俺の都合通りになる世界の主人公になった話

みなみ ゆうき

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「ここがお嫌ならばアナルと乳首どちらになさいますか?」


まだ俺の股間にいる男、すこぶるイケメンのカークは、まるで朝食のメニューでも尋ねるかのような涼しげな表情でとんでもないことを聞いてきた。

うん、やっぱり泣きたい。既に半泣きだけど。


あまりの恥ずかしさに俺が答えることを躊躇っていると、まるで早く答えろと催促するかのように、それぞれの場所を同時に指で撫で始めた。


「あぁんッ!」


無理矢理新たなスイッチ入れられた俺の身体は白いシーツの上でビクビクと波打つ。

その様子を見て、目の前のイケメンの顔に嗜虐性を隠そうともしない愉悦の黒い笑みが浮かんだ。


ヤバい……。

咄嗟に逃げを打とうとしたものの、甘く痺れた感覚に全身の力が抜ける。同時に俺の内側が熱くなりトロリとしたものが溢れ出た。


カークのヤツめ。俺が寝てる間に何か仕込みやがったな……。

しかも稀代の英雄で救国の勇者とまで言われてる俺がそれに気付けなかったなんて、なんたる屈辱。

おそらく昨夜の激しいセックスに耐えかねて気絶した後、睡眠魔法スリープを使ったのだろう。

カークはこの世界でも最高峰に位置する魔導師だ。
油断してると魔法耐性スキルを持ってる俺でも敵わない時がある。


俺は涙目になりながら、恨みがましい気持ちでカークの顔を思い切り睨み付けてやった。

しかしその行動は益々カークを悦ばせただけのようで。


「さて、レオン様。本日のメニューは如何致しましょうか?
今日は兵舎に赴き、将来有望な若者に英雄自ら特別に稽古をおつけになるご予定でしたよね?
でしたらアナルへの玩具挿入ではなく、乳首への装飾具の装着に致しましょうか? レオン様は殊更乳首への愛撫がお好きなようですし」


違う、と否定したかったが、悲しいかな。俺にはそれを完全に否定することは出来ない。

カークも俺が何も答えられないことを知っていてわざとこんな意地悪な言い方をしてくるのだから質が悪い。

ホントに憎たらしい……。

俺に覆い被さり、見せつけるようにゆっくりと乳首をひと舐めする。


「あぁ…ん……」


甘い痺れが全身を駆け抜ける。
カークはベッドサイドの引き出しから何かを取り出し、それを俺の目の前に翳して見せた。


「こうやって片方の乳首を舐めながら、もう片方にこれを着けるとあっという間に蕩けた表情になることに気付いていらっしゃいますか? そのように潤んだ瞳で見つめられても期待してるようにしか思えませんし、かえって私を興奮させるだけですよ」


いやいや。この涙目。一応全力拒否の表れですけど。
なのに身体は全力ウェルカム状態で発情中に見えるらしい。

こんな真似されてんのにチンコガチガチにおっ勃てて、先っぽから嬉し涙流してれば、誰が見たって嬉しがってるようにしか見えないよな……。わかってた。


更に。


「今日は剣の指導で動かれることも多いでしょうから、外れ難いようにややしっかり目につけておきますね。
万が一これが外れて落ちたことで、稀代の英雄様がこんないやらしい淫具をつけたまま人前に出てるなんて知られたら困るでしょうし」


さもまともな事を言ってるていで、鬼畜でド変態な発言をかましてきやがった。


だったらそんなの着けるなよ!って言いたいが、カークの指摘どおり俺の身体は乳首にイヤリングのような装飾品を着けられ、その金具の締め付けによって痛いほどに胸の尖りを摘まみ上げられていても、それを脳が勝手に快感に変換しているという異常状態だ。


しかも、きちんと着こんだ軍服の下ではこんな恥ずかしい格好をしているってことを知られてしまったら……。

ヤバい。想像しただけで快感で身体はゾクゾクするし頭は逆上せたようにクラクラする。


「ああ、でもレオン様は恥ずかしいのもお好きですから、もしそうなったらご褒美にしかなりませんよね」


嘲るようなカークの言葉に俺の理性は脆くも弾け飛んだ。
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