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33.妄想の激しい女
しおりを挟む「龍…」
「あ?何だ。お前、顔がヤバイぞ」
「ごめん、やっと分かったみたい」
「だから何がだ?」
私は自称『大人のポニーテール』こと、単なるひっつめ髪を解き、ワサワサと頭を揺らす。ああ、そうさ。気分はシャンプーのCMに出演しているハリウッドの美人女優さッ。だってッ、妄想するだけなら罪じゃないでしょう?!
「御門さんが好き!私が彼を守りたい!」
「え?!それって…」
「ごめん、あっちを選ぶ」
「あー…、そっか、やっぱりかあ…」
普通ならば委縮するはずのこの場面で、闘志を掻き立てられるなんて、やっぱり私はおかしい。
でも、大丈夫。
どうでもイイ人たちにどう思われても平気だし、好きな人にはもっと必要とされたいから頑張ろうと思うのだ。だって、絶世の美女でも無いし、何か取り柄が有るわけでもない。こんな私がもっと愛されたいと願うなら、…勝たないと。あの取巻きたちじゃなく、自分に。いいじゃん、きっとあの人ブス専なんだよ。だって私の前が秋山さんって(※希代さんは未来をディスり始めたようです)。女性の趣味が独特っていうか、個性的なんだと思う(※希代さん、もうそのくらいで止めましょうよ)。
ツカツカと私は圭くんの元へと歩き出す。せっかく彼がトラブルを避けるためにと私との接触を控えてくれたのに、その私の方から彼に接近するのだ。
「御門圭さん、好きです!付き合ってください」
「…えっ、あの…、キ、キヨ…ちゃん??」
一瞬、会場がシーンと静まり返った。でも負けない、いや、絶対に勝つ!!そうでなければ、ココにいるアマゾネスたちに気圧され、ズタボロにされてしまうのだから。ふふっ、圭くんの瞳が不安そうに揺れている。本当は私も凄く不安だったけど、それを表面には出さず平気なフリをしてニカッと笑う。
「圭くん、怖がらないで!私そんなに弱くない。まだまだもっと強くなるから、だからこの手を取って!何もしなければ一生このままだよ!!」
アマゾネスたちが私を指さしながら笑っている。どうやら妄想の激しい女だと認識されてしまったようだ。
>御門様がお前ごときを選ぶワケないわよ!
>図々しい、面の皮が随分と厚い女ねっ!!
>こわ~い、彼女になれると思い込んでる~。
そんな彼女たちを押し退けながら圭くんが私の元へとやってきて、私の右手を握りながら突然跪く。そう、まるで中世の騎士みたいに。
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