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「赤き稲妻」第1章:平和の時代(ユートピア)
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「大丈夫かね、ミリセント・シュミット少尉?」
意識を取り戻し、目を開くと、まず見えたのは相棒の「アーリマン1=13」の顔だ。どうやら、私はベッドに寝ているようだ。そして、本名で呼ばれていると云う事は、作戦行動中では無いらしい。
まるで人形のように整っているが、何の感情も読み取れない顔。チベット人とゲルマン人の両方の血を引く、長く癖の無い黒髪の十代前半の少女。それでいて、着ているのが黒い詰襟の男物の軍服なので、何度見ても倒錯的なものを感じてしまう。彼女達の特権的地位が無ければ、今頃、退廃思想の持ち主として収容所に送られていただろう。
「まぁ、検査の結果、大事は無かったようだ」
どこか軟弱な印象を受ける中年男性の声。私の後方支援を行なうチームの責任者である技術大尉のエメリッヒ博士の声だ。口では「大丈夫だ」と言ってるが、心配そうな表情が浮かんでいるので、元から気弱そうな顔が更に気弱に見える。
こんな事を思うのは感心出来ない事は判っているが、博士は相変わらず「禁軍」の士官用軍服が似合っていない。一流の服飾設計の専門家が作った筈の軍服を、博士が、何故、ここまで着込なせないのかは、全くもって謎だ。
「心配したぞ、ミリセント。君の前任者と、更にその前任者と、更にそのまた前の前任者のように、また初戦で死なれては夢見が悪い」
いつもながら、アーリマン1=13の声からは、何の感情も読み取れない。
「夢見が悪い?どう言う意味ですか?」
「悲しみや後悔を意味する比喩的な表現だ。よく誤解されるが、こう見えて、感情は一応有る」
「何故、わざわざ、そんな事を言うんですか?例えば、聞かれてもいないのに、『私は普通の市民だ』とか言い出す人間が『普通の市民』だった例は、稀にしか有りません。大概は異常者です」
「君の前任者も、その前任者も、そのまた前任者も、私には感情が欠けている、と誤解していた。そして、全員、私がその誤解を解くのに成功する前に死んだ。残念な事であり、そして、そのせいで私の悲しみは更に増した。だから、君には私にも感情が有る事と、君を失なった場合、悲しみを感じるであろう事を理解してもらいたい。無論、私が感情表現が苦手な事は自覚している。だからこそ、言葉で自分の感情を説明するしかないのだ」
「私が死んでしまうとでも言うんですか?」
「私は……と言うより、私達は、これまでに存在した全ての神の秩序の巫女の記憶を共有している。君達の死は私達にとっては日常だ。慣れる事が出来ないものを『日常』と呼べればだが」
「ところで、ここは……」
「現場に一番近い日本王国軍の病院だ」
かつて、連邦制の国家の中には、連邦政府軍と地方政府軍が併存していた国が有ったように、世界政府傘下の「国」も独自の軍隊を持っている。特に、世界政府の前身であった「帝国」にとって友邦であった日本王国は、歴史的な経緯から、世界政府が任命する総督が元首代行と行政府の長を兼任してはいるが、他の国に比べて大きな自治権を認められ、日本王国軍も、それなりの規模だ。
だが、それが、ある面では厄介だ。
「じゃあ、私は、ここでは扱いに困る他所者なんですね」
加えて、女性将兵の比率が世界最低を誇るのが日本王国軍だ。なお、「誇る」と云うのは皮肉の意味だ。あくまで噂だが、内部の者による女性将兵や事務官などの文民扱いの女性職員に対する性犯罪の発生率も異様に高いらしい。私としては、非科学的かつ退廃的な男女同権には、もちろん反対だが、日本の現状は、それ以前の問題だ。
しかも、日本王国軍は、例えば目的が国内の暴動鎮圧であっても、一定以上の規模の軍事行動や、特定の兵器・部隊の使用にあたっては、世界政府軍日本駐留部隊の総司令官か世界政府防衛省の認可を得る必要が有り、世界政府軍と日本王国軍の間には、色々と感情的なしこりも有るらしい。
「だから、他の入院患者とのトラブルを避ける為に個室にした」
直接的な表現をするなら、若い女性入院者に不埒な真似をしようとする男性入院者が居て、その「女性入院者」が世界政府軍の者だった場合は、より事態が悪化する、と云う意味だろう。
私は、日本王国軍の男性将兵にとっては、彼らが使う比喩で言うなら「目の上のたん瘤」の一部であると同時に、「自分達より優れた人種の一員」でもあり、更に見下す対象である「女」でもあると云うややこしい存在だ。
日本王国軍の男性将兵とトラブルが発生する確率は、仮に私が「男性の世界政府軍の将兵」だった場合よりも格段に跳ね上がる。どうやら、この部屋から出ない方が、後々、面倒が無さそうだ。
「医療検査も『禁軍』の軍医と衛生兵が行なった。君そのものが機密情報の塊だからな」
世界政府の公式見解では、アジア系と云う雑な分類をされている諸民族の中では、インドの上位カーストと一部のチベット系・中央アジア系を除いて(彼らは「真性人類」と認められている)、近代以前の中国で「夷狄」と呼ばれていた日本人・朝鮮人・満州人・モンゴル人こそが、相対的に「真性人類」の血が濃いとされており、例えば最近の学説では、モンゴルのチンギス・カンや、日本史に名を残す偉大なサムライ達や明治維新や世界統一戦争の功労者達の多くも、先祖返りによって生まれた擬似真性人類と云う説が有力だ。
だが、あくまで、それは建前だ。本音では、世界政府にとって血統的な意味での「日本人」の大半は「『少々マシな劣等擬似人類』に過ぎないのに真性人類気取りの者達」と云う厄介な連中でしか無い。世界政府が信用している「日本人」(こっちの「日本人」は国籍の意味だ)は、擬似が付かない「真性人類」の一員である総督だけだ。例えば、私達の遺伝因子や生きた細胞を、一般の日本人の研究者に渡す訳にはいかない。その結果起きるのは、他民族に比べてマシとは言え、あくまでも「劣等擬似人類」に過ぎない彼等にとっても、真性人類にとっても、好ましからざる事態だろう。
「入院手続きは貴方達が?」
「いや、私が事務手続きに関して無能なのは、君も知っているだろう」
「私も似たようなものだ。病院の手配はヘルムート・シュミット大尉が、細かい手続は事務官のコ君が行なった」
「彼が日本に来てるんですか?」
私の「兄」であり、「鋼の愛国者」の先任者、そして私が訓練生だった頃の教官だ。コードネームは「真紅の騎士」。「鋼の愛国者」の過酷な任務にありながら、5年以上も生き延びている。
「今は世界政府軍の舞鶴基地に居る。退院後に、彼が新しい任務を伝達する筈だ」
「任務?」
「上霊を支援する組織が有るらしい。その組織の捜査と……可能ならば壊滅だ。この任務は、君と君の兄を含めた複数の『鋼の愛国者』と『神の秩序』が担当する事になる」
アーリマン1=13は淡々とそう言った。だが、上霊は、これまで組織だった行動をせず、上霊同士が協力する事は有っても、あくまで個人的な関係に依るものばかりだった筈だ。
そもそも、先天的に反社会的人格の傾向が有る者達……言葉を変えれば「社会」や「組織」を維持する事に向いていない者達が、組織だった行動をすると云うのもおかしな話だ。
とは言え、気になる事も有る。
「そう言えば、私が戦った上霊の1人が『仲間の撤収は完了した』と言っていました」
「その仲間って、黒桜隊の事じゃないのかね?」
エメリッヒ博士が言った「黒桜隊」とは日本人ならびに日本国外の日系人を中心メンバーとする国粋主義的なテロ組織だ。「日本独立」を大義名分に掲げながら、世界政府の最大の敵対勢力である中国より支援を受けているので、日本人の大半は支持していない……筈だ。世界政府が任命した総督が、日本王国の元首を代行しているのも、約三〇年前に日本の王位継承権を持つ者の1人が「黒桜隊」の旗印にされてしまったせいだ。
「とりあえず、報告書を書きたいので、携帯電脳を持って来て下さい」
「あせるな。一両日中には退院出来る筈なので、休める内にゆっくり休め」
「上司としての命令ですか、アーリマン1=13?」
「そう解釈してもらって問題無い」
意識を取り戻し、目を開くと、まず見えたのは相棒の「アーリマン1=13」の顔だ。どうやら、私はベッドに寝ているようだ。そして、本名で呼ばれていると云う事は、作戦行動中では無いらしい。
まるで人形のように整っているが、何の感情も読み取れない顔。チベット人とゲルマン人の両方の血を引く、長く癖の無い黒髪の十代前半の少女。それでいて、着ているのが黒い詰襟の男物の軍服なので、何度見ても倒錯的なものを感じてしまう。彼女達の特権的地位が無ければ、今頃、退廃思想の持ち主として収容所に送られていただろう。
「まぁ、検査の結果、大事は無かったようだ」
どこか軟弱な印象を受ける中年男性の声。私の後方支援を行なうチームの責任者である技術大尉のエメリッヒ博士の声だ。口では「大丈夫だ」と言ってるが、心配そうな表情が浮かんでいるので、元から気弱そうな顔が更に気弱に見える。
こんな事を思うのは感心出来ない事は判っているが、博士は相変わらず「禁軍」の士官用軍服が似合っていない。一流の服飾設計の専門家が作った筈の軍服を、博士が、何故、ここまで着込なせないのかは、全くもって謎だ。
「心配したぞ、ミリセント。君の前任者と、更にその前任者と、更にそのまた前の前任者のように、また初戦で死なれては夢見が悪い」
いつもながら、アーリマン1=13の声からは、何の感情も読み取れない。
「夢見が悪い?どう言う意味ですか?」
「悲しみや後悔を意味する比喩的な表現だ。よく誤解されるが、こう見えて、感情は一応有る」
「何故、わざわざ、そんな事を言うんですか?例えば、聞かれてもいないのに、『私は普通の市民だ』とか言い出す人間が『普通の市民』だった例は、稀にしか有りません。大概は異常者です」
「君の前任者も、その前任者も、そのまた前任者も、私には感情が欠けている、と誤解していた。そして、全員、私がその誤解を解くのに成功する前に死んだ。残念な事であり、そして、そのせいで私の悲しみは更に増した。だから、君には私にも感情が有る事と、君を失なった場合、悲しみを感じるであろう事を理解してもらいたい。無論、私が感情表現が苦手な事は自覚している。だからこそ、言葉で自分の感情を説明するしかないのだ」
「私が死んでしまうとでも言うんですか?」
「私は……と言うより、私達は、これまでに存在した全ての神の秩序の巫女の記憶を共有している。君達の死は私達にとっては日常だ。慣れる事が出来ないものを『日常』と呼べればだが」
「ところで、ここは……」
「現場に一番近い日本王国軍の病院だ」
かつて、連邦制の国家の中には、連邦政府軍と地方政府軍が併存していた国が有ったように、世界政府傘下の「国」も独自の軍隊を持っている。特に、世界政府の前身であった「帝国」にとって友邦であった日本王国は、歴史的な経緯から、世界政府が任命する総督が元首代行と行政府の長を兼任してはいるが、他の国に比べて大きな自治権を認められ、日本王国軍も、それなりの規模だ。
だが、それが、ある面では厄介だ。
「じゃあ、私は、ここでは扱いに困る他所者なんですね」
加えて、女性将兵の比率が世界最低を誇るのが日本王国軍だ。なお、「誇る」と云うのは皮肉の意味だ。あくまで噂だが、内部の者による女性将兵や事務官などの文民扱いの女性職員に対する性犯罪の発生率も異様に高いらしい。私としては、非科学的かつ退廃的な男女同権には、もちろん反対だが、日本の現状は、それ以前の問題だ。
しかも、日本王国軍は、例えば目的が国内の暴動鎮圧であっても、一定以上の規模の軍事行動や、特定の兵器・部隊の使用にあたっては、世界政府軍日本駐留部隊の総司令官か世界政府防衛省の認可を得る必要が有り、世界政府軍と日本王国軍の間には、色々と感情的なしこりも有るらしい。
「だから、他の入院患者とのトラブルを避ける為に個室にした」
直接的な表現をするなら、若い女性入院者に不埒な真似をしようとする男性入院者が居て、その「女性入院者」が世界政府軍の者だった場合は、より事態が悪化する、と云う意味だろう。
私は、日本王国軍の男性将兵にとっては、彼らが使う比喩で言うなら「目の上のたん瘤」の一部であると同時に、「自分達より優れた人種の一員」でもあり、更に見下す対象である「女」でもあると云うややこしい存在だ。
日本王国軍の男性将兵とトラブルが発生する確率は、仮に私が「男性の世界政府軍の将兵」だった場合よりも格段に跳ね上がる。どうやら、この部屋から出ない方が、後々、面倒が無さそうだ。
「医療検査も『禁軍』の軍医と衛生兵が行なった。君そのものが機密情報の塊だからな」
世界政府の公式見解では、アジア系と云う雑な分類をされている諸民族の中では、インドの上位カーストと一部のチベット系・中央アジア系を除いて(彼らは「真性人類」と認められている)、近代以前の中国で「夷狄」と呼ばれていた日本人・朝鮮人・満州人・モンゴル人こそが、相対的に「真性人類」の血が濃いとされており、例えば最近の学説では、モンゴルのチンギス・カンや、日本史に名を残す偉大なサムライ達や明治維新や世界統一戦争の功労者達の多くも、先祖返りによって生まれた擬似真性人類と云う説が有力だ。
だが、あくまで、それは建前だ。本音では、世界政府にとって血統的な意味での「日本人」の大半は「『少々マシな劣等擬似人類』に過ぎないのに真性人類気取りの者達」と云う厄介な連中でしか無い。世界政府が信用している「日本人」(こっちの「日本人」は国籍の意味だ)は、擬似が付かない「真性人類」の一員である総督だけだ。例えば、私達の遺伝因子や生きた細胞を、一般の日本人の研究者に渡す訳にはいかない。その結果起きるのは、他民族に比べてマシとは言え、あくまでも「劣等擬似人類」に過ぎない彼等にとっても、真性人類にとっても、好ましからざる事態だろう。
「入院手続きは貴方達が?」
「いや、私が事務手続きに関して無能なのは、君も知っているだろう」
「私も似たようなものだ。病院の手配はヘルムート・シュミット大尉が、細かい手続は事務官のコ君が行なった」
「彼が日本に来てるんですか?」
私の「兄」であり、「鋼の愛国者」の先任者、そして私が訓練生だった頃の教官だ。コードネームは「真紅の騎士」。「鋼の愛国者」の過酷な任務にありながら、5年以上も生き延びている。
「今は世界政府軍の舞鶴基地に居る。退院後に、彼が新しい任務を伝達する筈だ」
「任務?」
「上霊を支援する組織が有るらしい。その組織の捜査と……可能ならば壊滅だ。この任務は、君と君の兄を含めた複数の『鋼の愛国者』と『神の秩序』が担当する事になる」
アーリマン1=13は淡々とそう言った。だが、上霊は、これまで組織だった行動をせず、上霊同士が協力する事は有っても、あくまで個人的な関係に依るものばかりだった筈だ。
そもそも、先天的に反社会的人格の傾向が有る者達……言葉を変えれば「社会」や「組織」を維持する事に向いていない者達が、組織だった行動をすると云うのもおかしな話だ。
とは言え、気になる事も有る。
「そう言えば、私が戦った上霊の1人が『仲間の撤収は完了した』と言っていました」
「その仲間って、黒桜隊の事じゃないのかね?」
エメリッヒ博士が言った「黒桜隊」とは日本人ならびに日本国外の日系人を中心メンバーとする国粋主義的なテロ組織だ。「日本独立」を大義名分に掲げながら、世界政府の最大の敵対勢力である中国より支援を受けているので、日本人の大半は支持していない……筈だ。世界政府が任命した総督が、日本王国の元首を代行しているのも、約三〇年前に日本の王位継承権を持つ者の1人が「黒桜隊」の旗印にされてしまったせいだ。
「とりあえず、報告書を書きたいので、携帯電脳を持って来て下さい」
「あせるな。一両日中には退院出来る筈なので、休める内にゆっくり休め」
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