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第四章 聖樹世界エルファリア編

第4話 神聖神樹

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次の日、史郎達は、エレノアさんの案内で、神聖神樹の近くまで行くことになった。


森の中の道は、途中から木の根が入り組んでいて、馬車が使えない。

俺達は歩いていくことになったが、ものは試しである。
点ちゃんボードを出してみた。エレノアさん用のボードも作る。
彼女は、一番ボードが上手いコルナが紐を付けて引くことにする。

ボードは、根っこで凸凹した道を滑らかに進んでいく。
先頭はコルナで、エレノアさんが方向を指示する。
ナルとメルには、コー姉(コルナ)より前に出ないよう注意しておいた。

『ご主人様ー、飛ばしてもいい?』

点ちゃん。 お願いだから、ここではやめてね。

後で、ヒャッハーさせてあげるから。


『分かったー』

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約15分ほどで、目的地に着いた。


普段は、3時間ほどかけて歩いてくるということで、エレノアさんが驚いていた。

目的地には、しめなわのような太いロープが張りめぐらされており、そのロープには、複数の強力な防御魔術が掛けられているそうだ。

下から見ると、神聖神樹の巨大さが、さらに際立つ。

上を見ても、どこまで続いているか分からない。
空の半分以上が、張り出した枝で覆われていた。

ボードから降りたエレノアさんが、座る姿勢を取る。

ボードをしまい、俺もその姿勢を真似た。

目を閉じて少しすると、神樹様から聞こえたような、そして、もっと太くゆっくりした振動が体を満たしていく。

背筋が、ぞくぞくする。

「よく来た。 地球の子とその家族よ」

エレノアさんの口から、声がする。

「直接話をしたい。 点の子よ。 よろしく頼む」

『はいはーい』

点ちゃんが、いくつか点を神聖神樹に飛ばす。
近くに見えて、かなり距離があるようだ。
点魔法が届くまで、しばらく時間が掛かった。

『できたよー』

『感謝する。 シロー。 お前のことは、ポータルズの神樹達から聞いておる。
そして、これから、我らの運命とお前の運命が交差するのが見えておる。
我が子供達とその友人、共に救うてほしい』

まずは、モリーネをお城に帰そうと思います。
その後は、何をすればいいでしょうか。

『お主のしたいようにせよ。 それが我々の運命に繋がるはずじゃ』

分かりました。

『ただ、行くべき方向が決まらぬ時は、「西の島」を訪れるがよい』

西の島?

『詳しいことは、巫女に聞け。 我の力は弱っておるゆえ』

分かりました。

『再び我が話せるのは、しばらく後になろう。 よろしく頼む』

はい。 また、お話ししましょう。

エレノアさんの体から、力がふっと抜ける。 
コルナがすかさず支える。

どうやら直接話してはいたが、エレノアさんの力も関係していたらしい。



こうして、史郎達と偉大な存在、神聖神樹との出会いは幕を閉じた。
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