転生したらいつの間にかフェンリルになってた〜しかも美醜逆転だったみたいだけど俺には全く関係ない〜

春色悠

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第二章

絶対絶命 ルイス視点

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「っぐぐるぅ………。」
 檻に入れられて唸る獣。
 誘拐犯のおっさんは何処かへ行ったと思うと、小さい檻を持って来た。
「え、フーちゃん…?」
 唸り声が聞こえ、檻の中を見ればフーちゃんが入っていた。
 ……大分小さい檻に誰が入れるんだと思ったが、フーちゃんが入れられてたのか……。
「……そろそろ、客が来るだろうからな。」
 ……客?
 誰に話すでもなく、独り言の様に呟いたおっさんの言葉。
 ……誰か来るのか。フーちゃんも連れてきたということは、売られるということか?
 ………それにしては、俺とフーちゃんしか居ないなんておかしくないか……?俺が皆を逃がしたからそうなっただけだろうか…?
 ……逃げられるだろうか。
 客が来るということは、一度おっさんが出迎えるために俺とフーちゃんから離れる、ということもあり得る。
 もし客に買われたとしたら、それはそれで寧ろおっさんの所より逃げやすいかもしれない。
 ……問題は拘束具か……。
 フーちゃんは檻ごと連れていけばどうにでもなるだろうが、俺はそうはいかない。
 黒いベルトと、ゴツい鉄の拘束具でぐるぐるの簀巻き状態。更にはそれと別に、座らされている椅子に固定するための金具もある。馬車の中での拘束とは比べ物にならない程頑丈でびくともしない。
 指くらいなら動かせるが、縛り方が上手いのか関節が全く動かせない。
 ……拘束を自力で解くのは無理か…。
 結局、この拘束がある限りは何もできないな。
「……はぁ…。」
 どうにもならない状況に、思わずため息が出た。
「…あん時にあの坊主を見捨てて逃げてりゃ、此処に居たのはお前さんじゃなかったのになぁ?」
 そのため息に反応してか、おっさんはそう言ってニタニタと笑う。
「おそらく俺は坊主を殺す事になるだろうから、精々人生最後の時間を楽しんどけよ。」
 ……………。
「……ああ、そうするよ。」
 俺の返事に、おっさんは目を見開く。
「…もしかして、逃げられるとか思ってるか?」
 小馬鹿にした様におっさんは笑ってそう言った。
「いや別に。さっきから拘束が解けなさそうでうんざりしてたとこだ。」
「………俺は躊躇わずに坊主を殺せるぞ。」
 何を今更。そんなのとっくにわかっているが?
「俺を後ろから殴って気絶させたのはあんただろ。そんなのとっくにわかってる。できれば痛くないようにやって欲しいけど。」
 そう言って呆れた顔をした俺を、おっさんは信じられないモノを見る目で見てきた。
 ……まあ、俺もおかしいなぁ、とは思っている。多分、一度死んでいるからかもな、と考えてはいるが。
 なんとなく、だけど、俺は生きている感覚が薄いんだと思う。
 どこか夢を見ているような感覚で過ごしていて、あったばかりの人を自分の命に代えても助ける、なんて事も出来ている。
 本来無かったはずの時間を、ぼんやりと過ごしている。
 だから、刺されて死んだ記憶があっても、俺は刃物が怖くないし、血で取り乱したりもしない。
 今考えている事はといえば、フーちゃんをどうやって逃がすかくらいで、さほど自分の心配はしてない。
 前世の俺は悪人じゃなかったが、そこまでお人好しでは無かったはずだ。
 生きている感覚が薄いから、死にたくないとも思っていないから、こんな芸当が出来ている。
 ……まったく、おっさんの言う通りイカれてしまったものだ。
 何故かにやけづらの取れたおっさんは、俺の前にしゃがみこんで此方を見た。
「……坊主には、死んで哀しんでくれる奴は居ねぇのか。」
 何故そんな事を聞くんだろう。……どうでもいいが……。
「……居ると思う。」
 神父様やシスター、兄妹達やファーリーさん、エミリーさん、アイちゃん、ああ、クリストファーさんもだな、哀しんでくれると思う。
 …………あと、ラインハルトも。
 思い出すだけでいっぱいいるなぁ……。
「……そいつらにもう一度会いたいとは思わねぇのか。」
 真剣な顔でそう聞いてくるおっさん。
「あんた、誘拐犯向いてないよ。」
 あ、やべ。心の声が出てしまった。
 いやでも、ほんとにこのおっさん誘拐犯向いて無くないか。
 うっかり滑らせた言葉をばっちり聞いていたらしいおっさんは目を見開いた後に、どこか諦めた様に淡く笑った。
「………向いてないように見えるか?」
 そう冗談を話す様に両手を広げて見せるおっさん。
「……少なくとも俺には?」
「疑問形かよ…。」
 そう言われてもな……。咄嗟に口から出たんだ。
「…なあ、坊主_____。」
 おっさんは不自然に話すのをやめ、どこかを別の方向を見やる。
「………客が来ちまったみてぇだな。悪く思うなよ、坊主。」
 はぁ、とため息を付きながら立ち上がったおっさんは、俺の拘束の一部を解いた。いやまあ、動けない事は変わりないが、椅子から離れられる様になった。
 その俺を小脇に抱え、部屋を出始めたおっさんはフーちゃんには目もくれずに何処かへ向かう。
「「…………。」」
 聞こえるのはおっさんの歩く音だけだ。先程まで足音を立てて居なかった所を見るに、わざと立てているのだろう。……目的はわからないが。
 ……それにしても、悪く思うなよ、って……。
「……恨まれたくないなら、苦痛のないように頼みたいんだが。」
「……っとに、坊主は変わってんなぁ……。」
 そう言われても……。こうなってしまったのは前世のせいだぞ。言うなら俺を前世に刺した奴に言ってくれ。
 むっとしながら、運ばれていれば、おっさんに頭を雑目に撫でられた。
「善処はしてやる。」
 それは断り文句だろ………。
 思わず半目になりながらも、やっぱり運ばれる事しかできない俺であった。

 
 ?視点
 俺には名前がなかった。
 いや、正確にはあったのかも知れないが、呼ばれた事が一度もない。
 物心ついた頃には食い物に飢えていて、デカくなるに連れ色んな奴に喧嘩を売って金目の物を盗るようになった。
 そんな時、ある貴族の男に俺は返り討ちにあった。
 ヘーゼル・ダーミアと名乗ったその男は、俺と同い年くらいで、何故か俺を雇いに来たと言い出した。
 世の中には物好きも居るもんだと、2つ返事で了承した俺は、屋敷に入った所で金目の物を貰ってトンズラする気でいた。
 その男は、屋敷に向かう途中ずっとベラベラと喋り続けた。
 曰く、汎ゆる事においてライバルだった男に、想い人が取られたらしい。
____「いや、取られたじゃ無いな。俺が選ばれなかっただけだ。」
 すぐそう訂正したそいつは、要約すればライバルの男を出し抜きたいらしい。
____「あいつが最高の伴侶を手に入れたのなら、俺は最高の部下を手に入れてやるんだ。」
 そう息巻くそいつに、疑問を持った。
 俺を最高の部下にするのは無理ではないか?
 貴族の作法など知らないし、戦い方も独学でそいつ自身には劣る。容姿もパッとしないばかりか、黒髪黒目なんて最悪のものだ。
 育て上げるにしても、もっといい奴がいるだろう。
 そう思いながらも、じゃあやめると言われて、屋敷に入れなくなるのは困ると黙った。
 しかし、そいつの話は止まらなかった。
____「いやぁ、やっぱり俺が見込んだだけあって、育てがいがありそうだ。独学にしてはさっきの動きも良かったし。楽しみだ。」
 そう言ってにこにこと機嫌が良さそうなそいつに、気づけば長いこと仕えていた。
 恐らく、これが絆されたと言うんだろう。もしもこれが策略のうちなら、それはそれで優秀な主で良かったと思う。
____「ほんとに君は最高の部下だな。ふふん、これでアイツに自慢が出来る。」
 そうやって胸を張るそいつに策略がある気は全くしなかったが。
 それから、俺をライバルの所に連れて行こうとするヘーゼルに気になっていた事を聞いた。
____「容姿?出自?アイツはそんなもの気にするような小さい男では無いぞ。それを気にするような男なら俺の想い人が惚れる訳ないだろう。
 わかったら君は突っ立って自慢されているだけでいい。わかったか?」  
 何を馬鹿なことを、と言う顔で見られたのち、ライバルの男とやらにあった。
____「え、ほんとかい君!?街で見つけて来た!?よく見つけて来たねこんな逸材……!」
____「ふふん、そうだろうそうだろう。お前にはできないだろうなぁ?ハッハッハぁ!」
____「なんだって?私だって一人や二人簡単に見つけられるし、今だってその子に負けない優秀な部下が居るけれどぉ?!」
____「はあ?負けない?ハッ…!笑わせてくれる。こっちの方が優秀だ!」
____「ハンっ!馬術は底辺の君の指導は高が知れているだろう!」
____「なんだと?お前は緊張に弱くて本番でへなちょこだろうが!」
 交わされていた会話は馬鹿みたいなものだったが。
 その後、ヘーゼルも嫁をとった。
 あれだけ想い人を取られたことを根に持っていたくせに、今では自身の嫁にゾッコンで鼻の下を伸ばしている。
 ヘーゼルの嫁さんも言葉はキツいがいい奴で、どこかへ行くたびに俺の分まで土産を買ってきてくれた。……ヘーゼルだけに渡すのが恥ずかしかったのもあるだろうけどな。
 ガキも出来て、毎日鬱陶しがられるくらいに構っていたヘーゼルは、公爵と宰相の仕事で忙しい中休みを丸一日もぎ取って来た。
____「これで、これで……!!…っやっっっと3人で出かけられる……!!」
 普段は仕事続きで、真っ黒なんじゃないかと錯覚する目をこれでもかと輝かせながら拳を握りしめるヘーゼルに、何処か照れくさそうな嫁さんと嬉しそうな息子。
 俺も気合を入れて護衛の準備をした。
 当日には祭りがあって、お忍びのために変装したヘーゼル達を人混みに紛れながら少し遠くで見ていた。
 勿論、俺だけでは無く別に何人か護衛が居る。
 まだ小さいガキをヘーゼルが肩車しだした辺りで、何故か3人で此方を向いた。
____「エヴィン!君も来いよ!」
 エヴィンは、ヘーゼルが俺につけた名前だった。
 手招きされ、何故か家族の団らんに俺も混ざらされた俺は、よくわからない菓子やら食い物やらを一緒に食った。
 その合間に、ヘーゼルがスリにあった。
 一瞬でそれに気づいたヘーゼルは、そいつを捕まえて俺に渡した。
 俺も渡されたそいつをさっさと縛って、詰め所に持っていくために一旦そこを離れて別の護衛と交代した。
____「馬車の所で落ち合おう。」
 そう、ヘーゼルと約束して。
 俺はさっさと詰め所に行って馬車の所に帰ってきた。
 丁度、遠くにヘーゼル達が見えた。護衛も真後ろに居て、全員怪我はないようで俺は少し安心した。
 護衛も長めの付き合いとはいえ、一人で任せるのは初めてだったから。
 一本道を挟んで居た俺は、道をヘーゼル達が渡るのを待ったが、祭りで馬車も多く中々此方へ来れなかった。
 これは長くなりそうだ。そう思った時だった。
____「きゃあ……!」「うわぁ!」
____「ソフィア……!ライアン……!」
 護衛が嫁さんと息子を馬車の前に突き飛ばしたのは。
 当然、ヘーゼルは二人を庇って馬達の前に飛び出した。
 ヘーゼルに突き飛ばされた二人を俺は走って受け止めに行って、他の馬車に巻き込まれないように安全な場所におろした。
 その後に急いでヘーゼルを見に行けば、必死に馬を落ち着かせている御者と、2体の馬に踏みつけられるヘーゼル。
____「っヘーゼル…!!」
 今まで生きた中で、出した事の無い声が出た。
 死にものぐるいでヘーゼルを馬達の下から出して医者のもとに連れて行ったが、助からなかった。
 後から聞けば、全身の骨が折れてにいたそうだ。
____「、そ、ふぃあ、とらいあ、んを、たのむぞ……!!」
 痛みにもがき苦しみながら、ヘーゼルはそう言って俺の手を力強く握った。
____「と、うさま……?ねえ、おきてよ。今日がおわっちゃうよ…?とうさまのおやすみ、今日しか無いんでしょ…?ねぇ、ねえってばぁ……。」
____「……………っ……っっ…!!」
 必死にヘーゼルに話しかける息子と、手が白くなるほど握りしめて何かを居る嫁さん。
 俺は、何も言えずに部屋から出た。
 
 それから嫁さんがお土産を買ってくることは無くなった。
 何処にも行かずに、屋敷でずっと仕事をして、家や息子を守ってた。
 息子の方は、俺にヘーゼルの事を聞くようになった。
 そしてある時思ったんだろう。
____「なんで、あの時、父様を守れなかったの?」
 何処か淀んだ目で、此方を見たそいつに、また俺は何も言えなかった。
 代わりに、もう二度と裏切らないことを誓った。
 
 だから、今俺が抱えているこの殺す予定のガキも、絶対に殺さなくちゃならない。
 震えちゃならない。
 極悪人の誘拐犯として、捕まらないといけない。
 それが指示だ。
 それを聞くことが、俺に出来る精一杯の償いだ。
 
 ___それでも、あの言葉が脳裏に浮かぶ。
____「ほんとに君は最高の部下だな。ふふん、これでアイツに自慢が出来る。」
 そう、胸を張るアイツを思い出してしまう。
 ___さっきの言葉が、頭に蘇る。
___「あんた、誘拐犯向いてないよ。」
 これから殺すって言ったのに、真っ直ぐに見てくるガキの面が。
 
 だれか、俺の名前をよんでくれよ。
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