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第一章
4 艦上歩兵科守備隊
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「水上機、発艦!」
『アマネ』の艦尾のカタパルトから、水上偵察機が発艦する。
水上偵察機は、敵艦隊および敵艦船の偵察・発見と、主砲の着弾観測──自艦が放った砲弾がどこに着弾したかを確かめる──を任務とした艦載機である。
フロート──航空機の足の部分に『浮き』──がついたこの機種は、水上での離着陸──とくに海上への着陸が可能で、空母のような飛行甲板を有しない戦闘艦での運用が可能となっており、数多くの巡洋艦と戦艦に装備されている。
ブウン、とプロペラを唸らせて水上偵察機は空高く上昇していく。
水上偵察機は旋回したのち、機体の末端から訓練時に使用する曳航標的を展開した。
機体から伸ばされた長い曳航索の先に取り付けられた布製の吹き流しが偵察機の後方にたなびく。
対空戦闘訓練では、この曳航標的を敵航空機、あるいは敵弾とみたてて、迎撃を行う。
「対空機銃、撃ち方用意!」
セーグネルが号令する。
機銃を担当する分隊の隊員が、銃座に据えられた重機関銃のレバーをガシャンと引く。
艦の周りを旋回していた水上機はカウルたちのいる右舷を艦の後方から通過していった。
そして水上機の後方についてくる曳航標的がカウルたちの前にさしかかる。
「撃ち方、はじめ!!」
セーグネルの号令とともに、重機関銃がダダダ、と射撃をはじめた。
機関銃は次々と弾帯を吸い込んで、大型の機関銃弾を放っていく。
一定間隔で弾帯に組み込まれている曳光弾が光りながら飛び、射撃の線を示す。
重機関銃の弾幕のなかを、曳航標的が瞬く間に通過する。 ぷっ、と音を立て標的が微かに揺れたところを見るに、放たれた銃弾のうち一発は命中したようだ。
標的が通過すると機関銃手は一端射撃を止める。そして艦の周辺を大きく弧を描きながら飛行する水上偵察機の動向を注視し、次の機会をうかがう。
再度水上機が接近すると、すかさず対空射撃をしかける。
これが数回繰り返えされたところで、
「撃ち方やめ!」とセーグネルが号令をかけた。
「次、迎撃要員!撃ち方用意!」
次いで対空迎撃要員であるシーナとそれを補助するカウルに号令がかかった。
『アマネ』の艦尾のカタパルトから、水上偵察機が発艦する。
水上偵察機は、敵艦隊および敵艦船の偵察・発見と、主砲の着弾観測──自艦が放った砲弾がどこに着弾したかを確かめる──を任務とした艦載機である。
フロート──航空機の足の部分に『浮き』──がついたこの機種は、水上での離着陸──とくに海上への着陸が可能で、空母のような飛行甲板を有しない戦闘艦での運用が可能となっており、数多くの巡洋艦と戦艦に装備されている。
ブウン、とプロペラを唸らせて水上偵察機は空高く上昇していく。
水上偵察機は旋回したのち、機体の末端から訓練時に使用する曳航標的を展開した。
機体から伸ばされた長い曳航索の先に取り付けられた布製の吹き流しが偵察機の後方にたなびく。
対空戦闘訓練では、この曳航標的を敵航空機、あるいは敵弾とみたてて、迎撃を行う。
「対空機銃、撃ち方用意!」
セーグネルが号令する。
機銃を担当する分隊の隊員が、銃座に据えられた重機関銃のレバーをガシャンと引く。
艦の周りを旋回していた水上機はカウルたちのいる右舷を艦の後方から通過していった。
そして水上機の後方についてくる曳航標的がカウルたちの前にさしかかる。
「撃ち方、はじめ!!」
セーグネルの号令とともに、重機関銃がダダダ、と射撃をはじめた。
機関銃は次々と弾帯を吸い込んで、大型の機関銃弾を放っていく。
一定間隔で弾帯に組み込まれている曳光弾が光りながら飛び、射撃の線を示す。
重機関銃の弾幕のなかを、曳航標的が瞬く間に通過する。 ぷっ、と音を立て標的が微かに揺れたところを見るに、放たれた銃弾のうち一発は命中したようだ。
標的が通過すると機関銃手は一端射撃を止める。そして艦の周辺を大きく弧を描きながら飛行する水上偵察機の動向を注視し、次の機会をうかがう。
再度水上機が接近すると、すかさず対空射撃をしかける。
これが数回繰り返えされたところで、
「撃ち方やめ!」とセーグネルが号令をかけた。
「次、迎撃要員!撃ち方用意!」
次いで対空迎撃要員であるシーナとそれを補助するカウルに号令がかかった。
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