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「赤き稲妻」第2章:秘かなる侵略(シークレット・インベージョン)
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「敵対する上霊達は深圳に移動した模様だ。そして、深圳に入っているこちら側の諜報員の情報では……香港に集結しているテロリスト達は深圳でも目撃されている。謎の『鎧』やテロリストに奪還された捕虜も、そこに居ると思われる。既に情報部は、敵テロリストの本拠地の候補をいくつか割り出している。その候補の中で上霊が居る場所こそ攻撃目標だ。全員の『鎧』が香港に揃い次第、撃滅作戦を行なう」
翌日の朝一番で我々を召集したランダ大佐は、いきなり、とんでも無い事を言い出した。
「ちょっと待って下さい。我々が中国側に入るんですか?中国にバレたら戦争になりますぜ」
「グルリット中佐、世界政府の公式見解では、君が『中国』と呼んだ勢力は『反世界政府勢力』の1つに過ぎない。いさかか以上に強大な勢力では有るがな。そして、奴らと世界政府が、停戦合意や和平条約を結んだ記録は、どこにも存在しない。『戦争になる』とは寝惚けた見解も有ったものだ。既に戦争中だよ」
「建前では、そうでしょうが……。上は一体、何を焦ってるんですか?」
「我々が詮索して良い事ではない。我々は所詮は使い捨ての一兵卒だ。階級こそ士官だとしてもな。話は終りだ。細かい事は配布した資料と作戦命令書に書いてある。疑問が有ろうと、私の指示は禁軍・枢密院と世界政府宰相の指示と思え。そして、我々には、禁軍・枢密院と世界政府宰相の命令に疑問を持つ権限など無い」
深圳……ここ数年で、急速に工業地帯と化している、香港に隣接する地域だ。1年ほど前から人工衛星の打ち上げさえ行なうようになっている。
「大佐、質問が……」
「何かね、ヴェールマン中尉?」
「この資料では、亡命者を名乗る組織の活動が最初に確認されたのは、4年前との事ですが……」
「それが、どうかしたかね?」
「我々が潜入する深圳が工業地帯となったのも約4年前ですよね?」
「何が言いたい?」
「ここ4~5年で、中国及び中央アフリカ連邦では、画期的な工業製品が次々と実用化され普及しています。携帯電話や携帯TVを兼ねた超小型電脳。人工衛星を用いた測位システム。まだ実験段階ですが1回の充電で一〇〇㎞以上の走行が可能な電気自動車。安価に大量生産出来るにも関わらず、我々の『鎧』の装甲の強度をも超える金属材料『不均一非結晶合金』……」
「だから、何が言いたいのだ?『亡命者』を名乗る者達が、本当に地球に亡命して来た異星人か何かで、その進んだ技術を中国や中央アフリカ連邦に提供したとでも言うのかね?認めるのは癪だが、それより前から、中国や中央アフリカ連邦は、世界政府の統治地域よりも、科学技術に関しては一歩先を行っていた」
「なるほど。つまり、本当に『亡命者』なる組織が『地球より進んだ科学技術を持つ他の惑星か他の世界からの亡命者』なら、自分達の科学技術を提供するとすりゃ、世界政府じゃなくて中国や中央アフリカ連邦が合理的な選択肢になりますな」
「中佐、君までおかしな事を言い出すのかね?」
「あと、この作戦命令書の内容ですが……『敵の本拠地に居る者は基本的に全員殺害せよ』って……冗談抜きで、上は何を焦ってるんですか?」
「だから、何が言いたい?」
「例えば、俺達が、敵から、何か、とんでも無い情報を得てしまった場合……俺達が上から消されるなんて事ぁ、無いですよね?」
会議とは到底呼べない会議が終った後、私とヴェールマン中尉は少し早めの昼食をとった。
「結局、私も中佐が言っていた論文の内容を知るべきだったんでしょうか?」
そう、結局、私は中佐が見せると言ってくれたコ事務官の父親の論文を見なかったのだ。
「さて……例えばだ、君が、カトリックの神父だったとしよう。そして、もし、『キリスト教の神は実在するが、唯一絶対の存在ではなく、無数に居る神の1つに過ぎない』と云う証拠を見付けてしまったとしたら、どうなると思う?」
「よく判らない喩えですが……その場合は、信仰を失なうでしょうね」
「では、仏教の僧侶やインドの司祭階級だった場合に、同じ証拠を見付けてしまったとしたら?」
「その場合は、まぁ、そんな事も有るかと思って、それで終りでしょうね。……回りくどい喩えですが、何となく判りました」
「そう云う事だ。君が今まで信じていたモノが崩れ去り、完全に……そして永遠に元の君に戻れなくなるか、『そんな事も有るか』で済むかは君次第だ。中佐が見せてくれた論文は、そう云うモノだ。そして、前者の場合は……自分が変ってしまったのを隠し通すのは難しい。永遠に神を信じられなくなったカトリックの神父が、同じカトリックの神父にその事を隠し通すのは、困難だろう。嫌でも、態度や、ちょっとした言葉の端々に、その兆候は出てしまう。それも信仰を失なった直後なら、自分の本心を隠すのは、より困難になるだろう」
「じゃあ、さっきの会議のアレは……」
「思わずボロを出しかけた。……そうだな、技術士官の間で言われている冗談を知っているか?鎧の動力源である『核』は、平行世界で作られたモノで、『核』についての最大の機密は『この世界には誰一人、製法や原理を知る者は居ない』事だ、と云うのを」
その冗談ならエメリッヒ博士から聞いた事が有った。
「ええ、聞いた事が有ります」
「多分、その冗談を言い出した技術士官は、コ事務官の父親の論文の内容を知っていた。いや、ひょっとしたら、言い出したのは……君の『鎧』の整備を担当しているエメリッヒ博士かも知れんぞ」
「どう云う事ですか?」
「コ事務官の父親達は、歴史に残る上霊や特異獣人や先行第五副人種の痕跡を探る内に、かつて同じ研究を行なっていた者達の存在を偶然突き止めてしまった。それこそが『核』を生み出した者達だったのだ」
「ちょっと待って下さい……それと平行世界とやらと何の関係が?」
「どんな平行世界でも『核』の製法を確立するのは事実上不可能だ。少なくとも、我々の世界と似た平行世界ではな。しかし、『核』の製法を確立するには平行世界が存在する事が前提条件となる」
「あの、イマイチ、良く判らない理屈なんですが……」
「『核』を生み出した者は、2つの事を突き止めてしまったらしい。1つは『核』を生み出す事が理論的に可能な事。もう1つは、『核』を実際に作り出す為には、とてもでは無いが、自分達だけでは人手も資源も時間も足りない事。私も完全に理解している訳ではないが、どうやら、『核』の動作原理上、数千通り数万通りもしくはそれ以上の『製法』の候補を虱潰しに試していくしか製法を確立する手段が無かったらしい」
「じゃあ、どうやって、『核』が作られたの……まさか……」
「平行世界は実在する。『核』の製法は複数の平行世界の者達が共同で突き止めたものだ。そして、『亡命者』を名乗るテロリスト達は、その平行世界のいずれかから来た者達だ。我々よりも進んではいるが、せいぜい二~三〇年程度の差しか無い科学技術を持つ平行世界からの……侵略者だ。……まだ、私自身が一〇〇%の確信は持てない仮説では有るがな」
「『核』を生み出した者とは一体?そして、どうやって、彼等は平行世界の自分達と接触したのですか?」
「『核』を生み出したのは……高木美憲と云う百年ほど前の日本の軍医将校が率いていた、日本軍の特務機関だ。そして、平行世界と接触する術を提供したのは……想像は付くだろう。表向き、核の技術を提供した事になっている者だよ」
高木……Takagi……そう、グルリット中佐は、極秘事項となっている「何か」の事を「T」と呼んでいた。
「では……まさか……世界政府は『神の秩序の巫女』を生み出したのではなく……元から存在していた者達の数を増やしただけ?」
「どうする?ここから先を聞く気は有るか?聞いても、今のままの自分でいる自信は有るか?」
「ずいぶん、その……何と言うか……」
「言いたい事は判る。そうだ。私1人で背負うのは、かなり気が重くなる情報だったんだよ。……まったく、何で自分だけ逃げ出したんだ?」
「中尉の様子を見ると、聞かない方が良かった情報にしか思えないんですが……」
「で、どうするんだ?先を聞くのか?」
「コイントスか何かで決めていいですか?」
「案外、それが一番、賢明かもな」
翌日の朝一番で我々を召集したランダ大佐は、いきなり、とんでも無い事を言い出した。
「ちょっと待って下さい。我々が中国側に入るんですか?中国にバレたら戦争になりますぜ」
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「建前では、そうでしょうが……。上は一体、何を焦ってるんですか?」
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深圳……ここ数年で、急速に工業地帯と化している、香港に隣接する地域だ。1年ほど前から人工衛星の打ち上げさえ行なうようになっている。
「大佐、質問が……」
「何かね、ヴェールマン中尉?」
「この資料では、亡命者を名乗る組織の活動が最初に確認されたのは、4年前との事ですが……」
「それが、どうかしたかね?」
「我々が潜入する深圳が工業地帯となったのも約4年前ですよね?」
「何が言いたい?」
「ここ4~5年で、中国及び中央アフリカ連邦では、画期的な工業製品が次々と実用化され普及しています。携帯電話や携帯TVを兼ねた超小型電脳。人工衛星を用いた測位システム。まだ実験段階ですが1回の充電で一〇〇㎞以上の走行が可能な電気自動車。安価に大量生産出来るにも関わらず、我々の『鎧』の装甲の強度をも超える金属材料『不均一非結晶合金』……」
「だから、何が言いたいのだ?『亡命者』を名乗る者達が、本当に地球に亡命して来た異星人か何かで、その進んだ技術を中国や中央アフリカ連邦に提供したとでも言うのかね?認めるのは癪だが、それより前から、中国や中央アフリカ連邦は、世界政府の統治地域よりも、科学技術に関しては一歩先を行っていた」
「なるほど。つまり、本当に『亡命者』なる組織が『地球より進んだ科学技術を持つ他の惑星か他の世界からの亡命者』なら、自分達の科学技術を提供するとすりゃ、世界政府じゃなくて中国や中央アフリカ連邦が合理的な選択肢になりますな」
「中佐、君までおかしな事を言い出すのかね?」
「あと、この作戦命令書の内容ですが……『敵の本拠地に居る者は基本的に全員殺害せよ』って……冗談抜きで、上は何を焦ってるんですか?」
「だから、何が言いたい?」
「例えば、俺達が、敵から、何か、とんでも無い情報を得てしまった場合……俺達が上から消されるなんて事ぁ、無いですよね?」
会議とは到底呼べない会議が終った後、私とヴェールマン中尉は少し早めの昼食をとった。
「結局、私も中佐が言っていた論文の内容を知るべきだったんでしょうか?」
そう、結局、私は中佐が見せると言ってくれたコ事務官の父親の論文を見なかったのだ。
「さて……例えばだ、君が、カトリックの神父だったとしよう。そして、もし、『キリスト教の神は実在するが、唯一絶対の存在ではなく、無数に居る神の1つに過ぎない』と云う証拠を見付けてしまったとしたら、どうなると思う?」
「よく判らない喩えですが……その場合は、信仰を失なうでしょうね」
「では、仏教の僧侶やインドの司祭階級だった場合に、同じ証拠を見付けてしまったとしたら?」
「その場合は、まぁ、そんな事も有るかと思って、それで終りでしょうね。……回りくどい喩えですが、何となく判りました」
「そう云う事だ。君が今まで信じていたモノが崩れ去り、完全に……そして永遠に元の君に戻れなくなるか、『そんな事も有るか』で済むかは君次第だ。中佐が見せてくれた論文は、そう云うモノだ。そして、前者の場合は……自分が変ってしまったのを隠し通すのは難しい。永遠に神を信じられなくなったカトリックの神父が、同じカトリックの神父にその事を隠し通すのは、困難だろう。嫌でも、態度や、ちょっとした言葉の端々に、その兆候は出てしまう。それも信仰を失なった直後なら、自分の本心を隠すのは、より困難になるだろう」
「じゃあ、さっきの会議のアレは……」
「思わずボロを出しかけた。……そうだな、技術士官の間で言われている冗談を知っているか?鎧の動力源である『核』は、平行世界で作られたモノで、『核』についての最大の機密は『この世界には誰一人、製法や原理を知る者は居ない』事だ、と云うのを」
その冗談ならエメリッヒ博士から聞いた事が有った。
「ええ、聞いた事が有ります」
「多分、その冗談を言い出した技術士官は、コ事務官の父親の論文の内容を知っていた。いや、ひょっとしたら、言い出したのは……君の『鎧』の整備を担当しているエメリッヒ博士かも知れんぞ」
「どう云う事ですか?」
「コ事務官の父親達は、歴史に残る上霊や特異獣人や先行第五副人種の痕跡を探る内に、かつて同じ研究を行なっていた者達の存在を偶然突き止めてしまった。それこそが『核』を生み出した者達だったのだ」
「ちょっと待って下さい……それと平行世界とやらと何の関係が?」
「どんな平行世界でも『核』の製法を確立するのは事実上不可能だ。少なくとも、我々の世界と似た平行世界ではな。しかし、『核』の製法を確立するには平行世界が存在する事が前提条件となる」
「あの、イマイチ、良く判らない理屈なんですが……」
「『核』を生み出した者は、2つの事を突き止めてしまったらしい。1つは『核』を生み出す事が理論的に可能な事。もう1つは、『核』を実際に作り出す為には、とてもでは無いが、自分達だけでは人手も資源も時間も足りない事。私も完全に理解している訳ではないが、どうやら、『核』の動作原理上、数千通り数万通りもしくはそれ以上の『製法』の候補を虱潰しに試していくしか製法を確立する手段が無かったらしい」
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「平行世界は実在する。『核』の製法は複数の平行世界の者達が共同で突き止めたものだ。そして、『亡命者』を名乗るテロリスト達は、その平行世界のいずれかから来た者達だ。我々よりも進んではいるが、せいぜい二~三〇年程度の差しか無い科学技術を持つ平行世界からの……侵略者だ。……まだ、私自身が一〇〇%の確信は持てない仮説では有るがな」
「『核』を生み出した者とは一体?そして、どうやって、彼等は平行世界の自分達と接触したのですか?」
「『核』を生み出したのは……高木美憲と云う百年ほど前の日本の軍医将校が率いていた、日本軍の特務機関だ。そして、平行世界と接触する術を提供したのは……想像は付くだろう。表向き、核の技術を提供した事になっている者だよ」
高木……Takagi……そう、グルリット中佐は、極秘事項となっている「何か」の事を「T」と呼んでいた。
「では……まさか……世界政府は『神の秩序の巫女』を生み出したのではなく……元から存在していた者達の数を増やしただけ?」
「どうする?ここから先を聞く気は有るか?聞いても、今のままの自分でいる自信は有るか?」
「ずいぶん、その……何と言うか……」
「言いたい事は判る。そうだ。私1人で背負うのは、かなり気が重くなる情報だったんだよ。……まったく、何で自分だけ逃げ出したんだ?」
「中尉の様子を見ると、聞かない方が良かった情報にしか思えないんですが……」
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