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第一章
計画(攻め視点)
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緊張の一瞬。みどりの答えは____
やっときたぜ土曜日。
俺には今日、ある計画がある。その名も_
デデン『不器用なのを利用して~その1~』だ。
計画名だけでは何がなんだかわからないと思うが、まあ聞いてくれ。
この前、俺はみどりにフレンチトーストが作れなかった失敗談を話してしまった。かっこ悪い所がバレてしまったのは大分恥ずかしいが、そこで俺は考えついた。
これを利用してみどりに料理を教えてもらえば仲良くなれるのでは?と___。
あわよくば、連絡先を交換できるのでは?と__。
___いける、これは自然に仲良くなれるぞ……!
具体的な計画は簡単。
ステップ1
この間のフレンチトーストが上手くできたことを言う。(3回ほどまた失敗したが、この計画の為に頑張って出来るようになった。)
ステップ2
みどりのお陰で出来るようになったので、これからも相談していいか聞く。(本当にみどりのアドバイスのお陰で形が崩れずに済んだ。さすがだみどり!)
ステップ3
またいつ会えるかわからないので、連絡先を交換しよう!(下心しかない。)
以上3ステップだ。
この時の為に、イメージトレーニングは完璧だ。みどりがかわいすぎて俺が喋れなくなる、という不測の事態があるかもしれないからな。そこも入念にイメトレした。
計画は完璧。後は成功させるだけだ。できる、俺ならできるぞ!
カランカラン
少し聞き慣れてきた気のする扉のベルを鳴らしながら、みどりの店に入る。
「!いらっしゃいませ!」
驚いた顔のみどりを視界に入れ、緩みそうな表情筋を叱咤して引き締める。引き締めておかないと、だらしない顔をみどりに晒しそうだ。
「お好きな席にどうぞ。」
みどりの顔に、少しの喜びの感情が見えるのは俺の妄想なのだろうか。イメトレし過ぎたかな、可愛いからいいか。
「お冷お持ちしました。」
「注文いいかな?」
「!はい。お伺いします。」
いつも通りカウンター席に座る。俺が微妙な時間帯に来るからか、いつも店は空いていて座りやすい。そして注文はもう決めている。
「オクラときのこの和風グラタン1つと、アイスコーヒー1つ、以上で。」
「オクラときのこの和風グラタンがお一つ、アイスコーヒーがお一つですね。少々お待ち下さい。」
グラタン。そう、グラタンだ。今日は計画の為に、みどりと話す時間が必要だ。グラタンなら、焼くのに時間がかかる。この間の反省が活かせる俺、流石だぞ。
そして、グラタンがセットできたのか、みどりがアイスコーヒーを持って帰ってきた。
「お待たせしました。ご注文のアイスコーヒーです。今日はちゃんと店長が作ってます。」
「ありがとう。翠君のコーヒーも美味しかったから、また飲みたいな。」
「、ありがとうございます。」
みどりの笑顔いただきましたぁ!!!
んがっわいい゛ぃぃ!!!みどりの笑顔ってさぁ、ちょっと困り眉になってへにゃって笑うんだよ。ほっぺもほんのり染めて、瞳もうるっとさせる、凄く嬉しいときにする表情。目線がその時少し斜め下を向くのも変わってない。
でも、大人のみどりはちょっとえっち。可愛いだけじゃない。俺の見方が変わっただけかもしれないけどな。今のちょっとえっちなみどりも、昔の天使なみどりも、大好きすぎて困る。
「あ、そういえばフレンチトーストの件なんだけど、成功したよ。翠君のアドバイスのお陰だ。ありがとう。」
計画の事も忘れてないぞ。
「い、いえ、俺は何も……。」
よし……よし、いうぞ…言うんだ俺……!
「…その、良ければ、なんだけれど、これからも料理について、相談してもいいかな?」
「……ヘ?」
「えと、翠君のアドバイスをこれからも、貰いたいなって、思ったんだけど……だめ、かな?」
だめか?必死に隠しているが、今物凄く情けない顔をしている気がする。
「あ、いえ!俺で良ければ!…大したアドバイスは、できないかも、ですけど……。」
よっしゃ第2ステップ突破ぁ!
「ありがとう!…それでなんだけど、翠君の予定とか、お仕事とかあるだろうし、直接会って話せないことも多いと思う。
その…だからと言っては、なんなんだけど……俺と、連絡先を交換しないかい?」
き、緊張したぁ!こ、これでできることはした!
……みどりが凄く視線を彷徨わせてる。
そして、答えが決まったのか、まっすぐにこちらを見た。かわいいなみどり。
みどりが、口を開く。俺は緊張で心臓がバクバクして、まるで耳の横に心臓があるみたいだ。
「……そ、うですね…朱鳥さんにも、ご予定とか、ありますし……」
ドキ……ドキ……ドキ……。心臓が脈打つ。
「…こ、交換!しましょう!連絡先!」
みどりと連絡先を交換した。
グラタンも食べたし、デザートにアップルパイも食べてきた。アイスコーヒーも美味しかった。
家に帰ってきて、ソファに腰掛ける。
大きく息を吸って、落ち着こうとする。
やった、やった。みどりと、みどりと連絡先、交換できた。
スマホを開いて、みどりの連絡先を確認し、ニマニマと笑みを浮かべる。
うれしい、うれしい、すんごくうれしい。
暫くニマニマしてから、みどりに初めてのメールを送ろうと、文章を考える。
どうしよう?はじめまして?いや、はじめましてじゃないし…。無難に、よろしくね、とか……。
う~ん…う~んと、唸りながら考えた末。
『これからよろしくね。翠君。』
短いかな?でも最初だし、長文を送っても……。
取り敢えず送ると、ピコンと、数分後にスタンプが送られてきた。よくわからない生き物のスタンプ。ペコリと頭を下げていて、文字でよろしくお願いします、と書いてある。
……か、かわいいぃ~~!!!可愛いよみどり!!
よくわからない生き物のスタンプでも、みどりが使っているのなら可愛く見えてしまう。盲目もいいところだ。
でもそれでもいいと思えてしまうのだから、恋、いや、愛とはおそろしい。
まあ、何はともあれ、計画大成功!だ!
やっときたぜ土曜日。
俺には今日、ある計画がある。その名も_
デデン『不器用なのを利用して~その1~』だ。
計画名だけでは何がなんだかわからないと思うが、まあ聞いてくれ。
この前、俺はみどりにフレンチトーストが作れなかった失敗談を話してしまった。かっこ悪い所がバレてしまったのは大分恥ずかしいが、そこで俺は考えついた。
これを利用してみどりに料理を教えてもらえば仲良くなれるのでは?と___。
あわよくば、連絡先を交換できるのでは?と__。
___いける、これは自然に仲良くなれるぞ……!
具体的な計画は簡単。
ステップ1
この間のフレンチトーストが上手くできたことを言う。(3回ほどまた失敗したが、この計画の為に頑張って出来るようになった。)
ステップ2
みどりのお陰で出来るようになったので、これからも相談していいか聞く。(本当にみどりのアドバイスのお陰で形が崩れずに済んだ。さすがだみどり!)
ステップ3
またいつ会えるかわからないので、連絡先を交換しよう!(下心しかない。)
以上3ステップだ。
この時の為に、イメージトレーニングは完璧だ。みどりがかわいすぎて俺が喋れなくなる、という不測の事態があるかもしれないからな。そこも入念にイメトレした。
計画は完璧。後は成功させるだけだ。できる、俺ならできるぞ!
カランカラン
少し聞き慣れてきた気のする扉のベルを鳴らしながら、みどりの店に入る。
「!いらっしゃいませ!」
驚いた顔のみどりを視界に入れ、緩みそうな表情筋を叱咤して引き締める。引き締めておかないと、だらしない顔をみどりに晒しそうだ。
「お好きな席にどうぞ。」
みどりの顔に、少しの喜びの感情が見えるのは俺の妄想なのだろうか。イメトレし過ぎたかな、可愛いからいいか。
「お冷お持ちしました。」
「注文いいかな?」
「!はい。お伺いします。」
いつも通りカウンター席に座る。俺が微妙な時間帯に来るからか、いつも店は空いていて座りやすい。そして注文はもう決めている。
「オクラときのこの和風グラタン1つと、アイスコーヒー1つ、以上で。」
「オクラときのこの和風グラタンがお一つ、アイスコーヒーがお一つですね。少々お待ち下さい。」
グラタン。そう、グラタンだ。今日は計画の為に、みどりと話す時間が必要だ。グラタンなら、焼くのに時間がかかる。この間の反省が活かせる俺、流石だぞ。
そして、グラタンがセットできたのか、みどりがアイスコーヒーを持って帰ってきた。
「お待たせしました。ご注文のアイスコーヒーです。今日はちゃんと店長が作ってます。」
「ありがとう。翠君のコーヒーも美味しかったから、また飲みたいな。」
「、ありがとうございます。」
みどりの笑顔いただきましたぁ!!!
んがっわいい゛ぃぃ!!!みどりの笑顔ってさぁ、ちょっと困り眉になってへにゃって笑うんだよ。ほっぺもほんのり染めて、瞳もうるっとさせる、凄く嬉しいときにする表情。目線がその時少し斜め下を向くのも変わってない。
でも、大人のみどりはちょっとえっち。可愛いだけじゃない。俺の見方が変わっただけかもしれないけどな。今のちょっとえっちなみどりも、昔の天使なみどりも、大好きすぎて困る。
「あ、そういえばフレンチトーストの件なんだけど、成功したよ。翠君のアドバイスのお陰だ。ありがとう。」
計画の事も忘れてないぞ。
「い、いえ、俺は何も……。」
よし……よし、いうぞ…言うんだ俺……!
「…その、良ければ、なんだけれど、これからも料理について、相談してもいいかな?」
「……ヘ?」
「えと、翠君のアドバイスをこれからも、貰いたいなって、思ったんだけど……だめ、かな?」
だめか?必死に隠しているが、今物凄く情けない顔をしている気がする。
「あ、いえ!俺で良ければ!…大したアドバイスは、できないかも、ですけど……。」
よっしゃ第2ステップ突破ぁ!
「ありがとう!…それでなんだけど、翠君の予定とか、お仕事とかあるだろうし、直接会って話せないことも多いと思う。
その…だからと言っては、なんなんだけど……俺と、連絡先を交換しないかい?」
き、緊張したぁ!こ、これでできることはした!
……みどりが凄く視線を彷徨わせてる。
そして、答えが決まったのか、まっすぐにこちらを見た。かわいいなみどり。
みどりが、口を開く。俺は緊張で心臓がバクバクして、まるで耳の横に心臓があるみたいだ。
「……そ、うですね…朱鳥さんにも、ご予定とか、ありますし……」
ドキ……ドキ……ドキ……。心臓が脈打つ。
「…こ、交換!しましょう!連絡先!」
みどりと連絡先を交換した。
グラタンも食べたし、デザートにアップルパイも食べてきた。アイスコーヒーも美味しかった。
家に帰ってきて、ソファに腰掛ける。
大きく息を吸って、落ち着こうとする。
やった、やった。みどりと、みどりと連絡先、交換できた。
スマホを開いて、みどりの連絡先を確認し、ニマニマと笑みを浮かべる。
うれしい、うれしい、すんごくうれしい。
暫くニマニマしてから、みどりに初めてのメールを送ろうと、文章を考える。
どうしよう?はじめまして?いや、はじめましてじゃないし…。無難に、よろしくね、とか……。
う~ん…う~んと、唸りながら考えた末。
『これからよろしくね。翠君。』
短いかな?でも最初だし、長文を送っても……。
取り敢えず送ると、ピコンと、数分後にスタンプが送られてきた。よくわからない生き物のスタンプ。ペコリと頭を下げていて、文字でよろしくお願いします、と書いてある。
……か、かわいいぃ~~!!!可愛いよみどり!!
よくわからない生き物のスタンプでも、みどりが使っているのなら可愛く見えてしまう。盲目もいいところだ。
でもそれでもいいと思えてしまうのだから、恋、いや、愛とはおそろしい。
まあ、何はともあれ、計画大成功!だ!
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