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第九章 異世界訪問編
第26話 顔合わせ2
しおりを挟む俺は、異世界から連れてきた家族と仲間を地球の友人に紹介する。
「ご存じ白猫ブランとその姉妹黒猫ノワールそして、猪っ子コリンです」
皆から、歓声と温かい拍手が湧く。
「そして、こちらが、俺たちのたよりになる存在、リーヴァスさん」
リーヴァスさんが立ちあがり、頭を軽く下げると、悲鳴に似た歓声が上がった。
「キャー素敵ー!」
これは、サブローさん。
「「かっこいいーっ!」」
黄騎士、緑騎士も、リーヴァスさんをハート形の目で見ている。
全年齢にモテるのが、リーヴァスさんだね。
「初めまして、リーヴァスと申します。
シローの家族でもあります。
よろしくお願いします」
「素敵な声ね~」
桃騎士がうっとりしている。
「最高」
黒騎士が、翔太以外に赤くなるとは。
「続いて、異世界に着いた当初から、ずっと俺を支えてくれている、ルル」
「みなさん、よろしくお願いします」
「うーん、可愛いわね~、嫉妬しちゃうわ」
サブローさんが、体をくねらせる。
「元獣人会議議長であり、ナルとメルのたよりになるお姉さん、コルナ」
「ご紹介していただいた、コルナです。
どうかよろしく」
「うはっ、あの耳、可愛すぎる」
「尻尾(しっぽ)素敵」
黄騎士と緑騎士が、興奮している。
「俺たちの歌姫、コリーダ」
「ありがとう、シロー。
みなさん、よろしく」
コリーダは、短い曲を歌った。
騎士たちの目が点になる。
「な、なに、この美女。
歌も上手いなんて悔しすぎる、キーっ」
サブローさんが、ハンカチを口にくわえ、引っぱる。
「「素敵~!」」
黄騎士と緑騎士が、うっとりした顔をしている。
「パーティポンポコリン結成時からのメンバー、ミミ。
彼女は、ポンポコ商会の名づけ親だよ」
「ミミです。
よろしくー」
「猫耳かわい~、愛の魔法をニャ~ン♪」
桃騎士のリアクションに、ミミが引いている。
「次は、同じく結成時からのメンバー、ポルナレフ」
「こんにちは、ポルナレフです。
ボクの事はポルと呼んでくださいね」
「ポル、良い」
黒騎士がボソッとつぶやく。
「最後に、俺たち家族の娘、ナルとメル」
ルルをはさんで座っていた、ナルとメルが、立ちあがる。
「「こんにちは」」
「ひゃ~、綺麗な娘たちねえ」
白騎士が、目を丸くしている。
「「カワイー!」」
黄騎士、緑騎士がナルとメルに向けて手を振っている。
「キュート」
黒騎士がささやく。
「可愛い二人に、愛の魔法をどーん♪」
桃騎士の行動に、ナルとメルはキョトンとした顔をしている。
「マンマ、『どーん』ってなにー?」
「なにー?」
ルルが、困った顔をしている。
ナルが俺の方を向いた。
「パーパ、『どーん』ってなにー?」
「えっ?
シローちゃん、あんた、この娘たちのパパやってるの?」
サブローさんが、驚いた顔でこちらを見る。
「ああ、ナルとメルは、俺の娘だよ」
「で、でも、年が……」
サブローさんが、言いかける。
桃騎士のステッキがサブローさんの頭を叩く。
「愛がないヤツは、騎士失格!」
「「やーい、失格ーっ」」
黄騎士、緑騎士がすかさず賛同する。
「騎士じゃない」
黒騎士のぼそっとした発言を聞いたサブローさんが、涙目になっている。
「シ、シローちゃん助けて~」
ナルとメルを座らせると、俺が言葉を続ける。
「あと、ヒロ姉、立ってくれるかな」
「え?
私?」
「ヒロ姉は、異世界で『聖騎士』に覚醒しました。
そして、マスケドニア国の子爵となりました」
「「「ええーっ!?」」」
騎士たちと柳井さん、後藤さんはもちろん、ルルたちまで驚いている。
「翔太、立ってくれる?」
「なに?
ボーさん」
「翔太は、魔術師に覚醒しました。
そして、正式にアリスト国プリンスとなりました」
「「「ええーっ!!」」」
これも、知らなかった者、全員が驚いた。
「プリンスが本物のプリンスに!
なんって素敵なのっ」
胸の前で両手を合わせた白騎士サブローが、うっとりした顔をする。
「「キャー、プリンス×プリンス」」
黄騎士、緑騎士は、新しい言葉を造ったようだ。
「超最高」
黒騎士が、ぼそりと言う。
「真のプリンスに、愛をプリプリどーん♪」
桃騎士の言葉に、娘たちが反応する。
「パーパ、『プリプリどーん』ってなにー?」
「なにー?」
どうも、この環境は、子供の教育上よろしくないようだ。
俺は、呆れながらも、変わらない地球の騎士たちに安心するのだった。
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