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第十一章 ポータルズ列伝

キャロ編 第6話 キャロ親衛隊インタビュー

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 アリストギルド、夕方の待合室で、テーブルを囲んだ冒険者に話しかける作者。

「ええと、あなた方がキャロさんの親衛隊をなさっている皆さんで?」

「ああ、そうだが、おめえは誰だい? 
 見ねえ顔だな」

「さ、作者と申します」

「サクシャ? 
 変な名前だな。
 おめえも親衛隊に入りてえのか?」

「いえ、その前に、親衛隊がどんな活動しているか教えてもらおうかと……」

「おう、いい心がけだ。
 よくぞ親衛隊長の俺に聞いた」

「ボクにも聞いてよ。
 ボクは親衛隊ヘッドなんだよ」

「おめえは引っこんでろ。
 俺が親衛隊の団長だぜ」

「隊なのに団長?」

「カーッ! 
 そんな細けえことにこだわってどうすんだよ」

「そうだぜ。
 親衛隊リーダーの俺に言わせりゃ――」

「「「ナイナイ」」」

「おいっ!
 なんで俺だけそんな扱いなんだ!」

「だって、お前はカミさんがいるじゃねえか⁉」

「そうだ、そうだ!」

「リア充死すべし!」

「シロー死すべし!」

「確かに! 
 シローのヤツ、ルーキーのくせにルルさんっていう可愛い彼女がいるからな」

「どうして、可愛い女性は俺に見向きもしないんだ!?」

「ガハハハ、まず自分が相手にふさわしい男になってみな!」

「マックさん! 
 いつの間にそこに!?」

「だけど、マックさんだって、奥さんの尻に敷かれてるって――」

「お、おい、ちょっと待てよ! 
 それは言わない約束だろうが!」

「なんで、こんな海坊主みたいなのに、あんな綺麗な奥さんが……」

「「「理解できねー!」」」

「おい、そこで声を合わせるなよ!」

「そうですよ。
 奥さんはマックさんにメロメロみたいですから」

「キャ、キャロちゃん!」

「くそう、海坊主に最強の助っ人だぜ」

「そうだ、キャロちゃん、誰か好きな人いるの?」

「そうだ、俺も聞きたいなそれ!」

「俺も、俺も」

「「「リア充は引っこんでろっ!」」」

「くっ……」

「おい、リア充同士、酒でも飲むか?」

「マックさん……飲みましょう」

「そうね。
 私も飲もうかな?」

「キャロちゃんが飲むなら俺もー!」

「もちろん、俺もー!」

「キャロちゃん親衛隊、バンザーイ!」

「「「バンザーイ!」」」

 冒険者の一人が突きあげた拳が顎に当たり、床に倒れる作者。

「おい、お前たち、こいつぁ誰だ?」

「マックさん、こいつ、『サクシャ』とかいう変な名前のやつですぜ」

「ああ、こいつ、床に伸びてやがる。
 なんでだ?」

「分かんねえ。
 おーい、シェフよ。
 人数分の酒、出してくれ!」

「ヘイヘイ、分かってるさ。
 勘定書きは、その伸びてる男につけときゃいいのか?」

「「「おー、タダ酒だぜー!」」」

 ……。
 ……。
 ……。

「はっ! 
 あれ、ここどこ?! 
 あっ、アリストギルドか。
 みんないなくなってる。
 それにしても、なんで床に寝てるんだろう」

「おい、あんた」

「あ、シェフをしている方ですね?」

「ああ、そうだが、みんながお前のつけで酒を飲んでたぜ」

「ええっ!? 
 どうしてそんなことに……」

「心配するな、ギルマスが払ってくれたよ」

「……キャロちゃん」

「後で、きちんとお礼を言っておきな」

「はい……。
 それより、キャロちゃんの親衛隊にはどうやったら入れますか?」

「やれやれ、また馬鹿が一人増えたぜ」

 こうして、今日もアリストギルドの夜は更けていくのだった。
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