自己中心主義勇者 egoistic hero

笑って送って

カズマ達はその後三人で食事をしてカズマの送別会を行った。
残務処理をしていたドグマとマナも呼び出し、シュウも車いすでやってきた。
送別会が終るとカズマは帰還の準備をはじめる。
いきなり服を脱ぎだしたカズマを見てマナがうろたえる。

ドグマ：「オマエ、頭おかしくなったのか？」
カズマ：「違うよ、この世界の物は持っていけねぇんだ。今身に着けているのはこっちで用意したものだからな。」
ドグマ：「じゃあ真っ裸のオマエを見送れてtのか？」
カズマ：「まあそういうこった・・・」

それを聞いた一同は大爆笑だった。

メイ：「パーパ情けないアル～」
シュウ：「カズマさん最後まで笑いを忘れないだな。」
ドグマ：「ガハハ、伝説になるな！」

マリは薄っすらと笑いながらカズマに下着とトレーニングウエアを渡した。

マリ：「お前がこちらに来た時に着ていた服だ。マナが洗濯して持ってきてくれた。」
カズマ：「あ、まだ持ってたのか？」
マナ：「はいいいい、だから着替えてください。」

カズマは急いでトレーニングウエアに着替えた。
そしてコンピュータールームへ進むとカズマの体が光出す。
カズマがこの世界に来るときと同じ様にタイムワープが始まったようだ。
カズマの体の光がどんどん増していく。

カズマ：「始まった。とうとうこれでお別れだ。」

皆はカズマと最後の言葉を交わす為にコンピュータールームへ集まる。

ドグマ：「カズマ！世話になった！」
シュウ：「カズマさん、色々ありがとう！」
マナ：「カズマ様！お達者で！」
メイ：「パーパ待ってるアル！」

マリだけが言葉を失っている。

カズマ：「マリ！元気出せ！お前は笑顔が最高だ！」

そう言われてマリはぎごちなく笑う。
その顔が歪んで泣き顔になる。

カズマ：「マリ、必ずまた帰ってくる。」
マリ：「カズマ！愛してる！」

マリは涙を流しながら叫んだ。
カズマはにっこりとほほ笑みマリに向かって叫んだ。

カズマ：「俺も愛してるぞマリ！じゃあまたな皆！」

そう言うとカズマを包む光が大きくなりカズマの姿が見えなくなる。
光が空に向かってギューンと飛んでいき、その場に残った薄っすらとした光も消えていく。
カズマが旧世界へ去り、その場に崩れ落ちるマリ。
皆がマリをなぐさめて送別会は終了する。
そしてコンピュータールームは再び閉鎖された。