Neo Tokyo Site 01:第二部「激突‼ 四大魔法少女+2‼ − Asura : The City of Madness −」

蓮實長治

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諸神之黄昏 ― Ragnarok : Battle Royal ―

The Creature (3)

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「くそ……フザケた真似を……」
 俺にはから銃撃してくるヤツのほぼ正確な位置が判る。
 俺に埋め込まれた妙な金属の玉っコロのお蔭だ……。俺には生きているモノや俺の同類の位置を検知する事が出来て……下から攻撃してるのは、俺の同類らしい。
 動きや場所からすると、おそらく人間サイズ。
 だが……ヤツの位置が判っているのは……あくまで俺……俺の脳だ。
 しかし、この鋼の巨人のAIにとっては……「カメラに写っていない居場所不明の敵」だ……。
 そして……俺が把握してるが、AIが知らない事を、AIに教える手段は……無い。
 くそ……ヤツは……この「国防戦機・特号機」の事を良く知ってるようだ。
 そのクソッタレな野郎は……俺と敵機を下から攻撃しつつ、少しづつ「九段」の方に移動している。
 誘っているのか……なら、乗ってやろう。
 俺は、この島の4つの地区を繋ぐ高架上の「大通り」を走り続ける。
 しばらくすると……下の一般道路に降りる為の降り口が見えた。
 クソ野郎は……俺の少し先。
 俺は……その降り口の車線に入り……「国防戦機・特号機」のカメラがヤツを補足。
 強化服パワードスーツを着装した人間、その側には青い三輪バイクトライク
 だが、ヤツは、座って何か作業をしている……。
「映像を拡大」
 俺は次の瞬間、「国防戦機・特号機」の足の車輪の回転数を上げる。
 聴覚センサが背後で轟く迫撃砲弾の爆音を検知。
「後部カメラの映像を表示」
 道には大穴が空き……その大穴から道そのものが崩れていっている。
 クソ、下に転落すれば、この機体は無事でも……俺が無事じゃ済まない。
 何とか下の一般道路に降りて……ヤツの方に機体の前面を向け……。
 胸の装甲を開く。
 「国防戦機」の通常型なら、動力源である大型バッテリーが入ってる部分だが……この「特号機」は俺が動力源を兼ねてるんで、バッテリーは一時バッファ用の小型のモノで十分だ。
 その代り……胸の内側に有るのは……そうだ……こいつのお蔭で、この機体1つで、何台もの「通常型」を倒せたのだ。
 強化服パワードスーツのせいで顔は見えねぇが、多分、今頃、ヤツは自分に向けられているとんでもない数の銃器を見て……驚いてない……しまった。
 ヤツは、三輪バイクトライクに飛び乗り、こっちに急接近。
 4m級のパワーローダーの胸に固定された銃器で、その足下に急接近しつつ有る人間サイズのヤツを狙えるか?
 Noだ。少なくとも困難だ。
 俺は機体に膝を付かせて射線を通そうとするが……間に合わない。
 ヤツは「特号機」の横を悠々と通り抜け、「特号機」の背後に移動。
 「特号機」は……膝を付いてしまったせいで……ヤツの方向をすぐには向けない……。顔だけは……向ける事が出来て……視覚センサはヤツの姿を捕えた……。
 何で、「ガンダム」とか云う昔のアニメの主役ロボットに似せた外見なのに……頭に機銃が無いんだよ、特号機こいつは?
 明らかな設計ミスだろ‼
 あのロボットみたいに、頭に機銃が有れば……当たらないまでも、威嚇射撃ぐらいは……。
 だが……そんな馬鹿な事が脳裏を過ってる最中……俺は……ある事に気付いた……。
 何だ……ヤツが背負っている……あの馬鹿馬鹿しい代物は……?
 次の瞬間……。
 何かが固いモノを貫く衝撃音が複数。俺の側を高速の何かが飛ぶ音。しかし……発射音は検知されてない……。
 幸い、俺に怪我は無かった……。機体にもデカい損傷は無いようだ。危ない所だったが……。
「ふ……ふざけんな……。な……なんだ、こりゃ……」
 俺はヘッドマウント・ディスプレイを外す。
 操縦席の中には……背後から装甲を貫いて飛び込んで来た……一本のが突き刺さっていた。
 機体を立ち上がらせ……再びヘッドマウント・ディスプレイを装着。
 後部カメラが写した映像の中では……銀色のパワードスーツが……それほど大型じゃないが……やたらとゴッツい作りの金属製の「弓」を構え……次の矢を放とうとしていた。
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