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第7章:空虚なる者達
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仕事場に戻ると……PCの電源をONにして、椅子に座り、さきいかを頬張り、三五度の焼酎のワンカップで流し込み……。
やっぱり咳こむ。
床に、さきいかと焼酎を吐き出してしまう。
まあ、いいや……。
残った焼酎をチビチビと飲む。
検索サイトで調べものをするだけなのに……酔っぱらってないと、やる気分じゃない。
クソ。
なんで……なんでだよ、クソ。俺が……こんな事になる……ほんの少し前に、どこのメーカーも例の手っ取り早く酔えるチューハイの製造を取り止めたんだよ?
あ……待てよ……。
職場の冷蔵庫に有った炭酸水と、アイスコーヒー用のガムシロップと……一番デカいコップを持って来て……焼酎とガムシロップと炭酸水をコップにブチ込み……飲む。
作る。飲む。
作る。飲む。
その調子でワンカップの焼酎を3つ空にする。
ほど良く、酔いが回った所で、WEBブラウザを立ち上げ……「大春日」と入力……えっ?
検索サイトのサジェストに「大春日 陰陽師」ってのが……。
覚えがねえ……。
こんな事を調べた事なんて……。
検索結果が返ってくる……。
……馬鹿な……。
俺は……検索結果の上位のページのほとんどを見た事が有る。
それなのに……覚えてない……。
一体全体……どうなって……?
その時、仕事用のメアドに着信通知。
俺の担当編集者の松田からだった。
やっぱり咳こむ。
床に、さきいかと焼酎を吐き出してしまう。
まあ、いいや……。
残った焼酎をチビチビと飲む。
検索サイトで調べものをするだけなのに……酔っぱらってないと、やる気分じゃない。
クソ。
なんで……なんでだよ、クソ。俺が……こんな事になる……ほんの少し前に、どこのメーカーも例の手っ取り早く酔えるチューハイの製造を取り止めたんだよ?
あ……待てよ……。
職場の冷蔵庫に有った炭酸水と、アイスコーヒー用のガムシロップと……一番デカいコップを持って来て……焼酎とガムシロップと炭酸水をコップにブチ込み……飲む。
作る。飲む。
作る。飲む。
その調子でワンカップの焼酎を3つ空にする。
ほど良く、酔いが回った所で、WEBブラウザを立ち上げ……「大春日」と入力……えっ?
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覚えがねえ……。
こんな事を調べた事なんて……。
検索結果が返ってくる……。
……馬鹿な……。
俺は……検索結果の上位のページのほとんどを見た事が有る。
それなのに……覚えてない……。
一体全体……どうなって……?
その時、仕事用のメアドに着信通知。
俺の担当編集者の松田からだった。
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