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第1部
*して。
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まだ外が薄暗い朝4時。
東の空が濃紺色に染まっている中に、針の先のようなオレンジの光が線を描いている。
カーテンの隙間から外灯の光が刺し、その光が真っ直ぐに寝室の部屋にラインを作り、そのまま宮原の顔の輪郭を縁取る。
宮原はぼんやりと翳る光にゆっくりと目を覚ました。
最初に見上げた天井と壁紙が視界に入るが、一瞬今、自分が何処にいるのか分からなくなる。
でも直ぐに手足を絡められて、背中越しに抱き締められて身動きが取りにくい状態を理解すると、苦笑いが漏れてしまう。
『ーーー沢海先輩……
腕、重いんですけど……』
自分の背中から沢海の胸の鼓動を感じる。
宮原の腰と肩を引き寄せてぐっすりと寝ている沢海の腕を離そうと上半身を捩ると、全裸の自分の姿が目に入った。
「ーーーえ?……」
沢海の鼓動の強さを今まで以上に感じた原因が分かり、自分の背中から伝わる素肌の温度に心臓が跳ね上がる。
沢海の寝息が自分の耳元で聞こえ、全身が一気に熱くなってしまう。
『…オレ……昨日……
どうしたんだっけ…?
ーーー何を…』
寝起き直後で記憶が混乱している宮原は掛けられているバスタオルと布団を捲ると、沢海も同じように全裸で眠っており、宮原の頬に朱を注いだ。
普段、サッカーの練習が終わった後の着替えで沢海の裸は何度も見た時があるにも関わらず、この場所が沢海の自宅のベットの上というだけで緊張が増してくる。
身長187cmの沢海の恵まれた体躯はサッカーをプレイする上で必要な筋肉を纏い、強靭な精神と揺るがない信念も形成する。
その鍛え抜かれた沢海の身体に誇張されるように、半立ちのペニスが聳える。
「ーーーッツ!……」
宮原は沢海の陰茎を凝視してしまい、慌てて目線を逸らす。
『沢海先輩も裸…?…
ーーーそうだ……
オレ……沢海先輩と……沢海、先輩…と……
ーーーでも……最後まで……
した…?……して、ない…?』
意識をすると左膝だけが重く疼くように痛み、巻かれたテーピングに昨日の情事を思い出してしまう。
自分のペニスを擦られ、舐められ、自分の出した精液を飲まされ、そして沢海を受け入れる為にアヌスに触れられ、指を入れられた。
だが、そこから先の事の記憶が、霞がかったかのように茫洋として失われている。
「…さ、む……」
宮原が布団を捲ったままでいた為に外気が直接全身に触れ、身体を竦める沢海が手を彷徨わせる。
まだ寝ぼけている沢海が布団を引き寄せるのかと思いきや、宮原の腕を掴むとそのまま背中からギュッと抱き締める。
ただ抱き締めるだけではなく、密着する沢海の下半身が宮原の双丘の間に入り込み、半立ちのペニスが密着する。
沢海のペニスの形状が分かる程、宮原のアヌスから会陰に押し当てられ、その狭い箇所でピクピクと蠢いている。
『ーーー!!!
……っあ!…
…や、だ………ダメだって…!』
後孔の凹みに沿うように沢海のペニスを感じ、宮原の陰囊の裏側を擦り上げる。
沢海が身動ぐとその都度、気が狂いそうな甘い愛撫を感じ、宮原の陰茎が緩々と擡げ、息が上がってくる。
「…あ……んぅーーー」
宮原のアヌスから会陰のラインを沢海のペニスで捏ねられ、宮原は声を漏らし、自らの腰を緩く動かしてしまう。
沢海の陰部を使ったオナニーは、宮原の「イイトコロ」を押し当て、独り善がりな快感を求めていく。
血管が浮き上がり、ゴリゴリとした肉茎とカリの括れが宮原を快感に追い詰めていく。
「ーーー沢海、先輩……
もっと……していい?……」
宮原の額に汗が張り付き、体温が上がると頬が紅潮してくる。
呼吸が鼻に抜けると快感を貪る声までも漏れてしまい、唇を引き締めてみるが、既にその声は止める事が出来ない。
「ーーーん……?……」
下半身を何かに触られている感覚に沢海がうっすらと目を開け、現実なのか夢現なのか、その境が分からずにぼんやりとしている。
沢海の視界の先に宮原が全裸のまま、ぎこちない動きで腰を前後に動かしている様子が見える。
自分のペニスを双丘に挟み、射精をする為に自身を昂らせるのではなく、セックスの真似事をしている。
宮原は快感に高みに耽り、半ば強引な自慰に沢海は自分のペニスに軽い痛みを感じ、少し腰を引いて宮原のアヌスの滑りから離れてみる。
感じる箇所が僅かに擦れてしまった事に宮原は無意識に気が付いたのか、沢海のペニスを追い掛けるようにして、再度下肢を擦り付けてくる。
生身のペニスを使ったセックス紛いの行為に、無我夢中になっている宮原は小声で「……先輩……沢海先輩…」と呟いている。
その折り曲げた後ろ姿に沢海が声を掛ける。
「ーーーなに…?
…宮原…
ーーーどうした?」
理由があって自分の名前を呼んでいるのかと、低血圧な沢海は何も考えずに返事をし、曇った声を出す。
聞こえる筈のない沢海の声が突然耳に入り、宮原の肢体が一瞬にして硬直してしまう。
沢海が身体を起こして宮原の顔を覗き込もうとすると自身の陰茎が反応を示し、完全に勃ち上がっている事に気付く。
自身のペニスが先走りや朝勃ちではない、別の体液で濡れている感触が分かる。
宮原がシーツで顔を隠し、小声で訴えてくる。
「ーーー先輩……
…出し……たい……
ーーー出したいーーー
ガマン、出来ない…」
東の空が濃紺色に染まっている中に、針の先のようなオレンジの光が線を描いている。
カーテンの隙間から外灯の光が刺し、その光が真っ直ぐに寝室の部屋にラインを作り、そのまま宮原の顔の輪郭を縁取る。
宮原はぼんやりと翳る光にゆっくりと目を覚ました。
最初に見上げた天井と壁紙が視界に入るが、一瞬今、自分が何処にいるのか分からなくなる。
でも直ぐに手足を絡められて、背中越しに抱き締められて身動きが取りにくい状態を理解すると、苦笑いが漏れてしまう。
『ーーー沢海先輩……
腕、重いんですけど……』
自分の背中から沢海の胸の鼓動を感じる。
宮原の腰と肩を引き寄せてぐっすりと寝ている沢海の腕を離そうと上半身を捩ると、全裸の自分の姿が目に入った。
「ーーーえ?……」
沢海の鼓動の強さを今まで以上に感じた原因が分かり、自分の背中から伝わる素肌の温度に心臓が跳ね上がる。
沢海の寝息が自分の耳元で聞こえ、全身が一気に熱くなってしまう。
『…オレ……昨日……
どうしたんだっけ…?
ーーー何を…』
寝起き直後で記憶が混乱している宮原は掛けられているバスタオルと布団を捲ると、沢海も同じように全裸で眠っており、宮原の頬に朱を注いだ。
普段、サッカーの練習が終わった後の着替えで沢海の裸は何度も見た時があるにも関わらず、この場所が沢海の自宅のベットの上というだけで緊張が増してくる。
身長187cmの沢海の恵まれた体躯はサッカーをプレイする上で必要な筋肉を纏い、強靭な精神と揺るがない信念も形成する。
その鍛え抜かれた沢海の身体に誇張されるように、半立ちのペニスが聳える。
「ーーーッツ!……」
宮原は沢海の陰茎を凝視してしまい、慌てて目線を逸らす。
『沢海先輩も裸…?…
ーーーそうだ……
オレ……沢海先輩と……沢海、先輩…と……
ーーーでも……最後まで……
した…?……して、ない…?』
意識をすると左膝だけが重く疼くように痛み、巻かれたテーピングに昨日の情事を思い出してしまう。
自分のペニスを擦られ、舐められ、自分の出した精液を飲まされ、そして沢海を受け入れる為にアヌスに触れられ、指を入れられた。
だが、そこから先の事の記憶が、霞がかったかのように茫洋として失われている。
「…さ、む……」
宮原が布団を捲ったままでいた為に外気が直接全身に触れ、身体を竦める沢海が手を彷徨わせる。
まだ寝ぼけている沢海が布団を引き寄せるのかと思いきや、宮原の腕を掴むとそのまま背中からギュッと抱き締める。
ただ抱き締めるだけではなく、密着する沢海の下半身が宮原の双丘の間に入り込み、半立ちのペニスが密着する。
沢海のペニスの形状が分かる程、宮原のアヌスから会陰に押し当てられ、その狭い箇所でピクピクと蠢いている。
『ーーー!!!
……っあ!…
…や、だ………ダメだって…!』
後孔の凹みに沿うように沢海のペニスを感じ、宮原の陰囊の裏側を擦り上げる。
沢海が身動ぐとその都度、気が狂いそうな甘い愛撫を感じ、宮原の陰茎が緩々と擡げ、息が上がってくる。
「…あ……んぅーーー」
宮原のアヌスから会陰のラインを沢海のペニスで捏ねられ、宮原は声を漏らし、自らの腰を緩く動かしてしまう。
沢海の陰部を使ったオナニーは、宮原の「イイトコロ」を押し当て、独り善がりな快感を求めていく。
血管が浮き上がり、ゴリゴリとした肉茎とカリの括れが宮原を快感に追い詰めていく。
「ーーー沢海、先輩……
もっと……していい?……」
宮原の額に汗が張り付き、体温が上がると頬が紅潮してくる。
呼吸が鼻に抜けると快感を貪る声までも漏れてしまい、唇を引き締めてみるが、既にその声は止める事が出来ない。
「ーーーん……?……」
下半身を何かに触られている感覚に沢海がうっすらと目を開け、現実なのか夢現なのか、その境が分からずにぼんやりとしている。
沢海の視界の先に宮原が全裸のまま、ぎこちない動きで腰を前後に動かしている様子が見える。
自分のペニスを双丘に挟み、射精をする為に自身を昂らせるのではなく、セックスの真似事をしている。
宮原は快感に高みに耽り、半ば強引な自慰に沢海は自分のペニスに軽い痛みを感じ、少し腰を引いて宮原のアヌスの滑りから離れてみる。
感じる箇所が僅かに擦れてしまった事に宮原は無意識に気が付いたのか、沢海のペニスを追い掛けるようにして、再度下肢を擦り付けてくる。
生身のペニスを使ったセックス紛いの行為に、無我夢中になっている宮原は小声で「……先輩……沢海先輩…」と呟いている。
その折り曲げた後ろ姿に沢海が声を掛ける。
「ーーーなに…?
…宮原…
ーーーどうした?」
理由があって自分の名前を呼んでいるのかと、低血圧な沢海は何も考えずに返事をし、曇った声を出す。
聞こえる筈のない沢海の声が突然耳に入り、宮原の肢体が一瞬にして硬直してしまう。
沢海が身体を起こして宮原の顔を覗き込もうとすると自身の陰茎が反応を示し、完全に勃ち上がっている事に気付く。
自身のペニスが先走りや朝勃ちではない、別の体液で濡れている感触が分かる。
宮原がシーツで顔を隠し、小声で訴えてくる。
「ーーー先輩……
…出し……たい……
ーーー出したいーーー
ガマン、出来ない…」
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