甥っ子と異世界に召喚された俺、元の世界へ戻るために奮闘してたら何故か王子に捕らわれました？

7.出会い

｢ひろい！ぴかぴか！！ベットもふかふかだ～！！｣


侍女に案内された部屋は、トイレとお風呂がついた、とても広くきらびやかな部屋だった

床に敷いてある絨毯は踏むのもためらうほど高そうだし、ベットは蒼葉が上ではねてもビクともしない多分キングサイズだ。

案内された時にはおびただしい数の調度品が置いてあり、壊しそうで冷や汗が止まらなかったのですぐに片付けてもらい、机やベットなど最低限の家具だけにしてもらった。億単位しそうなツボを蒼葉が抱えた時は気絶寸前だった


｢さすが王族の部屋ね。いったいいくらかけたのかしら。冬斗！あたしとスリジエはここで寝るから、なんかふかふかなタオル敷いておいて｣

｢カメリアっ！そんな勝手にダメよ～！｣

｢構わないけど、すぐには無理だからタオル手に入れるまでは一緒のベットで寝ような｣


王妃と侍女がいる前では冬斗が反応するといけないからと、喋ることがなかった精霊2人は外がよく見えるであろう出窓の部分に座っている。

そんな2人の会話をききながら外を見ると、この世界に来て何時間経ったのか分からないが夜になっていた。部屋についている大開口窓からは綺麗な星が見えている。ここからはすぐに庭へと出ることもできるし、お昼は日当たりが良さそうだ。



｢！？？！冬斗にぃーちゃーん！！！王子様がいるよ！！はやくきて～～！！！！｣


とても興奮している声がした方を見ると奥の方にあった扉が開いていた。あれ？あそこさっき鍵がかかっていたのに。

不思議に思いながらもすぐに駆けつけると、案内された部屋とまた違う、美しい作りをした部屋が目に入る。

全体的に銀色でまとめられており、豪華でありながら嫌味のない上品な雰囲気だ。


｢冬斗兄ちゃん！！どこ見てるの！蒼葉こっちだよ！！｣

部屋の観察に気を取られていると、右下から洋服を引っ張られた。

はっ！として蒼葉の方に視線を向けると

蒼葉に目線を合わせて屈んでいる人物の、白に少しの青を落としたかのような白縹しろはなだ色をした瞳と視線がぶつかる。


｢っ！？｣


精悍さの中にどこか甘さが含まれて柔和な雰囲気の顔。あまりの整いように、開いた口が塞がらない

王子様じゃん…


相手も何故か大きく目を見開き固まっていた


｢冬斗兄ちゃん？口あいてるよ～！王子様もそんなにお目目開いたら落ちちゃうよ｣


そう言ってどこか楽しそうに笑っている蒼葉の言葉に正気に戻る。