たぶんきっと大丈夫

ももくり

文字の大きさ
上 下
14 / 40

14.完落ちしました

しおりを挟む
 
 
 私たちはヤッてます!
 私たちはきっとこの後もヤリまくります!

 ──カップルになるとは、つまりそういう仲だと公言している様なものだ。

 生まれて初めて彼氏が出来て薔薇色の日々が待っているかと思ったのに、現実はただひたすら恥ずかしい。だって絶対にこの人たち、私と郷田さんが絡む姿を想像してるよね?しかも私、ここに来る前の店で、何も知らなかったとは言え思いっきり夜の営みについて暴露しちゃってるし。

 ああ、爬虫類と中性的からの視線が痛い。
 須賀さん、助けて!

 チラリと左側に座っている須賀さんを見ると、反対隣りにいた郷田さんが分かり易く拗ねた。

「なんてそっちばっか見るの?華ちゃんは俺だけを見ててくれないと」
「あ…、ごめんなさい」

 きゅん。

 こんなベタな台詞に心をときめかせるって、チョロイな私。そのまま郷田さんはギュッと手を握り、驚くほど自然にキスをする。

 おいおいおい。
 
 こんな人前で何してくれてんだ?!そんで、爬虫類も中性的もニヤニヤしてんじゃねえぞ!何なら見物料を徴収すっからな!…って、動揺のあまりに脳内の叫びが乱暴なのは許して頂きたい。

「へ~、恥じらったりするんだ」
「ほんとほんと、もっとノリノリで応じるのかと思ってたよ」

 心無い男共の言葉に郷田さんが反論してくれる。

「お前ら失礼だぞ!見た目は確かにエロいけど、華ちゃんはとってもシッカリした真面目なお嬢さんなんだ。何たって俺が初めての男だからな!さっきの店で『27歳で処女を卒業したばかり』って言ってただろ、もう忘れたのか?!」

 おいおいおい。

 深夜3時にも関わらず、この店、結構繁盛してるぞ。だからそんな大声で言うと皆さんに聞かれてしまうじゃないか。

 ビビる私とは対照的に男性陣はこのテの話が大好物らしく、『参考のために』とこぞって男性の悦ばせ方を伝授してくださり、そして枕詞の如く必ずこう付け加えるのだ。
 
 >とにかくジェイはさ、
 >1人の女と長続きしないから。
 >キミもあまり本気になっちゃダメだよ、
 >後で泣くことになっちゃうからね。
 



 …………
 解散後は郷田さんのマンションに向かい、そのままベッドへと直行する。

「はあ、疲れたね~。ごめん、あいつらが華ちゃんを弄りまくってたのを止められなくて」
「大丈夫、全然気にしてないからっ」

 会話もそこそこにキスをされ、それがどんどん深くなっていく。

 あー、気持ちいい。どうしてこの人とのキスはこれほど幸せな気分になれるのだろうか。もっと触れて欲しいし、もっと触れたい。いっそこのまま溶けて、混ざり合えればいいのに。
 
「…ん、はっ。可愛いな、華ちゃん。大好きだよ」
「わ、私も好き…」

 自分で言うのも何だが、
 私は非常に真面目な性格だ。

 だから、嘘は吐きたくないと思うワケで。『好き』と言ったのであればその言葉に責任を持ちたい…って、あー、もう、ゴチャゴチャ言い訳するのはもうヤメだ。こんなの本気になるに決まってるじゃん!だってこんなにしょっちゅう体をくっつけ合って、好きとか言われたらこっちも好きになるよ!

 それもズブズブにッ!!

「華ちゃん、もっと俺のこと好きって言って」
「好き、好き、んもう大好き!」


 …残念ながら中島華、
 この男に完落ちしてしまいました。
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

とりあえず、後ろから

ZigZag
恋愛
ほぼ、アレの描写しかないアダルト小説です。お察しください。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

さして仲良くない職場の先輩と飲み会の後に毎回セックスして繰り返し記憶をなくしている百合

風見 源一郎
恋愛
真雪が目を覚ますと、セックスをした後だった。隣には、すごくエッチな体をした女の人がいた。前日には会社の飲み会があったことだけを覚えている。 酔った勢いで、さして仲良くもない会社の先輩を相手に処女を散らしてしまった真雪は、しかし、見知らぬはずの部屋に、見知ったものばかりが置かれていることに気がついたのだった。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...