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第一章
いつの間にか獣
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サラサラと川の流れる音がする。
……やばい!そういえば神父様に洗濯物を頼まれてたんだった!
ガバッと飛び起きた俺は、目に入った見知らぬ景色に思考が止まった。
…………何処だここは………?
洗濯物をしてたのは教会の近くのもっと細い川だ。こんなに大きくて周りに自然がいっぱいある川じゃない。
混乱したまま、眼を擦ろうと手を顔に近づける。
は……?
て…手が、手に肉球がある!?ていうか俺四足歩行になってない??なんで?!
慣れない手足で、川に近づく。ぼんやりとだが、自分の姿形が見える。狼に似てるな。ぼんやりとしか見れないからわからないが……。
しかし、髪色、いや毛色か?後、目の色も変わってない。赤みの強いオレンジの毛に、緑色の眼。
転生してから顔は変わらないのに色だけ派手になった俺の配色だ。自他ともに認める平凡顔にこの配色はちょっときつい。
地球という場所から転生した記憶のある俺は、記憶がはっきりしてきた頃には両親が居なかった。この世界にいる魔物という奴らに殺されてしまったらしい。
その話は、孤児となった俺がお世話になっている教会の神父様から聞いた。他にもそういう子供は多いらしいので、なんとも言えない気持ちになった。
それにしても、この姿では教会には戻れないなぁ……。絶対に迷惑をかけるし、獣がトラウマの子供も結構いるし……。
とういうか、洗濯物をしに教会を出た所から記憶が無い。何があったら獣になるんだ。魔法がある世界とはいえ、そんな魔法は聞いた事ないぞ。
……神父様情報だから、魔法は回復系や補助系しか聞いた事がないからもしかしたらあるのかもしれん。
考え事をしながら川を覗き込んでいたら、慣れない手足を滑らせ、俺は川に落ちた。
「ギャウッ!ガゥッ!」
バシャバシャと溺れながらも俺の口から出るのは獣の唸り声だった。
…………あぁ、せっかく後少しで成人だったのに。神父様やシスター達に恩返しもできずに死ぬなんて……。
ゴボゴボという自分が吐き出した泡を見ながら俺は川に沈んだ。
齢十四歳。後3ヶ月で成人(十五歳)だったはずの俺であった。
目が覚めると目の前には銀色の毛並みの狼が居た。
因みにびっくりしすぎて飛び起きたら転んで、憐れな子を見る目で見られた。
慣れてないだけだからな!そんな運動神経が全くないドジっ子を見るような目で見るな!!
……やばい!そういえば神父様に洗濯物を頼まれてたんだった!
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は……?
て…手が、手に肉球がある!?ていうか俺四足歩行になってない??なんで?!
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とういうか、洗濯物をしに教会を出た所から記憶が無い。何があったら獣になるんだ。魔法がある世界とはいえ、そんな魔法は聞いた事ないぞ。
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「ギャウッ!ガゥッ!」
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…………あぁ、せっかく後少しで成人だったのに。神父様やシスター達に恩返しもできずに死ぬなんて……。
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目が覚めると目の前には銀色の毛並みの狼が居た。
因みにびっくりしすぎて飛び起きたら転んで、憐れな子を見る目で見られた。
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