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第1部

*性感帯

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初心さを剥き出しにした余裕のないセックスに宮原だけでなく沢海も翻弄され、呼吸を整えながら気持ちを落ち着かせようとする。
沢海の目の前に広がる宮原の裸の肢体に何度も乾いた唇を舐め、口内に溜まった唾を飲み込む。

「しょうがないなぁ…
ーーーほら、悠……
手伝うから、抜いてみなよ…」

沢海は宮原の脇の下に手を入れると少し身体を持ち上げ、ベッドから体重を支える両膝を浮かす。

半ば強引に引き抜かれた沢海のペニスは衰える事もなく、陰茎に走る血管の凹凸が宮原の直腸の襞をゴリゴリと擦る。
単調な律動のまま浅くアヌスを抉ると中途半端な快感に内奥が疼き、蠕動する内壁に引き摺られ、宮原の内腿が震える。

左膝に掛かる負担を軽減しようと伸ばした上肢が沢海の前で背中を反り、中央の桜色に腫れる乳首がピンと立ち上がっている。
僅かな刺激だけで宮原の小さい乳首が飢えるように皺を寄せ、窄まっていく。

宮原はアヌスの中に沢海の亀頭だけを含んでいる状態で放置され、どうしていいのか分からずに視線を彷徨わせる。
自由の利かない身体を沢海へ差し出し、高まる快感に拘束され、全身が溶けてしまうような錯角さえ覚えてしまう。

「ーーーな…お、や……
…なお、やぁ…」

沢海の名前を呼ぶ度に不規則に絡まる呼吸が腹部を引き攣らせ、沢海は労わるように宮原の薄い腹筋に沿って口唇を這わせると軽く吸い上げる。
沢海に触れられる度に身体を弛緩させ、宮原は直ぐに高められていく恍惚感に堪えきれず、沢海の腕を掴む。

「・・・それ、ヤダ……
やめて…
……やだ……やだ……っあん!」

沢海の唾液に濡れる舌先が一瞬離れ、此処に見付けたと燥ぐように宮原の乳首を舐める。

既に固く痼る乳首を舌を使って更に穿り、茱萸の実のような感触を味わい、楽しむ。
勃起する乳首が瑞々しくプツンと弾け、沢海は舌尖で押し潰すように舐め、そして前舌を丸めて転がすようにしゃぶる。
唾液で滑る乳首を舌と歯で輪郭を辿り、柔らかい乳暈の膨らみを口に含む。
クチュクチュと唾を溜めた口内で乳首を食い、前歯で挟み込むと軽い痛みを伴う愛撫に宮原はビクリと肩を竦ませてしまう。

沢海は宮原の隠部に視線を這わせると、赤く腫れてしまった乳首に刺激を与える度に空っぽの陰嚢が収斂し、亀頭が擡げてくる様子が分かる。

沢海との初めてのセックスで既に意識の限界の枠を往来する宮原は沢海のペニスを受け入れたまま、健気に腰を揺らし、自ら沢海の精液を搾り取ろうとする。
覚束ない下手な腰振りに痩躯を捩らせながら必死に身体を浮かせる。

精子をたっぷりと蓄えた陰嚢と精管を伝い、射精を繰り返した沢海のペニスは亀頭への圧迫だけで敏感に反応し、奥歯を食い縛り、宮原の無意識の焦らしに堪える。

「…ひゃっ…ぁ、んう…
…っあ・・・そこ、舐めちゃ…いやぁ…
ーーーんぁ……はあぁ…
入れ…ながら……舐め、ない…で…
・・・や、やぁ……」
「…感じすぎるから?…
でも、ここは違うみたいだよ…
ーーーオレんの、もっと奥まで頬張ろうとしてる。
もっと奥まで頂戴って、欲しがっているみたいだよ…
…悠、コレ、抜かなきゃダメ?
もうちょっとだけ、いい?
ーーーいいだろ?」

宮原からの答えを待たずに沢海は上肢を持ち上げていた手を解くとそのまま肩を上から押さえ、身動ぐ事さえ許さないように拘束をする。

空いた片手で宮原の勃起した陰茎を握ると上下に扱き、尿道口に爪を立てる。
疼痛と快感の狭間に立たされ、物狂う刺激に視界が歪む。

「…いや、ぁ…ん・・・
も、う……もう無理だ、よっ!
ーーーやぁ……ん……はぁっ……
お願、い……お願いっ!
…ダ、メ…」

沢海は精管の中に体液がこびり付いていないか、尿道口を指で広げ、宮原の股座を覗き込む。
無色透明な汁が雨垂れのように丸みを帯びた滴になり、亀頭を猥雑に湿らせるとそれを乱暴に手中で搾り取る。

ペニスを根本から亀頭まで扱きながら、滑りを上乗せしようと沢海は唾を溜め、宮原の尿道口に落とす。
つるりとした亀頭の輪郭を伝いながら、僅かに尿道の中に入り込んだ体液が針を刺したようにツンと沁み、宮原は大きく広げていた腿を内股に萎める。

「感じてる?
気持ち良い?
ーーー乳首とチンポ、一緒に弄られて気持ち良い?」
「…そんな、こと……聞くなっ、てば…」
「…だって、さ…
分かるもん…
ーーー身体が、教えてくれるよ…
悠の感じるトコロ……乳首、だよね?
…それとも、フェラしてあげようか?
まだ、出そう?
ーーーここにまだ残ってるのなら、吸ってやろうか?」

唾液と精液が攪拌される手の中で陰茎を擦られながら矢継ぎに尋ねられ、返事に窮してしまい、緩く首を横に振って答える。
色欲に乱れ狂う様子を沢海は満足気に微笑みながら更に曝け出させようと、快楽の深淵に追い詰めていく。

「…おいで…」

宮原の身体を引き寄せ、胸の中に抱き締める。

切なく俯いたままの宮原の顎を上向かせると沢海は呼吸さえも掻き消そうと宮原の口唇を塞ぐ。

真っ赤に熟れた口内は火傷しそうな程に熱く、角度を変え何度も舌を絡み合わせ、お互いの高まりに壊れ掛ける鼓動を感じる。
緩んだ口元から唾液が溢れると弛緩した宮原の身体がぐったりと凭れ、沢海は手の中の抑え切れない興奮に悪辣に笑う。

沢海は宮原の細い腰を指跡が残る力強さで鷲掴むと、下から叩き付けるように激しい律動を刻んでいく。
深く回され、浅く捏ねられ、抽送を繰り返される度にアヌスが爛れるように蕩け、宮原は腰を逃す事さえ出来ずにいた。

「…っあ…ん・・・
もう・・・ダメ……
…ヤ、ダ……やだぁ・・・
あっ……はぁっ……いや、んっ…
……気持ち、い…よぉ……」
「ーーー悠……
…出すよ…いい?」
「ーーーぁ、あ……や、ぁ…ん…
…は、ぁ……んぅ……」

沢海までも性器に残存する体液を全て出し切るつもりなのか、宮原の直腸の中にドロリとした濃厚な精液を次々と注ぐ。

何度も射精をしながら腰を振られ、最奥の襞へ亀頭を押し付け、大量の精液を注がれる感覚が伝わる。
その都度、沢海に執拗に弄られ、敏感に固く痼る乳首を吸い上げられ、弓反りに撓る胸に顔を埋められる。

「……ぁあ、あ・・・んぅ……
お、なか……あつ、い・・・
ーーー熱い、よ……」

肌に触れる沢海の体温を感じながら宮原は呼吸を整えるが、泥沼のような倦怠感によって視界が狭まり、意識が遠退く感覚に陥る。

お互いが求め合うセックスの気持ち良さを全身で感じ、心の奥底で枯渇していた大切な感情が満たされていく。
切り裂かれた心の隙間を繋ぎ合わせるように緊く結われていた鎖を解き、沢海の求めるままに答えていく。

「…直哉…
ーーー好き…」

柔らかく微笑む宮原はその表情のまま目蓋を閉じ、沢海に縋り付いていた手をシーツに落とす。
脱力した身体が時折、何度も重ねられた快感を想起するように震え、宮原のアヌスが沢海のペニスを咥え込んだままピクピクと食い萎められる。

宮原の浅い息遣いに口元に耳を寄せ、意識が途切れた事を確認すると沢海は満足そうに下肢を震わせた。

最後に沢海は恥骨を宮原の会陰に擦り付ける程、最奥深くにペニスを突き入れ、亀頭で結腸を抉り、肉輪を抉じ開ける獣の交尾ような純粋な快楽を味わう。
食い縛る歯列の隙間から荒い呼吸が漏れ、沢海は弛緩する宮原の身体を抱き潰す。

沢海は宮原の前髪から覗く額に口唇を寄せると腰を浮かせ、宮原の温かい胎内に入り込んでいたペニスを一気に抜いた。
射精をしたような強烈な刺激に宮原は背中を浮き上がらせ、身体を硬直させてしまう。

「…あ、ん・・・
や、ぁ……ぅ……」

宮原は自らの腹の中で育てていた沢海のペニスの形を覚え、ヌポッと音を鳴らし、何も入っていない空洞の直腸が物欲し気に蠢く。
意識が途切れたままでも重く疼くアヌスを弄られ、喘ぎ声が高く響いてしまう。

沢海自身も激しいセックスの直後の余裕の無さに宮原の肢体を手荒く扱ってしまい、両足を大きく広げ、宮原の股間を眺め、楽しむ。

ヒクヒクと痙攣を繰り返し、ぽっかりと口を開けたアヌスは浅い箇所に溜まっていた精液を吐き出していく。
直腸が蠕動し、最奥まで入りこんだ精液の塊が次々とドロリと溢れ、シーツを酷く濡らした。

沢海はその扇情的な行為に息を詰め、緩く勃起するペニスを漸く宥める。

「ーーー好きだよ……
悠……
・・・愛している」

沢海は裸のままの宮原を優しくシーツに包み、後ろからそっと抱き締めた。
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