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犯罪都市 ― The Outlows ―
眼鏡っ娘 (5)
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あたしは、勇気さんやレナさんの家に一番近い地下鉄の駅を張り込んでいた。バスを使うかも知れないけど……そうなったら、また考えよう。
そして、あっけなく「秋葉原高専」の制服代りの作業着を着た女の子……早い話がレナさんが現われた。
「レナさんっ‼」
「あれ……?」
レナさんは少しの間、何かを考えると、あたしの肩に手を当てて……。
「そうだ。丁度いいや、少し付き合ってくれる?」
「えっ?」
「あんたも私に話が有ったんでしょ?」
「そうですけど……」
「じゃあ、ゆっくり話そう。片道2時間ほど。丁度、今日は金曜だから、その後も話す時間はたっぷり有る」
「片道? 片道って何ですか?」
「『本土』の友達ん家に泊りがけで遊びに行く事になった。あんたも一緒に行こう」
「ええええっ? いや……その……あたしは『自警団』の仕事が……」
「へぇ、で、『神保町』の自警団の子が、何で『秋葉原』に居るのかなぁ?」
「ええっと……」
「やっぱり、『Armored Geeks』が出来た時に、お金や人材を出したのは……」
「は……はい……。ウチの総帥ですっ‼」
レナさんは、溜息を付いた。
「あのさ……問い詰めてるあたしが言うのも何だけど……何で、そこまであっさり自白するかな?」
そう言われても、あたし達「魔法使い」にとってさえ「謎のチート能力」持ちの人に下手に逆らえる訳ありませんッ‼
結局、あたしは「島」の地下鉄の環状線に乗る事になった。
「……勇気のバカとは分れた方がいいよ……。あんたも、その内、無事じゃ済まなくなるか……さもなくば、取り返しの付かない事をやらされる羽目になるよ……」
「で……でも……その……」
「勇気が、ああなった原因は、あんたじゃなくて、あくまでも、あんたの先輩でしょ。あんたが責任を感じる必要は無い」
「は……はぁ……」
「あんたが勇気に何かしてやりたいんなら……元凶の先輩を探し出して責任取らせる方がいいんじゃないの?」
「そ……そうかも知れません……」
「あとさ……前から気になってたんだけど……学校どこだっけ?」
「行ってません」
「はぁ?」
「学校行かずに、『自警団』活動と『魔導師』の修行を……」
「あんたの保護者は、どこの誰で、一体全体、何をやってんだ?」
レナさんの顔に、やれやれと言いたげな表情が浮かんだ。
「あ……瀾……。もう1人、泊めて欲しい人が居る。ついでに、前、言ってたよね? あんたの親類で児童養護施設の人が居たって……うん……そこで、高校生ぐらいの子でも受け入れてもらえるの?」
レナさんは誰かに……いや、相手は誰か予想が付くけど、ともかく、とんでもない事を電話しながら言い出した。
「あ……あの……レナさん……」
その時、電車の中の、あたし達が座ってる席の前を……。
「今の……何?」
「え~っと……そろそろハロウィンですから……」
「『九段』のハロウィン・イベントは明日と明後日でしょ? 気が早いよ」
目の前を、もの凄い勢いで駆けていったのは……あたし達と同じ位の齢の……フードの部分が「本当の東京」が壊滅する前に放送されてた子供向けアニメに出て来た恐竜の「タル坊」の顔になってるパーカーを着て……何故か、山刀みたいなモノを背負った女の子。
……え……でも、さっきの女の子……一瞬だけだったから判らなかったけど……まさか……。
ところが、続いて、さっきの女の子を追い掛けるように、もう一人……「魔法使い」特有の「気」を装った女の子が隣の車両から現われた。
軍隊か警察の制帽を元にしたようなデザインの黒い革の帽子をつばを後にして被っている。ダブダブめの黒いブラウス。膝上までの黒いスカート。腰には黒革のポーチとバッグを付けている。結構、お洒落な感じの黒一色の服装。
ただ……靴だけは……実用重視で走り易そうだけど、履き古したスニーカーだ。
どうやら、その女の子も、あたしを「同業」だと気付いたようで……あたしの方に目を向けた。
「知り合い?」
「い……いえ……」
そして、あっけなく「秋葉原高専」の制服代りの作業着を着た女の子……早い話がレナさんが現われた。
「レナさんっ‼」
「あれ……?」
レナさんは少しの間、何かを考えると、あたしの肩に手を当てて……。
「そうだ。丁度いいや、少し付き合ってくれる?」
「えっ?」
「あんたも私に話が有ったんでしょ?」
「そうですけど……」
「じゃあ、ゆっくり話そう。片道2時間ほど。丁度、今日は金曜だから、その後も話す時間はたっぷり有る」
「片道? 片道って何ですか?」
「『本土』の友達ん家に泊りがけで遊びに行く事になった。あんたも一緒に行こう」
「ええええっ? いや……その……あたしは『自警団』の仕事が……」
「へぇ、で、『神保町』の自警団の子が、何で『秋葉原』に居るのかなぁ?」
「ええっと……」
「やっぱり、『Armored Geeks』が出来た時に、お金や人材を出したのは……」
「は……はい……。ウチの総帥ですっ‼」
レナさんは、溜息を付いた。
「あのさ……問い詰めてるあたしが言うのも何だけど……何で、そこまであっさり自白するかな?」
そう言われても、あたし達「魔法使い」にとってさえ「謎のチート能力」持ちの人に下手に逆らえる訳ありませんッ‼
結局、あたしは「島」の地下鉄の環状線に乗る事になった。
「……勇気のバカとは分れた方がいいよ……。あんたも、その内、無事じゃ済まなくなるか……さもなくば、取り返しの付かない事をやらされる羽目になるよ……」
「で……でも……その……」
「勇気が、ああなった原因は、あんたじゃなくて、あくまでも、あんたの先輩でしょ。あんたが責任を感じる必要は無い」
「は……はぁ……」
「あんたが勇気に何かしてやりたいんなら……元凶の先輩を探し出して責任取らせる方がいいんじゃないの?」
「そ……そうかも知れません……」
「あとさ……前から気になってたんだけど……学校どこだっけ?」
「行ってません」
「はぁ?」
「学校行かずに、『自警団』活動と『魔導師』の修行を……」
「あんたの保護者は、どこの誰で、一体全体、何をやってんだ?」
レナさんの顔に、やれやれと言いたげな表情が浮かんだ。
「あ……瀾……。もう1人、泊めて欲しい人が居る。ついでに、前、言ってたよね? あんたの親類で児童養護施設の人が居たって……うん……そこで、高校生ぐらいの子でも受け入れてもらえるの?」
レナさんは誰かに……いや、相手は誰か予想が付くけど、ともかく、とんでもない事を電話しながら言い出した。
「あ……あの……レナさん……」
その時、電車の中の、あたし達が座ってる席の前を……。
「今の……何?」
「え~っと……そろそろハロウィンですから……」
「『九段』のハロウィン・イベントは明日と明後日でしょ? 気が早いよ」
目の前を、もの凄い勢いで駆けていったのは……あたし達と同じ位の齢の……フードの部分が「本当の東京」が壊滅する前に放送されてた子供向けアニメに出て来た恐竜の「タル坊」の顔になってるパーカーを着て……何故か、山刀みたいなモノを背負った女の子。
……え……でも、さっきの女の子……一瞬だけだったから判らなかったけど……まさか……。
ところが、続いて、さっきの女の子を追い掛けるように、もう一人……「魔法使い」特有の「気」を装った女の子が隣の車両から現われた。
軍隊か警察の制帽を元にしたようなデザインの黒い革の帽子をつばを後にして被っている。ダブダブめの黒いブラウス。膝上までの黒いスカート。腰には黒革のポーチとバッグを付けている。結構、お洒落な感じの黒一色の服装。
ただ……靴だけは……実用重視で走り易そうだけど、履き古したスニーカーだ。
どうやら、その女の子も、あたしを「同業」だと気付いたようで……あたしの方に目を向けた。
「知り合い?」
「い……いえ……」
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