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王太子殿下は僕の目の前に跪くと、僕自身でさえもどうなっているのかわからない部分へと顔を近付け、剥き出しになっているであろう秘めた箇所にそっと触れた。
「んッ……」
意外と体温の低かった王太子殿下の指が、敏感な部分を掠めた瞬間、思った以上の衝撃が全身を駆け抜ける。
思わず身体を固くする僕に、後ろにいるカイル様が心配しなくていいよとばかりに頭を撫でてくれた。たったそれだけことで随分と落ち着いた気持ちになれるから不思議だ。
僕は一刻も早くこの恥ずかしい状況を終わらせるために身体の力を抜くと、王太子殿下から与えられる感覚に意識を集中させることにした。
王太子殿下の指先が何度も割れ目の辺りを往復する度に、少しずつクチクチという粘着質な音が大きくなっていく気がする。
それに比例するように、僕の口からも抑えきれない声が溢れだす。
「ん…ぅ…、ふぅ…、はぁ…、ぁ…ん…ッ…」
自分の身体の反応も、この鼻にかかったような媚びた喘ぎ声も全てが恥ずかしい。それなのに王太子殿下は僕がどう思っているかなどお構い無しにその敏感な部分を容赦なく指先で弄んだ。
「ちゃんとここの感覚はあるみたいだし、濡れ方も一緒。完全に女の子の身体だね」
そんな報告をされても今の僕が正しく理解できる筈もない。むしろ何度かその部分を往復しているうちに、痺れるような甘い感覚と共にクチュクチュという濡れた音が大きく聞こえてきたことで、自分がどういう状態になっているのかを否応にも認識させられた僕は真っ赤になって俯いた。
「恥ずかしながらなくていいよ。ここ撫でられると気持ちいいのはわかってるから。むしろそう感じてくれないと困る」
その言葉に少しだけホッとしていると、王太子殿下の口元に明らかに面白がっているのだとわかるような笑みが浮かんだ。
何だろう?嫌な予感しかしないけど、その事を深く考える余裕もない。
「ねぇ、ぶっちゃけ男の時と比べてどっちが気持ちいい?」
どっち……?
霞みがかかったような頭でぼんやり考えていると。
「フェリクス様」
背後にいるカイル様が咎めるように王太子殿下の名前を呼んだことで、僕は自分が雰囲気に流されてとんでもなく恥ずかしいことを言わされそうになっていたことに気付いた。
思わず王太子殿下に非難するような視線を向けてしまったが、向こうに非があるのだから大目にみてもらえるだろう。
「ゴメン。これは単なる興味本位。どっちも経験出来る人なんて初めて会ったからさ。お詫びにすぐに終わらせてあげるね。
──カイル、手が止まってるよ」
王太子殿下の指摘にカイル様も動きを再開させる。
その結果、上と下を同時に攻められた僕は訳がわからないまま急激に快感を引きずり出されていき。
「んーーーッ!」
じわじわと何かがせり上がってくるような感覚が徐々に大きくなって突如弾けた途端。身体をビクビクと震わせ軽く仰け反りながら達してしまったのだ。
そして次の瞬間。
王太子殿下の予想どおり僕の身体はいともあっさりと元通りの状態に戻っていた。
しかし、いつも自分でする時よりも格段に深い快感の余韻が内側に燻っているせいか、男の身体に戻ってもその熱がなかなか治まらず、結果僕の身体は一ヶ所だけ平常時と違う反応を見せたままだ。
「キミのココ、まだ満足出来てないみたいだけどお手伝いしようか?」
「ぁ…んッ」
浅ましい反応を見せている性器を軽く撫でられ、身体から一気に力が抜ける。
「男の身体でも良い反応するね。ついでだからこっちもスッキリしとく?」
まるでどこかに遊びに行くような誘い文句に突如我に返った僕は、慌てて両手で股間を隠した。
「後は自分でどうにかしますから、とりあえず出ていって下さい!」
まだ椅子に縛られたままという情けない格好のまま必死にそう訴えたのだが……。
王太子殿下は何故か面白そうに笑みを深めただけだった。
「んッ……」
意外と体温の低かった王太子殿下の指が、敏感な部分を掠めた瞬間、思った以上の衝撃が全身を駆け抜ける。
思わず身体を固くする僕に、後ろにいるカイル様が心配しなくていいよとばかりに頭を撫でてくれた。たったそれだけことで随分と落ち着いた気持ちになれるから不思議だ。
僕は一刻も早くこの恥ずかしい状況を終わらせるために身体の力を抜くと、王太子殿下から与えられる感覚に意識を集中させることにした。
王太子殿下の指先が何度も割れ目の辺りを往復する度に、少しずつクチクチという粘着質な音が大きくなっていく気がする。
それに比例するように、僕の口からも抑えきれない声が溢れだす。
「ん…ぅ…、ふぅ…、はぁ…、ぁ…ん…ッ…」
自分の身体の反応も、この鼻にかかったような媚びた喘ぎ声も全てが恥ずかしい。それなのに王太子殿下は僕がどう思っているかなどお構い無しにその敏感な部分を容赦なく指先で弄んだ。
「ちゃんとここの感覚はあるみたいだし、濡れ方も一緒。完全に女の子の身体だね」
そんな報告をされても今の僕が正しく理解できる筈もない。むしろ何度かその部分を往復しているうちに、痺れるような甘い感覚と共にクチュクチュという濡れた音が大きく聞こえてきたことで、自分がどういう状態になっているのかを否応にも認識させられた僕は真っ赤になって俯いた。
「恥ずかしながらなくていいよ。ここ撫でられると気持ちいいのはわかってるから。むしろそう感じてくれないと困る」
その言葉に少しだけホッとしていると、王太子殿下の口元に明らかに面白がっているのだとわかるような笑みが浮かんだ。
何だろう?嫌な予感しかしないけど、その事を深く考える余裕もない。
「ねぇ、ぶっちゃけ男の時と比べてどっちが気持ちいい?」
どっち……?
霞みがかかったような頭でぼんやり考えていると。
「フェリクス様」
背後にいるカイル様が咎めるように王太子殿下の名前を呼んだことで、僕は自分が雰囲気に流されてとんでもなく恥ずかしいことを言わされそうになっていたことに気付いた。
思わず王太子殿下に非難するような視線を向けてしまったが、向こうに非があるのだから大目にみてもらえるだろう。
「ゴメン。これは単なる興味本位。どっちも経験出来る人なんて初めて会ったからさ。お詫びにすぐに終わらせてあげるね。
──カイル、手が止まってるよ」
王太子殿下の指摘にカイル様も動きを再開させる。
その結果、上と下を同時に攻められた僕は訳がわからないまま急激に快感を引きずり出されていき。
「んーーーッ!」
じわじわと何かがせり上がってくるような感覚が徐々に大きくなって突如弾けた途端。身体をビクビクと震わせ軽く仰け反りながら達してしまったのだ。
そして次の瞬間。
王太子殿下の予想どおり僕の身体はいともあっさりと元通りの状態に戻っていた。
しかし、いつも自分でする時よりも格段に深い快感の余韻が内側に燻っているせいか、男の身体に戻ってもその熱がなかなか治まらず、結果僕の身体は一ヶ所だけ平常時と違う反応を見せたままだ。
「キミのココ、まだ満足出来てないみたいだけどお手伝いしようか?」
「ぁ…んッ」
浅ましい反応を見せている性器を軽く撫でられ、身体から一気に力が抜ける。
「男の身体でも良い反応するね。ついでだからこっちもスッキリしとく?」
まるでどこかに遊びに行くような誘い文句に突如我に返った僕は、慌てて両手で股間を隠した。
「後は自分でどうにかしますから、とりあえず出ていって下さい!」
まだ椅子に縛られたままという情けない格好のまま必死にそう訴えたのだが……。
王太子殿下は何故か面白そうに笑みを深めただけだった。
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