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4章
再会
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かおりとの手紙を初めてからしばらく経ち僕は高校三年生になった。夏休みになり、受験勉強につかれた僕はだめもとでかおりに「遊ばない?」と連絡した。返事が来て外出許可が出たので、4年ぶりに彼女とUSJにいく事になった。しかもホテルでの泊りである。その為、今までにないぐらい緊張して待ち合わせ場所に行くと、後ろから声をかけてきて僕は驚いた。かおりは目に見えて分かるぐらい痩せていたからだ。でもどぎつい性格は変わっていなかった。二度目となる杖と百味ビーンズの購入したとき、「せっかくだからお礼になんか買ってきてあげる」と言われたので何かなと思い楽しみにしていた。15分後、グリフィンドールのコートを着たかおりが出てきて僕にもコートを買ってきたと言い、一緒のグリフィンドールかなと思い袋を開けるとスリザリンのコートでアバダケダブラと大きな声で言ってきた。どうやらプレゼントという意味でアバダケダブラと言ったらしい。死の呪文なのに・・・もちろん昼や晩のご飯は僕が払い、サイゼリアのミラノ風ドリアの商品券で相殺された。
あっという間に夜になり、ホテルの部屋に入った。僕はここでやりたいゲームがあってかおりに提案した。「真実か挑戦かをやりたい。勝負しよう」真実か挑戦かというゲームは僕が好きな作品である君の膵臓を食べたいという作品の中に出てくる遊びで、①トランプをめくり、数字に勝った人が真実か挑戦を言う。②負けた人が真実と言い、勝った人は好きな質問を行える。(負けた人は必ず真実で答えなければならない)③真実に答えられない場合は挑戦と言う。④勝った人は挑戦してほしいことを命令する(負けたら絶対に行う)というゲームだ。
いざやってみるとかおりが異常に強くて聞くどころか多く質問された。「私以外に中学時代に好きな人だった人は?」とか「高校でかわいい子とかいる?」などの恋路に関することだらけだったのだが、ひとつだけ僕が真実を拒否した質問がある。「私をいじめた人を許せる?」だ。普通に考えたら許せるはずがない。かおりはあの日から大きく変わってしまった。腕にある傷や薬の服用、病院で暮らすことになったのは間違いなくあいつらのせいだからである。しかし、許さないと答えたらあいつらと同じなのではないだろうか?と考えたり、あの時の約束を破ってしまうのではないかとも思って考え込んでしまい「挑戦」と言ってしまった。彼女は「優斗が変わってなくて良かった。挑戦か~じゃあ私をぎゅっとしてください」申し訳なさを感じながらもぎゅっとしたらかおりが「なんか懐かしいね。優斗が転校していなかったらどんなふうになってたんだろう。でも今私は幸せだから」と言い、夜を過ごした。
あの日以降手紙でのやり取りが続いていて、題材がなかったとしても何気ないやり取りを繰り返していた。ある日彼女から手紙が届き、最後にこう記していた。「私4年間ここで暮らしてきたけど、正直治ってきているとは思えない日々が続いていて、お医者さんにある治療法を勧められたの。催眠療法って知ってる?記憶を書き換えることで辛かった記憶を楽しい記憶に書き換える治療法で成功している例も沢山あるの。でも成功したら優斗との今までの記憶が消えてしまうことになる。一緒に遊んだり過ごしたりした記憶が全部。だから結構前からお医者さんに勧められたけど拒否し続けたの。でもお父さんやお母さんは私が治ってくれることを望んでいるし、私も直したいんだ。こんな事を聞くのはしんどいとは思うけど海斗はどうしたらいいと思う?自分じゃ決められなくて・・・」この質問が来たときは最初、彼女と別れようと思った。彼女にとって負の記憶に僕も入っているならば消してほしいし、それが彼女にとって幸せになる方法ならそれでいいと感じた。でもこのまま思い出が消えることも嫌だとも考えて自分だけではなく両親や友人などに相談して自分なりの答えを出して滋賀へ行って直接話すことにした。
病院に行くのは初めてだったので緊張した顔で入るとかおりの両親が待ってくれた。「優斗君よく来てくれたね。かおりが待ってるよ。」と言ってもらい病室まで案内してくれた。病室に入ると部屋で読書をしていたかおりがいて、会ったときは嬉しそうな表情で手を振ってくれた。「来てくれてありがとう。今日は二人で外に行きたいからついてきて!」かおりが言ったので僕は了承した。ショッピングモールではおそろいの服を買ってアウトドアが出来る遊びに行った。そして、サイゼリアに入って晩御飯を食べているときにあの時の答えを言った。「あの時の答えなんだけど、治療を受けてほしいと俺は思っている。確かにかおりの中から記憶が消えることはすごい寂しいし、辛いことだと思う。でも、俺はかおりの病気が治ることが俺の幸せだから治療を受けてほしい。記憶が消えたらまたもう一度友達の頃からやり直せるじゃん!あの時のような青春はもう俺たちには出来ないのかもしれない。それでも、もう一度俺と青春してくれませんか?」かおりはいつの間にか泣いており、「ごめんなさい」と連呼していた。その時、周りにいる人たちから女の子を泣かせた悪い人みたいな目でこっちを見られ店員さんに「あなた何やったんですか!」と怒鳴られてしまい、かおりも「私が悪いんです」と連呼していたため、僕がどれほど言っても誰にも信じてもらえず、こっちも泣きたくなるような夏の終わりだった・・・
あっという間に夜になり、ホテルの部屋に入った。僕はここでやりたいゲームがあってかおりに提案した。「真実か挑戦かをやりたい。勝負しよう」真実か挑戦かというゲームは僕が好きな作品である君の膵臓を食べたいという作品の中に出てくる遊びで、①トランプをめくり、数字に勝った人が真実か挑戦を言う。②負けた人が真実と言い、勝った人は好きな質問を行える。(負けた人は必ず真実で答えなければならない)③真実に答えられない場合は挑戦と言う。④勝った人は挑戦してほしいことを命令する(負けたら絶対に行う)というゲームだ。
いざやってみるとかおりが異常に強くて聞くどころか多く質問された。「私以外に中学時代に好きな人だった人は?」とか「高校でかわいい子とかいる?」などの恋路に関することだらけだったのだが、ひとつだけ僕が真実を拒否した質問がある。「私をいじめた人を許せる?」だ。普通に考えたら許せるはずがない。かおりはあの日から大きく変わってしまった。腕にある傷や薬の服用、病院で暮らすことになったのは間違いなくあいつらのせいだからである。しかし、許さないと答えたらあいつらと同じなのではないだろうか?と考えたり、あの時の約束を破ってしまうのではないかとも思って考え込んでしまい「挑戦」と言ってしまった。彼女は「優斗が変わってなくて良かった。挑戦か~じゃあ私をぎゅっとしてください」申し訳なさを感じながらもぎゅっとしたらかおりが「なんか懐かしいね。優斗が転校していなかったらどんなふうになってたんだろう。でも今私は幸せだから」と言い、夜を過ごした。
あの日以降手紙でのやり取りが続いていて、題材がなかったとしても何気ないやり取りを繰り返していた。ある日彼女から手紙が届き、最後にこう記していた。「私4年間ここで暮らしてきたけど、正直治ってきているとは思えない日々が続いていて、お医者さんにある治療法を勧められたの。催眠療法って知ってる?記憶を書き換えることで辛かった記憶を楽しい記憶に書き換える治療法で成功している例も沢山あるの。でも成功したら優斗との今までの記憶が消えてしまうことになる。一緒に遊んだり過ごしたりした記憶が全部。だから結構前からお医者さんに勧められたけど拒否し続けたの。でもお父さんやお母さんは私が治ってくれることを望んでいるし、私も直したいんだ。こんな事を聞くのはしんどいとは思うけど海斗はどうしたらいいと思う?自分じゃ決められなくて・・・」この質問が来たときは最初、彼女と別れようと思った。彼女にとって負の記憶に僕も入っているならば消してほしいし、それが彼女にとって幸せになる方法ならそれでいいと感じた。でもこのまま思い出が消えることも嫌だとも考えて自分だけではなく両親や友人などに相談して自分なりの答えを出して滋賀へ行って直接話すことにした。
病院に行くのは初めてだったので緊張した顔で入るとかおりの両親が待ってくれた。「優斗君よく来てくれたね。かおりが待ってるよ。」と言ってもらい病室まで案内してくれた。病室に入ると部屋で読書をしていたかおりがいて、会ったときは嬉しそうな表情で手を振ってくれた。「来てくれてありがとう。今日は二人で外に行きたいからついてきて!」かおりが言ったので僕は了承した。ショッピングモールではおそろいの服を買ってアウトドアが出来る遊びに行った。そして、サイゼリアに入って晩御飯を食べているときにあの時の答えを言った。「あの時の答えなんだけど、治療を受けてほしいと俺は思っている。確かにかおりの中から記憶が消えることはすごい寂しいし、辛いことだと思う。でも、俺はかおりの病気が治ることが俺の幸せだから治療を受けてほしい。記憶が消えたらまたもう一度友達の頃からやり直せるじゃん!あの時のような青春はもう俺たちには出来ないのかもしれない。それでも、もう一度俺と青春してくれませんか?」かおりはいつの間にか泣いており、「ごめんなさい」と連呼していた。その時、周りにいる人たちから女の子を泣かせた悪い人みたいな目でこっちを見られ店員さんに「あなた何やったんですか!」と怒鳴られてしまい、かおりも「私が悪いんです」と連呼していたため、僕がどれほど言っても誰にも信じてもらえず、こっちも泣きたくなるような夏の終わりだった・・・
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