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第6章:オブリビオン
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「間に合って……くれ……」
俺の漫画にアドバイスをしてくれてる自称・霊能者の府川は……深呼吸をした後、そう言うと何か呪文を唱え……。
密教で「刀印」と呼ばれる片手の人差し指と中指だけを延ばし、他の指を折り曲げた状態で、空中に印を描く。
「もしもし……」
府川は、スマホに出ると同時に、スマホの音量を上げたようだ。
『覚えてるかい? あたしだよ、春日美由紀』
「誰だ?……春日って……陰陽道の大春日一族の末裔とかいう『設定』か何かか?」
『そうか……あんたにまで影響が及んでんのか』
「何を言ってる?」
『元凶は、その男だ……。少なくとも……このバカデカい呪いの渦の中心の1つだ』
「その男?」
『漫画家の安房清二だよ……。「本家・祟り屋」とかいう下んね~漫画の作者の……』
自称・霊能者の府川と、編集者の松田が、俺の方を見る。
『助かりたけりゃ……何もするな。少なくとも、呪術的なマネは……。どんな修法だろうと、この呪いに関わったが最後、暴走する』
「な……何を言ってる?」
『あたしは……ヤバいと思った時に、うっかり、そいつと……「縁を切る」修法を使っちまたんだよ。そいつが引き起こした呪いに巻き込まれねえようにする為にね』
「え……?」
謎の女の声が、そう告げた瞬間……電話は切れた。
「多分……あんたにかかってきた電話の主と同じだ」
府川は、スマホの画面を見せる。
さっきの電話の発信元は……公衆電話。
「そして、あんたにかかってきた電話と同じだ……。呪いも一緒に送られてきてた。俺の心を操って、この電話を取らせないようにする呪いが……」
俺の漫画にアドバイスをしてくれてる自称・霊能者の府川は……深呼吸をした後、そう言うと何か呪文を唱え……。
密教で「刀印」と呼ばれる片手の人差し指と中指だけを延ばし、他の指を折り曲げた状態で、空中に印を描く。
「もしもし……」
府川は、スマホに出ると同時に、スマホの音量を上げたようだ。
『覚えてるかい? あたしだよ、春日美由紀』
「誰だ?……春日って……陰陽道の大春日一族の末裔とかいう『設定』か何かか?」
『そうか……あんたにまで影響が及んでんのか』
「何を言ってる?」
『元凶は、その男だ……。少なくとも……このバカデカい呪いの渦の中心の1つだ』
「その男?」
『漫画家の安房清二だよ……。「本家・祟り屋」とかいう下んね~漫画の作者の……』
自称・霊能者の府川と、編集者の松田が、俺の方を見る。
『助かりたけりゃ……何もするな。少なくとも、呪術的なマネは……。どんな修法だろうと、この呪いに関わったが最後、暴走する』
「な……何を言ってる?」
『あたしは……ヤバいと思った時に、うっかり、そいつと……「縁を切る」修法を使っちまたんだよ。そいつが引き起こした呪いに巻き込まれねえようにする為にね』
「え……?」
謎の女の声が、そう告げた瞬間……電話は切れた。
「多分……あんたにかかってきた電話の主と同じだ」
府川は、スマホの画面を見せる。
さっきの電話の発信元は……公衆電話。
「そして、あんたにかかってきた電話と同じだ……。呪いも一緒に送られてきてた。俺の心を操って、この電話を取らせないようにする呪いが……」
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