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第一章
37 口火
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(でもこれ体力保つか……?)
弾倉に普段より多めに『心』を込めるように言われたカウルの頭に不安がよぎる。
ちらりとシーナのほうを見上げるも、シーナは敵艦隊のほうを向いて、抱える対装甲狙撃銃の銃床を肩に当て、射撃体勢に入った。
弱音を口にしたところで聞く耳を持ってもらえるはずがない──カウルが暗い気持ちになる。これからの戦いが終わるまで、しっかりやりきることができるだろうか。
海面の上に見える敵艦隊の四つの影は、先程より大きくなっている。
彼我の距離は刻々と近づいていた。
ジリリリリリリ!
突然、警報音が響く。
「!」
この音は、『アマネ』の主砲が発射される際の警報音である。
とっさにカウルが右側──艦首のほうを見る。
『アマネ』の一番、二番の両主砲塔の二対二組、計四本の長大な砲身が、左舷──敵艦隊のほうを指向し、せり上がって空を仰いでいる。
主砲が発射されるときの爆音と衝撃は凄まじい。この警報音は、それを甲板上にいる兵員に警告するためのものだ。
「っ!」
来るべき衝撃にカウルが身構える。特に、耳に意識を集中し、『鼓動』によって──『心』を耳の鼓膜に集中させることで──耳を保護する。
バカン!バカン!
バカン!バカン!
僅かな時間差を置いて『アマネ』の主砲が一斉に火を吹いた。
弾倉に普段より多めに『心』を込めるように言われたカウルの頭に不安がよぎる。
ちらりとシーナのほうを見上げるも、シーナは敵艦隊のほうを向いて、抱える対装甲狙撃銃の銃床を肩に当て、射撃体勢に入った。
弱音を口にしたところで聞く耳を持ってもらえるはずがない──カウルが暗い気持ちになる。これからの戦いが終わるまで、しっかりやりきることができるだろうか。
海面の上に見える敵艦隊の四つの影は、先程より大きくなっている。
彼我の距離は刻々と近づいていた。
ジリリリリリリ!
突然、警報音が響く。
「!」
この音は、『アマネ』の主砲が発射される際の警報音である。
とっさにカウルが右側──艦首のほうを見る。
『アマネ』の一番、二番の両主砲塔の二対二組、計四本の長大な砲身が、左舷──敵艦隊のほうを指向し、せり上がって空を仰いでいる。
主砲が発射されるときの爆音と衝撃は凄まじい。この警報音は、それを甲板上にいる兵員に警告するためのものだ。
「っ!」
来るべき衝撃にカウルが身構える。特に、耳に意識を集中し、『鼓動』によって──『心』を耳の鼓膜に集中させることで──耳を保護する。
バカン!バカン!
バカン!バカン!
僅かな時間差を置いて『アマネ』の主砲が一斉に火を吹いた。
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