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熱血街頭 ― HIGH&LOW ―
関口 陽(ひなた) (8)
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強化服「水城」。
民生用強化服の中でも、かなりの高級モデル。
名前の由来は、福岡県内……たしか太宰府あたり……の地名
設計したのは、北九州の門司に本社が有る会社だが、韓国や東南アジアでのライセンス生産が大半らしい。
そのせいで「基本的に国内生産」と云う条件が付く、対異能力者広域警察「レコンキスタ」の中でもエリート部隊「レンジャー隊」の制式装備には選ばれなかったって話だが、性能だけなら、レンジャー隊用の強化装甲服を上回る。……ただし、値段も、それ相応。
ここまでは「本土」の連中でも知ってる話だ。
けど、この強化服は、日本各地に点在する4つの「紛物の東京」では、ある男のシンボルだった。
警察に代って、「紛物の東京」の治安を維持している「自警団」の中で最初に出来た……千代田区「秋葉原」地区の「サラマンダーズ」の初代リーダー……石川智志が愛用していたのが、この「水城」だ。
「秋葉原」の2つ目の自警団「Armored Geeks」のリーダーの目の前に、1台の4輪バギーが停止した。
それに乗っていたのも……。
「水城が2つ?」
「でも……何か、外見が微妙に違うような……」
「ああ、あっちはアンチNBCモデルだ」
「えっ?……NBC?」
「ああ、放射能・有害微生物・有害化学物質に汚染された場所で使用する為のタイプで……単純な馬力は、あっちのヤツが着てる通常型の3割増しだ」
言われてみれば、顔に有る防毒・防塵マスクらしい部品は大きく、表面の金属装甲は多め、背中のバックパックもデカい。
ともかく、私達の目の前には……他の自警団からさえ一目置かれてた男の……と云うか、古臭い言い方だが、漢字の漢と書く方の「英雄」の象徴を着装ったヤツが2人対峙していた。
「てめぇ……誰だ? 誰に断わって、その格好をしてやがる?」
「話は聞いてる……。こいつを使ってた……この『島』では英雄扱いされてる男の出来の悪いドラ息子だそうだな」
二十代か……三十代前半ぐらいの女の声。
「『誰に断わって』か……面白い事を言うな。この『島』のローカル・ルールでは英雄の象徴かも知れないが、外の世界では、どこにでも有る量産品だ」
「ふ……ふざけ……」
「秋葉原」のヤツが自動小銃を、もう一人の「水城」に向けた瞬間、突如、横から吹いてきた銀色の突風がヤツを吹き飛した。
「おい、お前らのリーダーの命が惜しければ……全員、武器を捨てて、両手は頭の後、そしてひざまずけ」
気付いた時には、「秋葉原」のリーダーは地面に倒れ、3人の……「人」でいいのかは不明だが、一応は3人に取り囲まれていた。
「水城」を着装った女の手には、「秋葉原」の連中が使ってた自動小銃より遥かにデカい銃が、黒いコートに中国の京劇の孫悟空風のペイントがされたフルヘルメットのヤツの手には、強化服でも貫けそうなゴツい弓矢が握られていた。
そして3人目は……そうだ……「有楽町」で警察の特殊部隊を壊滅させたヤツに良くにた……けど……どこか微妙に違う銀色の狼男だった。
「おい……チビ……あの『水城』の女……お前の親類か何かか?」
「ノーコメントだ。だが、何故、そう思った?」
「人をイラツかせる物言いがクリソツだ……」
民生用強化服の中でも、かなりの高級モデル。
名前の由来は、福岡県内……たしか太宰府あたり……の地名
設計したのは、北九州の門司に本社が有る会社だが、韓国や東南アジアでのライセンス生産が大半らしい。
そのせいで「基本的に国内生産」と云う条件が付く、対異能力者広域警察「レコンキスタ」の中でもエリート部隊「レンジャー隊」の制式装備には選ばれなかったって話だが、性能だけなら、レンジャー隊用の強化装甲服を上回る。……ただし、値段も、それ相応。
ここまでは「本土」の連中でも知ってる話だ。
けど、この強化服は、日本各地に点在する4つの「紛物の東京」では、ある男のシンボルだった。
警察に代って、「紛物の東京」の治安を維持している「自警団」の中で最初に出来た……千代田区「秋葉原」地区の「サラマンダーズ」の初代リーダー……石川智志が愛用していたのが、この「水城」だ。
「秋葉原」の2つ目の自警団「Armored Geeks」のリーダーの目の前に、1台の4輪バギーが停止した。
それに乗っていたのも……。
「水城が2つ?」
「でも……何か、外見が微妙に違うような……」
「ああ、あっちはアンチNBCモデルだ」
「えっ?……NBC?」
「ああ、放射能・有害微生物・有害化学物質に汚染された場所で使用する為のタイプで……単純な馬力は、あっちのヤツが着てる通常型の3割増しだ」
言われてみれば、顔に有る防毒・防塵マスクらしい部品は大きく、表面の金属装甲は多め、背中のバックパックもデカい。
ともかく、私達の目の前には……他の自警団からさえ一目置かれてた男の……と云うか、古臭い言い方だが、漢字の漢と書く方の「英雄」の象徴を着装ったヤツが2人対峙していた。
「てめぇ……誰だ? 誰に断わって、その格好をしてやがる?」
「話は聞いてる……。こいつを使ってた……この『島』では英雄扱いされてる男の出来の悪いドラ息子だそうだな」
二十代か……三十代前半ぐらいの女の声。
「『誰に断わって』か……面白い事を言うな。この『島』のローカル・ルールでは英雄の象徴かも知れないが、外の世界では、どこにでも有る量産品だ」
「ふ……ふざけ……」
「秋葉原」のヤツが自動小銃を、もう一人の「水城」に向けた瞬間、突如、横から吹いてきた銀色の突風がヤツを吹き飛した。
「おい、お前らのリーダーの命が惜しければ……全員、武器を捨てて、両手は頭の後、そしてひざまずけ」
気付いた時には、「秋葉原」のリーダーは地面に倒れ、3人の……「人」でいいのかは不明だが、一応は3人に取り囲まれていた。
「水城」を着装った女の手には、「秋葉原」の連中が使ってた自動小銃より遥かにデカい銃が、黒いコートに中国の京劇の孫悟空風のペイントがされたフルヘルメットのヤツの手には、強化服でも貫けそうなゴツい弓矢が握られていた。
そして3人目は……そうだ……「有楽町」で警察の特殊部隊を壊滅させたヤツに良くにた……けど……どこか微妙に違う銀色の狼男だった。
「おい……チビ……あの『水城』の女……お前の親類か何かか?」
「ノーコメントだ。だが、何故、そう思った?」
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