5 / 125
第一章:Driving Me Wild
(4)
しおりを挟む
「ところで、その髪型、私の真似た?」
「うるさいですッ‼」
謎のおじさんを助けたのは……今年の春に「魔法少女大戦」というイベントが潰れた時に現われた謎の人物。
高校生らしいけど……身長は一五〇㎝台。けど、筋肉は結構ありそう。
しかも、魔法が全く使えないらしいのに……魔法攻撃を伴なう格闘術の達人の筈のあたしの師匠を、あっさり倒した謎の人物。
「そもそも、この上着何ですかッ?」
「何が?」
「ちゃんと通気性は有るのに……」
「そりゃ、夏に通気性の無い上着を着てたら熱射病で死ぬ」
「なのに、何で、人2人分の体重を支えられたんですか?」
「たまたまだろ。ともかく、ここの救護スタッフを呼んで着てくれ」
「どこへ行けばいいか判りませんッ‼」
「開き直るな。じゃあ、私が探してくる。あ、そのおっさんがベルトに下げてる手榴弾みたいなモノだけど……おっさんの意識が戻る前に全部外して、おっさんの手の届かない所に置いとけ」
「え……えっと……これ……何ですか?」
「多分だけど……警察が犯人を鎮圧する時に使う閃光手榴弾だ。手榴弾って言っても爆発はしない。強い光と音で、犯人の視覚と聴覚を一時的に封じるだけだ。あ、外すのはいいけど、間違ってもピンは抜くな」
そう言って、その女の人は立ち去り……。
「どう言う事だ……一体?」
ガラスを突き破って、吹き抜けから落下しかけたおじさんの救助を手伝ってくれた別のおじさんが、そう言った。
「あ……あの……これって……」
同じく救助を手伝ってくれた別の女の人が、絶賛気絶中のおじさんの胸を指差す。
謎のおじさんが着てるのは……灰色の作業着。
その作業着には見覚えが有った。
そして、女の人が指差してる胸ポケットには……県警のマーク。
ともかく、あたしは、おじさんが腰のベルトに下げてる物騒なモノを外そうと……あれ?
おじさんが……意識を取り戻し……あたしの手を掴み……。
「ぐふふふ……魔王の手先のメスガキ・サキュバスめ……。異世界転生して数々のチート能力を身に付けたボクを、この程度で倒せると思ったか?」
えっ?
このおじさん……何を言ってるの?
そして、もう片方の手がベルトに伸び……あ……まずい……。
「もう一発、ファイアーボールを喰らえッ‼」
……いや、それ絶対に魔法でもファイアーボールでも……。
「ん?……ふにゃ~……」
けど、おじさんは再び気を失なって……。
「あっ…。助かりました、プリムローズさん……」
あたしは「精神破壊」の魔法を使って、あたしを助けてくれたらしい人に言った。
「あのさ……」
「何ですか……?」
「昔の『芸名』で呼ばないでもらえる?」
「うるさいですッ‼」
謎のおじさんを助けたのは……今年の春に「魔法少女大戦」というイベントが潰れた時に現われた謎の人物。
高校生らしいけど……身長は一五〇㎝台。けど、筋肉は結構ありそう。
しかも、魔法が全く使えないらしいのに……魔法攻撃を伴なう格闘術の達人の筈のあたしの師匠を、あっさり倒した謎の人物。
「そもそも、この上着何ですかッ?」
「何が?」
「ちゃんと通気性は有るのに……」
「そりゃ、夏に通気性の無い上着を着てたら熱射病で死ぬ」
「なのに、何で、人2人分の体重を支えられたんですか?」
「たまたまだろ。ともかく、ここの救護スタッフを呼んで着てくれ」
「どこへ行けばいいか判りませんッ‼」
「開き直るな。じゃあ、私が探してくる。あ、そのおっさんがベルトに下げてる手榴弾みたいなモノだけど……おっさんの意識が戻る前に全部外して、おっさんの手の届かない所に置いとけ」
「え……えっと……これ……何ですか?」
「多分だけど……警察が犯人を鎮圧する時に使う閃光手榴弾だ。手榴弾って言っても爆発はしない。強い光と音で、犯人の視覚と聴覚を一時的に封じるだけだ。あ、外すのはいいけど、間違ってもピンは抜くな」
そう言って、その女の人は立ち去り……。
「どう言う事だ……一体?」
ガラスを突き破って、吹き抜けから落下しかけたおじさんの救助を手伝ってくれた別のおじさんが、そう言った。
「あ……あの……これって……」
同じく救助を手伝ってくれた別の女の人が、絶賛気絶中のおじさんの胸を指差す。
謎のおじさんが着てるのは……灰色の作業着。
その作業着には見覚えが有った。
そして、女の人が指差してる胸ポケットには……県警のマーク。
ともかく、あたしは、おじさんが腰のベルトに下げてる物騒なモノを外そうと……あれ?
おじさんが……意識を取り戻し……あたしの手を掴み……。
「ぐふふふ……魔王の手先のメスガキ・サキュバスめ……。異世界転生して数々のチート能力を身に付けたボクを、この程度で倒せると思ったか?」
えっ?
このおじさん……何を言ってるの?
そして、もう片方の手がベルトに伸び……あ……まずい……。
「もう一発、ファイアーボールを喰らえッ‼」
……いや、それ絶対に魔法でもファイアーボールでも……。
「ん?……ふにゃ~……」
けど、おじさんは再び気を失なって……。
「あっ…。助かりました、プリムローズさん……」
あたしは「精神破壊」の魔法を使って、あたしを助けてくれたらしい人に言った。
「あのさ……」
「何ですか……?」
「昔の『芸名』で呼ばないでもらえる?」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
パーティーを追放された装備製作者、実は世界最強 〜ソロになったので、自分で作った最強装備で無双する〜
Tamaki Yoshigae
ファンタジー
ロイルはSランク冒険者パーティーの一員で、付与術師としてメンバーの武器の調整を担当していた。
だがある日、彼は「お前の付与などなくても俺たちは最強だ」と言われ、パーティーをクビになる。
仕方なく彼は、辺境で人生を再スタートすることにした。
素人が扱っても規格外の威力が出る武器を作れる彼は、今まで戦闘経験ゼロながらも瞬く間に成り上がる。
一方、自分たちの実力を過信するあまりチートな付与術師を失ったパーティーは、かつての猛威を振るえなくなっていた。
推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる
ケイちゃん
ファンタジー
ゲームに熱中していた彼は、シナリオで現れたラスボスを好きになってしまう。
彼はその好意にラスボスを倒さず何度もリトライを重ねて会いに行くという狂気の推し活をしていた。
だがある日、ストーリーのエンディングが気になりラスボスを倒してしまう。
結果、ラスボスのいない平和な世界というエンドで幕を閉じ、推しのいない世界の悲しみから倒れて死んでしまう。
そんな彼が次に目を開けるとゲームの中の主人公に転生していた!
主人公となれば必ず最後にはラスボスに辿り着く、ラスボスを倒すという未来を変えて救いだす事を目的に彼は冒険者達と旅に出る。
ラスボスを倒し世界を救うという定められたストーリーをねじ曲げ、彼はラスボスを救う事が出来るのか…?
引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます
ジャン・幸田
キャラ文芸
アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!
そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日向御子物語~時を越えた兄妹の絆~
Takachiho
ファンタジー
高校2年生の天野颯(あまのはやて)は1歳下の妹の真菜(まな)に誘われて三輪山を登った際、その頂上にある日向御子神(ひむかのみこのかみ)を祀る社の前で落雷にあった。それと同時に聞こえた不気味な声に恐れをなした颯は、真菜の手を引いて下山を急ぐ。しかし、三輪山を下りたはずの二人の前に現れたのは、登山口の神社ではなかった。
三輪山ではないどこか。あてどなく彷徨う二人は彦五瀬命(ひこいつせのみこと)と出会い、そこが古代日本であることを知る。颯の知らない神話の時代。そこは現代の常識では考えられない理と化け物が存在する世界だった。
*今作は『小説家になろう』でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる