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第四章:Heart of Darkness
高木 瀾(らん) (11)
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背後に有る棟は火に包まれ、斜め前方に有る建物から銃弾。
言葉で説明するだけでは絶望的に思えるが……背後の棟の炎が完全にマズい状態になるまでには、まだ多少の時間的余裕が有り……前方の建物の狙撃手は……多くて3名。銃も威力はそこそこだが、単発式。
「狙撃手が居るのは屋上か……その条件でどこまで近付けば射線が通らないかを再計算してくれ」
私は『本土』の仲間に連絡。
『お前、何、考えてやがるッ‼』
「お前、何、考えてやがるッ‼」
無線通信と肉声で同時に罵声。
「安全策だ」
無線の先に居る仲間のコードネーム「ファットマン」(しかし、差別用語や放送禁止用語を口にしてウキャウキャ喜んでる中学生か、望月は?)と関口に同時に説明。
「どこが安全だ?」
「危険な状態にあるのが許容範囲内の時間かを確認している」
「無茶苦茶だ」
「でも、ここに居てもジリ貧だぞ」
「でも、この水城、射撃補正をONにしたって……」
「射撃補正機能を考慮しても、拳銃は拳銃だ。どう考えても有効射程範囲外だし……地上から建物の屋上を狙う以上、標的を目視するまでが大変だ」
『すまん、計算が終った。悪いお報せだ。あくまで、大雑把な計算だが……お前が居る建物と狙撃手が居る建物の中間辺りで……』
無線越しにも、恐しく絶望的な声だと云う事だけは判る。
『屋上から狙撃した場合の命中率が大幅に下がる可能性が高い』
「おい、何やってる? 何のサインだ、それ?」
え……? あ、しまった、いつもの癖でハンドサインを使ってしまった。
「あの棟とこの棟の真ん中あたりで敵の狙撃の命中率が大幅に下がりそうだ。全員、全力で走るぞ」
「おい」
「待て」
「気は確かか?」
一斉に呆れた声。
「他に手は有るか? 狙撃手が居る棟に突入すれば、逆に狙撃手は私達を狙撃出来なくなる」
「無茶苦茶だ」
「いい加減にしろ」
「ふざけんな」
「ちょっと待て……」
最後に笹原が手を上げる。
「狙われてるのが誰か見当が付いた」
言葉で説明するだけでは絶望的に思えるが……背後の棟の炎が完全にマズい状態になるまでには、まだ多少の時間的余裕が有り……前方の建物の狙撃手は……多くて3名。銃も威力はそこそこだが、単発式。
「狙撃手が居るのは屋上か……その条件でどこまで近付けば射線が通らないかを再計算してくれ」
私は『本土』の仲間に連絡。
『お前、何、考えてやがるッ‼』
「お前、何、考えてやがるッ‼」
無線通信と肉声で同時に罵声。
「安全策だ」
無線の先に居る仲間のコードネーム「ファットマン」(しかし、差別用語や放送禁止用語を口にしてウキャウキャ喜んでる中学生か、望月は?)と関口に同時に説明。
「どこが安全だ?」
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「無茶苦茶だ」
「でも、ここに居てもジリ貧だぞ」
「でも、この水城、射撃補正をONにしたって……」
「射撃補正機能を考慮しても、拳銃は拳銃だ。どう考えても有効射程範囲外だし……地上から建物の屋上を狙う以上、標的を目視するまでが大変だ」
『すまん、計算が終った。悪いお報せだ。あくまで、大雑把な計算だが……お前が居る建物と狙撃手が居る建物の中間辺りで……』
無線越しにも、恐しく絶望的な声だと云う事だけは判る。
『屋上から狙撃した場合の命中率が大幅に下がる可能性が高い』
「おい、何やってる? 何のサインだ、それ?」
え……? あ、しまった、いつもの癖でハンドサインを使ってしまった。
「あの棟とこの棟の真ん中あたりで敵の狙撃の命中率が大幅に下がりそうだ。全員、全力で走るぞ」
「おい」
「待て」
「気は確かか?」
一斉に呆れた声。
「他に手は有るか? 狙撃手が居る棟に突入すれば、逆に狙撃手は私達を狙撃出来なくなる」
「無茶苦茶だ」
「いい加減にしろ」
「ふざけんな」
「ちょっと待て……」
最後に笹原が手を上げる。
「狙われてるのが誰か見当が付いた」
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