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2話

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早速、入学式が行われる講堂まで来たが視線がとても痛い。
公爵家の娘という肩書きという点よりも、妹であるミリーの容姿の良さで多くの者がこちらを見ているように感じる。
まぁ、それもそうだろう。
淡い桃色の髪に初夏を思わせる新緑の目、ずっと絶やすことの無い微笑みを浮かべているミリーは可愛い。
流石、ヒロインと言うべきであろう。

「お姉様。入学式は隣におられますか?」

「いや、二年の場所……今いる中央の左側か右側のどちらかに居る。」

「そうですか…残念です、お姉様と一緒にいられるものと勝手ながらに思っていたものですから。」

「そう落ち込むな。入学式など直ぐに終わる。」

そう言いながら、寂しげな表情をさらに曇らせるミリーの頭を撫でる。
すると不安が和らいだのだろう、少し表情が明るくなる。

「さぁ、もう直ぐ始まる。自分の席に行きなさい。」

「はい、お姉様。また後ほど!」

席へと向かいながら手を振るミリーに私も振り返す。
すると、手を大きく掲げ振り出した。
あれほど注意したのに全く困った妹だ。

さて、私も指定された場所へ行かねばと歩き出す。
すると突然、後ろから声を掛けられた。

「本日もアゼルティ嬢はお美しいようで」

「貴方も太陽の様にお元気ですこと、オリフェッタ様。」

「相変わらずつれねぇーな、アゼル。そんなんじゃ男にモテないぜ。」

「何を言う、いつもの事ではないかオータ。あと、私がモテるかどうかは関係無いだろう。」

「いーや、関係あるねって、俺を置いて先に行くなよ!」

こいつとの時間は無駄だと判断し移動を開始する。
すると追いついてきてズカズカ隣を歩きだした。
オリフェッタ・タージャ・マルケド。
マルケド公爵家の次男で、私と同学年。
この学園に入ってから腐れ縁だかなんだか知らないが、軽口を言い合う仲になってしまった。
180を優に超える高身長で、顔と性格が良いらしいので令嬢からの人気はある。
何故こんな男がと思うが、人の感性を愚弄する趣味は無いので口に出すことはない。

「あ、そういや今年も同じクラスだったぜ。よろしく頼むな、アゼル!」

笑顔で爆弾発言をしたオータを凝視する。
また、こいつと同じ?
はぁ、、私の運はついていないようだ。

「やめろよ、そんなに見つめられると照れちまう。」

「そうか、ならそのまま自分の熱で燃え死ぬといい。」

「そんなに俺と一緒が嫌?!オータ君ショックなんだけどー。」

因みに講堂での席は隣だったようで、入学式が始まるまでずっと話しかけられていたが、全て無視した。
最悪のスタートだ。


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