本の世界へ強制トリップ~俺がやりたかったのはコレじゃない~

みなみ ゆうき

文字の大きさ
上 下
21 / 22

21.困難な状況を乗り切るには諦めも肝心 *

しおりを挟む
どうやら俺達のやり取りを聞いてしまったらしい六条は、少しだけ困ったような顔をしながらも、将平の呼び掛けに素直に応じ部屋の中へと入ってきた。

夢の中と同じ展開になっていることに暫し呆然としてしまったものの、自分が今どんな格好をしてるかを思い出した俺は、咄嗟に布団の中に潜り込むことで全てを隠すことに決めたのだが。


「え!?」


その目論見はガッツリ俺の腕を掴むという将平の裏切り行為によりあっさり阻止されてしまった。更に。


「は?!なんで!?」


意外と逞しい将平の胸に抱き寄せられたと思ったら。


「え?えっ!?えーーっ!!」


こんな状態の俺を隠してくれるのかもとか淡い期待をする隙すらなく。


「ちょ…っ…!やだって!将平ッ!」


ベッドに座った将平の脚の間にすっぽりとおさまるように座らされ、膝裏をがっちりと抑えられた状態で大きく脚を開くような体勢をとらされたのだ。


「やめろよ!バカ!!離せって!!!」


身を捩って必死に逃れようとするが、体格差のある将平の力には敵わず、俺はこんな状況になってもちっとも大人しくならないムスコと浅ましく疼く恥ずかしい穴を、六条の前にさらけ出す羽目になっていた。


中頭なかずって穏やかそうに見えて、案外挑戦的な性格してるよな」


俺の羞恥も戸惑いもお構い無しに、六条がゆっくりと近付いてくる。


「六条先生も爽やかそうに見えて、結構腹黒い性格してますよね」


将平は絶対に褒め言葉じゃないとわかる台詞を返しながら、広げた俺の脚の間に自分の脚を入れて固定すると、自由になった手で元気過ぎる俺のチンコと後ろの穴をそっと撫でてきたのだ。


「は…ぁぁんッ!」


ちょっと油断していたところにいきなり与えられた刺激は強烈で。俺は思い切り身体を仰け反らせながら喘いでしまった。

やべぇ……。危うくイッてしまうとこだった……。


公開射精にならずに済んだことに内心ホッと胸を撫で下ろしていると。


「たったこれだけの刺激でこんなになるとか、すごいな……。
それとも見られて興奮してる? やっぱり源川ってエッチな身体してんだな」


揶揄いを含んだような六条の言葉に、俺は真っ赤になって俯いた。

やっぱりってなんだよ!?
俺は確かに性欲強めだって自覚はあるけど、こんな風に奥のほうが疼いて堪らないなんていう身体じゃなかったのに……!!

それもこれもあのおかしな夢のせいだとしか思えないが、そんなことを説明したところで信じてもらえないっていうのが悔し過ぎる。


そんな俺を他所に、背後にいる将平は俺の首筋に唇を這わせると、その唇を移動させ耳許で意味ありげにクスリと笑った。

嫌な予感……。


「確かに耀はエロい身体してますよ。ほら、もっとココをよく見て下さい。こんなにヒクついて早く奥まで挿れて欲しいっておねだりしてるでしょ?」


とんでもない事を言いながら、暗に六条がもっと近くに来るよう促し始めたのだ。


「何言ってんだよ!?」


ギョッとする俺に構うことなく、六条はにこやかに笑みを浮かべながらベッドに膝をつくと、少しの躊躇いもなく俺のすぐ目の前まで迫ってきた。


まさか……。

これから何をされるのか簡単に想像が出来てしまった俺は必死に首を振り、やめて欲しいと訴えてみたのだが。

それはすぐに無駄な抵抗だということを思い知る。


「ホントだ。桐山先生とのセックスだけじゃ物足りなかった? だったら二人で相手をするくらいじゃないと満足してもらえないってことかな?」

「まあ、帰って来てからひとりエッチしてた挙げ句、俺のチンポが欲しいっておねだりしてきたくらいですから、そういうことかもしれませんよね」


じっくりと身体の状態を観察された挙げ句、とんでもない事まで暴露され、俺は抵抗する気すら消え失せた。

しかもそれで終わるはずもなく。


「へぇ……。おねだりしたんだ。ちょっと妬けるなぁ……」


妬けると言いつつも六条の口元に浮かんだトロリと蕩けそうな笑みを見た瞬間。夢の中で経験した六条との目隠し筆プレイを思い出した俺は、一気に背筋が寒くなる。

今度は一体何させる気だ!?


当然のことながらこの場から逃げることすら不可能な俺は、膝立ちの体勢でズボンの前側を寛げている六条をただ見ている事しか出来なかった。


「ねぇ、源川。俺にもおねだりしてみてよ。中頭にしたみたいにさ」

「耀、してやれよ」

「何を……? え!?」


言われている意味が理解出来ずに一瞬呆けていた俺を、将平があっという間にベッドに俯せにする。
そしてすぐ目の前に六条がいるっていう信じられない状況で、俺の尻穴に自分のモノをあてがうと、一気に内部へ押し入ってきたのだ。


「いゃ…ッ…!んッ…!あぁ…んッ…!しょう、へい……ッ!」

「うわ、やば。挿れただけでイクとかヤバくね?」


挿れた衝撃だけでイッたらしい俺は、自分の身に起きたことすら認識出来ずに、将平を咥え込んだままベッドに突っ伏した。


確かにヤバい……。三擦り半どころか擦られてもいないのにイクって……。

あまりのショックにガーンって感じになっていると。


「源川の淫乱ぶりはすごいな……。こんな可愛いとこ見せられたらさすがに中頭も余裕ないだろ。若いコは元気だね」


追い討ちをかけるような六条の言葉に、俺は恥ずかしさのあまりシーツに頭をつけたまま顔をあげることが出来なかった。


将平は余裕がないと指摘されててもまだイッたわけでもなく、まるで俺の内部の感触を確かめるようにゆるゆると腰を動かしている。

むしろ一回イッたにもかかわらず俺のほうが余裕がない感じで。俺は再びぶり返してくる抗いがたい快感にただ身を震わせることしか出来ずにいた。

挙げ句に。


「そういうアンタもまだ何にもしてないのに勃ってるだろうが」


俺があえてスルーしようかと思ってた目の前の事実を将平に指摘され、状況が悪化する。

どうすんだよ!?これ!!


すると。


「──だから、先生に向かってアンタって言うなって言っただろ」


六条は苦笑いしながら俺の顎を掬いあげ顔を上向かせると、将平に指摘されたブツを俺の目の前に持ってくるという暴挙に出たのだ。

今、この場で自分に望まれている事を察した俺は、あまりのいたたまれなさにそっと目を逸らす。

しかしそんな事が許される筈もなく。


「源川。ちゃんとこっち見て上手におねだりしてごらん。言葉で言うのが恥ずかしいなら、行動で示してくれればいいから」

「……っ!」

「大丈夫。源川がエッチなコだって知ってるから、どんなはしたないことしたって驚かないよ」


声は優しいのに有無を云わせぬその態度に。
俺はまるで操られているかのようにゆっくりと口を開き、目の前のモノに舌を伸ばした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

アリスの苦難

浅葱 花
BL
主人公、有栖川 紘(アリスガワ ヒロ) 彼は生徒会の庶務だった。 突然壊れた日常。 全校生徒からの繰り返される”制裁” それでも彼はその事実を受け入れた。 …自分は受けるべき人間だからと。

王道学園なのに会長だけなんか違くない?

ばなな
BL
※更新遅め この学園。柵野下学園の生徒会はよくある王道的なも のだった。 …だが会長は違ったーー この作品は王道の俺様会長では無い面倒くさがりな主人公とその周りの話です。 ちなみに会長総受け…になる予定?です。

平凡な俺が総受け⁈

雫@更新予定なし
BL
平凡な俺が総攻めになる⁈の逆バージョンです。高校生活一日目で車にひかれ異世界へ転生。顔は変わらず外れくじを引いたかと思ったがイケメンに溺愛され総受けになる物語です。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

陛下の失われしイチモツをみつけた者を妃とする!………え、ヤバいどうしよう!?

ミクリ21
BL
主人公がヤバいことしてしまいました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

処理中です...