う呼び名だ。
『にゃんこ~、今晩、暇?』
その時、当のガールフレンドの沙也加さんから電話がかかってきた。
「今晩?」
『ちょっと手伝って欲しい事が有るんだけど……』
「あ……あの……」
一応、ボクも2~3歳しか齢上じゃないとは言え……向こうは中学生だ。
『じゃあ、夜の8時半に肥前山口駅前でいい?』
「え?」
何か変だ。
沙也加さんの自宅の最寄り駅は1つ先のJR久留米駅。
沙也加さんの兄さんに相談した方が……駄目だ、話がややこしくなる可能性の方が高い。
あとは……。
「あの……瀾さん……ちょっと相談したい事が……」
沙也加さんの兄さんの高校の同級生でもある日焔さんの姪に電話をする。
彼女なら、この手の事は慣れてる筈……。
『すまん、今、家に客が来てて……話が有るなら、夜の一〇時以降でたのむ』
「い……いや……その、誰に相談したらいいか判んなくて……」
『急ぎなのか?』
「え……ええ……」
『じゃあ、3分以内に簡潔に説明を頼む』
話せる事は、ほとんど無いので……三〇秒以内に説明終了。
『別に大丈夫じゃないのか?』
「何でですか?」
『私が沙也加で……何か暴れるつもりが有るなら……メンバーに「魔法使い」系を入れる。君しか呼んでないなら、荒事をやるつもりじゃないだろうな』
「そ……そうですか……」
『君が沙也加に何もしなけりゃ、あいつの兄貴に舌を引っこ抜かれたり、チ○コを切り取られたり、玉を潰される心配はない。話は、これで終りだ』
「は……はぁ……」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる