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第一章
38 砲戦開始
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(うるせえっ!)
主砲一斉射の凄まじい轟音によって、耳が殴られたような衝撃を受ける。
首を縮め苦悶するカウル。
キーンと耳鳴りがし、耳に分厚い膜がかけられたように、あらゆる音が聞こえにくくなる。
ドオン……ドオン……
だが直後、耳鳴りの向こうからさらに別の轟音が聞こえてきた。『アマネ』に後続する僚艦も砲撃を開始したのだ。
「こほっ」カウルが小さく咳き込む。
『アマネ』の主砲の砲口から噴出した黒い砲煙が、後方に流れ、カウルたちのいる左舷を覆った。
だが黒煙はすぐに風に流されて霧散し、靄がかっていた視界が晴れる。
再び彼方の海上にいる敵艦隊の姿が見えた。
(弾は──)
砲弾の行方をカウルが追う。
『アマネ』の主砲から発射された砲弾は、音速を優に超える速度で、すでにはるか遠くに飛んでいっている。
しばらくして、敵艦隊の艦影の上──空中で一つ、ぱっと黒煙が花開いた。
同時に、艦影から横の少し離れた位置に水柱が複数立ったのが、小さくだが視認できた。
その水柱は着弾した砲弾が立てたものだ。そして上空の黒煙は──
(迎撃された……!)
空中で砲弾が爆発したということは、敵がこちらが放った砲弾を撃ち落としたということだ。
敵にも、シーナのような対空迎撃要員がいるのだ。
すると、間を置かずして、今度は、敵艦隊の艦影の正面に、ぼわっと黒煙が広がって見えた。
──!
「敵艦、発砲!!」
カウルの周りで誰か──第四分隊の隊員が声を張り上げた。
(撃ってきた!!)
敵艦隊もまた砲戦を開始したのだった。
主砲一斉射の凄まじい轟音によって、耳が殴られたような衝撃を受ける。
首を縮め苦悶するカウル。
キーンと耳鳴りがし、耳に分厚い膜がかけられたように、あらゆる音が聞こえにくくなる。
ドオン……ドオン……
だが直後、耳鳴りの向こうからさらに別の轟音が聞こえてきた。『アマネ』に後続する僚艦も砲撃を開始したのだ。
「こほっ」カウルが小さく咳き込む。
『アマネ』の主砲の砲口から噴出した黒い砲煙が、後方に流れ、カウルたちのいる左舷を覆った。
だが黒煙はすぐに風に流されて霧散し、靄がかっていた視界が晴れる。
再び彼方の海上にいる敵艦隊の姿が見えた。
(弾は──)
砲弾の行方をカウルが追う。
『アマネ』の主砲から発射された砲弾は、音速を優に超える速度で、すでにはるか遠くに飛んでいっている。
しばらくして、敵艦隊の艦影の上──空中で一つ、ぱっと黒煙が花開いた。
同時に、艦影から横の少し離れた位置に水柱が複数立ったのが、小さくだが視認できた。
その水柱は着弾した砲弾が立てたものだ。そして上空の黒煙は──
(迎撃された……!)
空中で砲弾が爆発したということは、敵がこちらが放った砲弾を撃ち落としたということだ。
敵にも、シーナのような対空迎撃要員がいるのだ。
すると、間を置かずして、今度は、敵艦隊の艦影の正面に、ぼわっと黒煙が広がって見えた。
──!
「敵艦、発砲!!」
カウルの周りで誰か──第四分隊の隊員が声を張り上げた。
(撃ってきた!!)
敵艦隊もまた砲戦を開始したのだった。
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