本の世界へ強制トリップ~俺がやりたかったのはコレじゃない~

みなみ ゆうき

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20.男のロマンは効果絶大 *

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「どうにかってどうすんだよ?指じゃダメならどうして欲しいわけ?ちゃんと言わなきゃわかんないんだけど」


ホントはわかってるくせに、あえて俺に言わせようとしてる将平が憎たらしい。

お前も童貞じゃないんだからわかるだろ!と言ってやりたいのはやまやまだが、今はそんなやり取りに時間を使うことすらもどかしく、俺はまだかろうじて残っていたなけなしの羞恥心をかなぐり捨てると、素直に自分の欲望を口にした。


「将平のチンコ、俺のココに挿れて……? 奥まで突いていっぱい擦って気持ち良くして欲しい……」


自分で膝を抱えながら脚を拡げ、わざと煽るように恥ずかしい部分を見せつけながらダイレクトに要望を伝える。

恥ずかしいけどここは我慢。
だって男ならこういうの好きじゃん。

AVでしか見たことない男のロマン『恥じらいながらも大胆にくぱぁ』ってやつを、まさか自分がやるほうになるなんて、ちょっと前の俺からは想像も出来なかったけど、たぶん見せられた側の将平の感触は悪くないと思うんだ。

だってめっちゃガン見してるし。

何となく大事なものを根こそぎ失った気もするが、今の俺が優先すべきはこの異常な状態を終わらせること。
そう割りきって俺は女優になった。

将平はそんな俺から一切視線を外さない。


「将平……?」


あんまりに微動だにしないからまさか引かれてるのかと思い、恐る恐る名前を呼ぶと。

さすがは男のロマンというべきか。
やってるのが男の俺でもその効果は絶大だったらしく、将平はすぐに俺に覆い被さると、噛みつくようなキスを仕掛けてきた。


「ん…ッ…、しょう、へい……、そうじゃなくて……」

「耀、可愛い……。もっとキスしていい?」


何でそうなる!?
用があるのはお前のサオだけなんだよ!

と思っても何故か抵抗できずに将平のベロチューに応えてる俺。
その上、唇が離れていきそうになると自分からもっともっとってねだっちゃってるのだから、ホント俺のこの身体、どうしようもない。

将平相手にこんな真似するなんて、完全に誰かに乗っ取られて操られてるとしか思えないんだけど……。


「将平……、俺の身体、おかしい……」


半泣きで訴えると、さすがに将平も俺の様子がおかしいことに気づいたのか、段々とその表情が怪訝そうなものへと変わっていった。


「……もしかして桐山になんかあやしいモンでも盛られたとか?」

「?」


ここで桐山の名前が出てきた意味がさっぱりわからず、俺は首を傾げる。


──何で桐山? むしろ犯人はお前なんだけど。

とは思っても、所詮夢の中のことであって現実ではないため説得力はゼロだ。


「桐山先生は、関係ない。も、いいからとりあえずお前のチンコ貸せって言ってるだろ!」


もういちいち説明すんのもこれ以上焦らされるのも耐えられなくなった俺は、勢いよく身体を起こすと、将平の前に踞り勝手にジーンズの前側を寛げてやった。


「ちょ、耀!?」


焦る将平に構うことなく、俺は自分の欲望に忠実に突き進む。

下着をずらして将平のチンコをそっと外へと出してやると、将平の身体がビクリと震えた。
滅多に見れない将平の焦った様子に俄然やる気が上がった俺は、躊躇うことなくそれに顔を近付けていった。

まだ完勃ちではないにもかかわらず、結構な大きさのそれに俺は思わず息を飲む。

しかし今更後には引けないという変なプライドと、一刻も早くこれで奥まで満たして欲しいという思いが勝り、俺は引き寄せられるように将平のモノへと唇を寄せた。

舌で先っぽを舐めてから、括れと裏筋に舌を這わせる。
思いきって口の中に咥えると、将平のモノがピクリと跳ねて俺の上顎に当たった。


「ん…ッ…、ふ…ぅ…」


そんなことすらも気持ちよく感じられてしまった俺は、一層深く口内に招き入れると舌と唇を使って亀頭を刺激し、サオの部分は手を使って一心不乱に育て上げた。

それと平行しながら俺は期待で勝手にヒクつく尻穴を自分の指で慰めていく。


「まさか俺のしゃぶりながらオナニーする耀を見る日がくるなんてな……」


俺にされるがままになっていた将平がニヤニヤしながら俺の頭を撫でてるのが何か気にくわない。

いつもだったら『ふざけんな』とブチキレるところだが、快感に支配されすっかり馬鹿になっていた俺は、上目遣いで将平を睨み付けながらやや強めに先端を吸い上げるというささやかな仕返しをすることしか出来なかった。


「うッ、それマズいって……」


将平が切なそうに眉を寄せる。

ざまぁ見ろ。

何となく将平を支配出来てる感じがして気分がいい。

しかしご機嫌でいられたのもそこまでだった。


「耀、ゴメンな……」


突然謝られ、俺は少なからずショックを受けた。
ここまでしといて今更やめたいとかってこと……?

こんな中途半端にされたら、もうどうしていいのかわからない。


「何で……?」


俺が泣きそうになりながら問いかけると、将平は何故かドアのほうを険しい表情で見つめていた。

何か嫌な予感……。


すると。


「いい加減出てきたらどうです? さっきからアンタがそこにいることはとっくにバレてんだけど」


え?このパターンって?

覚えのある展開に暫し固まる。


まさか!まさか!!まさか!!!


「だから、先生に向かってアンタ呼ばわりはいただけないってさっきも言ったばかりだろうが。
それにな、源川の可愛い声。わざと聞かせといてよく言うよ」


やっぱりーッ!!!!

見慣れたスーツ姿で笑顔を浮かべていたのは、イケ好かない平安ネカマと同じ顔をした俺の担任である六条先生、その人だった。
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