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諸神之黄昏 ― Ragnarok : Battle Royal ―
The Creature (3)
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「くそ……フザケた真似を……」
俺には下から銃撃してくるヤツのほぼ正確な位置が判る。
俺に埋め込まれた妙な金属の玉っコロのお蔭だ……。俺には生きているモノや俺の同類の位置を検知する事が出来て……下から攻撃してるのは、俺の同類らしい。
動きや場所からすると、おそらく人間サイズ。
だが……ヤツの位置が判っているのは……あくまで俺……俺の脳だ。
しかし、この鋼の巨人のAIにとっては……「カメラに写っていない居場所不明の敵」だ……。
そして……俺が把握してるが、AIが知らない事を、AIに教える手段は……無い。
くそ……ヤツは……この「国防戦機・特号機」の事を良く知ってるようだ。
そのクソッタレな野郎は……俺と敵機を下から攻撃しつつ、少しづつ「九段」の方に移動している。
誘っているのか……なら、乗ってやろう。
俺は、この島の4つの地区を繋ぐ高架上の「大通り」を走り続ける。
しばらくすると……下の一般道路に降りる為の降り口が見えた。
クソ野郎は……俺の少し先。
俺は……その降り口の車線に入り……「国防戦機・特号機」のカメラがヤツを補足。
強化服を着装した人間、その側には青い三輪バイク。
だが、ヤツは、座って何か作業をしている……。
「映像を拡大」
俺は次の瞬間、「国防戦機・特号機」の足の車輪の回転数を上げる。
聴覚センサが背後で轟く迫撃砲弾の爆音を検知。
「後部カメラの映像を表示」
道には大穴が空き……その大穴から道そのものが崩れていっている。
クソ、下に転落すれば、この機体は無事でも……俺が無事じゃ済まない。
何とか下の一般道路に降りて……ヤツの方に機体の前面を向け……。
胸の装甲を開く。
「国防戦機」の通常型なら、動力源である大型バッテリーが入ってる部分だが……この「特号機」は俺が動力源を兼ねてるんで、バッテリーは一時用の小型のモノで十分だ。
その代り……胸の内側に有るのは……そうだ……こいつのお蔭で、この機体1つで、何台もの「通常型」を倒せたのだ。
強化服のせいで顔は見えねぇが、多分、今頃、ヤツは自分に向けられているとんでもない数の銃器を見て……驚いてない……しまった。
ヤツは、三輪バイクに飛び乗り、こっちに急接近。
4m級のパワーローダーの胸に固定された銃器で、その足下に急接近しつつ有る人間サイズのヤツを狙えるか?
Noだ。少なくとも困難だ。
俺は機体に膝を付かせて射線を通そうとするが……間に合わない。
ヤツは「特号機」の横を悠々と通り抜け、「特号機」の背後に移動。
「特号機」は……膝を付いてしまったせいで……ヤツの方向をすぐには向けない……。顔だけは……向ける事が出来て……視覚センサはヤツの姿を捕えた……。
何で、「ガンダム」とか云う昔のアニメの主役ロボットに似せた外見なのに……頭に機銃が無いんだよ、特号機は?
明らかな設計ミスだろ‼
あのロボットみたいに、頭に機銃が有れば……当たらないまでも、威嚇射撃ぐらいは……。
だが……そんな馬鹿な事が脳裏を過ってる最中……俺は……ある事に気付いた……。
何だ……ヤツが背負っている……あの馬鹿馬鹿しい代物は……?
次の瞬間……。
何かが固いモノを貫く衝撃音が複数。俺の側を高速の何かが飛ぶ音。しかし……発射音は検知されてない……。
幸い、俺に怪我は無かった……。機体にもデカい損傷は無いようだ。危ない所だったが……。
「ふ……ふざけんな……。な……なんだ、こりゃ……」
俺はヘッドマウント・ディスプレイを外す。
操縦席の中には……背後から装甲を貫いて飛び込んで来た……一本の矢が突き刺さっていた。
機体を立ち上がらせ……再びヘッドマウント・ディスプレイを装着。
後部カメラが写した映像の中では……銀色のパワードスーツが……それほど大型じゃないが……やたらとゴッツい作りの金属製の「弓」を構え……次の矢を放とうとしていた。
俺には下から銃撃してくるヤツのほぼ正確な位置が判る。
俺に埋め込まれた妙な金属の玉っコロのお蔭だ……。俺には生きているモノや俺の同類の位置を検知する事が出来て……下から攻撃してるのは、俺の同類らしい。
動きや場所からすると、おそらく人間サイズ。
だが……ヤツの位置が判っているのは……あくまで俺……俺の脳だ。
しかし、この鋼の巨人のAIにとっては……「カメラに写っていない居場所不明の敵」だ……。
そして……俺が把握してるが、AIが知らない事を、AIに教える手段は……無い。
くそ……ヤツは……この「国防戦機・特号機」の事を良く知ってるようだ。
そのクソッタレな野郎は……俺と敵機を下から攻撃しつつ、少しづつ「九段」の方に移動している。
誘っているのか……なら、乗ってやろう。
俺は、この島の4つの地区を繋ぐ高架上の「大通り」を走り続ける。
しばらくすると……下の一般道路に降りる為の降り口が見えた。
クソ野郎は……俺の少し先。
俺は……その降り口の車線に入り……「国防戦機・特号機」のカメラがヤツを補足。
強化服を着装した人間、その側には青い三輪バイク。
だが、ヤツは、座って何か作業をしている……。
「映像を拡大」
俺は次の瞬間、「国防戦機・特号機」の足の車輪の回転数を上げる。
聴覚センサが背後で轟く迫撃砲弾の爆音を検知。
「後部カメラの映像を表示」
道には大穴が空き……その大穴から道そのものが崩れていっている。
クソ、下に転落すれば、この機体は無事でも……俺が無事じゃ済まない。
何とか下の一般道路に降りて……ヤツの方に機体の前面を向け……。
胸の装甲を開く。
「国防戦機」の通常型なら、動力源である大型バッテリーが入ってる部分だが……この「特号機」は俺が動力源を兼ねてるんで、バッテリーは一時用の小型のモノで十分だ。
その代り……胸の内側に有るのは……そうだ……こいつのお蔭で、この機体1つで、何台もの「通常型」を倒せたのだ。
強化服のせいで顔は見えねぇが、多分、今頃、ヤツは自分に向けられているとんでもない数の銃器を見て……驚いてない……しまった。
ヤツは、三輪バイクに飛び乗り、こっちに急接近。
4m級のパワーローダーの胸に固定された銃器で、その足下に急接近しつつ有る人間サイズのヤツを狙えるか?
Noだ。少なくとも困難だ。
俺は機体に膝を付かせて射線を通そうとするが……間に合わない。
ヤツは「特号機」の横を悠々と通り抜け、「特号機」の背後に移動。
「特号機」は……膝を付いてしまったせいで……ヤツの方向をすぐには向けない……。顔だけは……向ける事が出来て……視覚センサはヤツの姿を捕えた……。
何で、「ガンダム」とか云う昔のアニメの主役ロボットに似せた外見なのに……頭に機銃が無いんだよ、特号機は?
明らかな設計ミスだろ‼
あのロボットみたいに、頭に機銃が有れば……当たらないまでも、威嚇射撃ぐらいは……。
だが……そんな馬鹿な事が脳裏を過ってる最中……俺は……ある事に気付いた……。
何だ……ヤツが背負っている……あの馬鹿馬鹿しい代物は……?
次の瞬間……。
何かが固いモノを貫く衝撃音が複数。俺の側を高速の何かが飛ぶ音。しかし……発射音は検知されてない……。
幸い、俺に怪我は無かった……。機体にもデカい損傷は無いようだ。危ない所だったが……。
「ふ……ふざけんな……。な……なんだ、こりゃ……」
俺はヘッドマウント・ディスプレイを外す。
操縦席の中には……背後から装甲を貫いて飛び込んで来た……一本の矢が突き刺さっていた。
機体を立ち上がらせ……再びヘッドマウント・ディスプレイを装着。
後部カメラが写した映像の中では……銀色のパワードスーツが……それほど大型じゃないが……やたらとゴッツい作りの金属製の「弓」を構え……次の矢を放とうとしていた。
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