セカンドライフ!

みなみ ゆうき

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本編

22.交渉しました!

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久しぶりの解放にかなり満足した俺の視線の先には、すっかり臨戦体勢となった颯真のモノが見える。

完全に勃ちあがっている状態ならば、そのまま最後までいかなければ気分的にも収まりがつかないだろう。

俺も男なのでここで止められたらかなり辛いのはわかっている。

……のだが、正直言って気が進まない。


幼馴染の颯真との友情が壊れそうで、とか、男同士でそんなことするのは間違っている、などという真っ当な言い訳じみた理由からではなく、単に一回イカされた後の俺が所謂『賢者タイム』に突入してしまっただけの話なのだ。

東條のように相手を正気にさせることなく翻弄した挙げ句、有無を言わせず本番に突入してくれれば、俺としてもすんなり受け入れられたのだと思うが、今となってはもう遅い。


いくら経験がそれなりにあると言っても所詮は高校生。

哀しいが、本当に慣れている大人にはかなわないということだ。


俺と関係を持っていたお姉様方もこういう気持ちを抱いていたのではないかと考えると、余計に自分の息子が役に立たなくなりそうな気がする。

俺は別に下手な訳じゃなかったと思うし、若いということにも利点があるからこそ、彼女たちは俺と身体のお付き合いをしてくれていたのだろうと思いたい。

俺はまたしても自分の黒歴史を思い出す羽目になり、思わず内心苦笑いしてしまった。


俺がそんなことを考えているとは思いもしない颯真は、じっと俺を見つめながら、縋るような視線を向けてきている。


「……挿れていい?」


そう聞きながら、俺の内腿をさわさわと撫でていく。


さすがに俺も自分だけ満足して終わりというのもあんまりなのは承知しているので、少しだけ考えた結果、折衷案を提示してみることにした。

しかし結果を自分の希望に近づけるためには、まず相手が飲めない条件を突き付けてから、徐々に本来の目的まで譲歩したように見せかける必要がある。

当然最初の条件がすんなり通るのなら言うことなしなので、多少無理なことでもダメ元で言ってみるだけの価値はある。


「無理。挿れんのはナシ」

「えぇ~!?今更それはねぇだろ」


颯真から不満の言葉が出るのは当然で、それは俺としても当然折り込み済みだから問題ない。

本当の事を言えば、最初はそういう可能性も込みでOKしたのだが、途中から事情が変わってしまったのだ。

──主に俺の気持ちの問題で。


俺はわざとらしくため息を吐くと、颯真のモノに手を伸ばす。


「……しょうがねぇな。俺だけイカされて終わりってのも気分わりぃし、お前もちゃんとイカせてやるよ」


恩着せがましくそう言いながら、手のひら全体で包み込むように撫でると、颯真のモノがピクリと跳ねた。

俺は膝立ちになった颯真の前に膝をついて前屈みになると、あざといのは承知の上で上目遣いで颯真に選択を迫った。


「手と口どっちがいい?」


どっちと聞きながら、俺は颯真の屹立を手で扱き始める。


「……フェラしてくれんの?」


颯真の問いかけに俺は無言のまま颯真のモノに顔を近づけ、返事の代わりに舌で先端をペロリと舐めた。


「……仕方ねぇか。いきなりは無理だよな」


颯真はある意味あきらめがついたらしく、舌での奉仕を始めた俺の髪を優しい手付きで撫でてきた。


俺は颯真のモノに手を添えながら、裏筋から括れの部分にかけてゆっくりと舌を這わせていく。

そのまま何度かぐるりと亀頭を舐め回した後、先端部分を丁寧に舐めてから、歯が当たらないようにして大きく咥え込んだ。

颯真のモノは身体のサイズに見合った大きさのため、口で奉仕するといってもなかなかに大変な作業だ。

根元まで咥えることなど到底不可能なので、先端部だけ口で刺激しながら、納まりきれない部分は手で扱いて刺激していく。

そうしているうちに颯真の先端からは先走りの滴が出てきたらしく、俺の舌はその独特の味を感知し始めた。

不味いというほどではないが、好んで味わいたいとは思えないその味は、颯真が感じてくれているのを俺に教えてくれている証だ。

どんな表情をしているのか気になりチラリと見上げると、颯真は眉間に皺を寄せ、少しだけ切なそうな顔で俺を見ていた。

俺はその顔を見て、まるで俺が快感で颯真を支配しているような気分にさせられる。

興が乗った俺が、そのまま颯真から目を離さずに少し深めに咥えてやると、颯真は益々眉間の皺を深めてきた。

俺は舌を動かして括れを舐めながら必死に頭を動かすと、それと同時に陰茎部分を刺激している手も同じ速度で上下に動かす。


何度かその動きを繰り返していると、颯真のモノは益々硬く張りつめていき、限界が近いことを俺に教えてくれた。


「……イッてい……?」


少し掠れたような声でそう言った颯真に、俺は微かに頷きながら煽るようにしてピッチを早めていく。


「イクぞ」


颯真はそう呟くとすぐに、俺の口内に青臭い液体を注いできた。


「…ん…っ」


俺は突然感じた未知の味に驚いて思わず声を出してしまったが、颯真が全て出し終えるまでは口と手による刺激を与え続けた。

少しして颯真のモノが硬度を失い始めた頃、ゆっくりと口を離して身体を起こす。

口内にあるものは颯真の目の前で吐き出すのもなんなので、仕方なくそのまま飲み込んだ。

不味いことには変わりはないが、喉を通らないほどでもない。


するとそ様子を見ていたらしい颯真が、なんだか知らないが急に焦り始めた。


「飲むなよ!」

「は?」

「早く口、ゆすいでこい!」


颯真の勢いに圧され、俺は濡れた身体のまま洗面台に行き、軽くうがいをしてからバスルームに戻った。


すっかり身体が冷えた俺は、シャワーを浴び直していた颯真を横目に見ながらバスタブに直行した。

保温された状態のお湯は先程と変わりなく温かいままで、俺はゆったりと足を伸ばして肩まで浸かりながら漸くひと心地ついていた。

目を瞑ると眠ってしまいそうなほどに気持ちがいい。


シャワーをとめた颯真は、そんな俺を見てさすがにこのままではマズイと思ったのか、声をかけてきた。


「光希、寝るなよ。上がるぞ!」

「……んー。もうちょっと」


俺が半分寝そうになりながらそう答えると、いきなり腕を掴まれて半ば無理矢理引き上げられてしまった。

気持ちのよい時間を邪魔され、思わず恨みがましい視線を颯真に向けてしまう。


「そのもうちょっとの間に寝るだろうが。こんなところで寝てたら溺れるぞ」


尤もな忠告に俺は渋々頷き、颯真に腕を引かれてお湯から出た。

こうなったら身体が睡眠を欲しているうちに、さっさとベッドに入るしかない。

そう考えた俺が、バスルームから出ようとした時、またしても颯真に腕を掴まれた。


「あ?何だよ?」


眠いせいで最早不機嫌さを隠そうともしない俺は、そう言って颯真を軽く睨み付けたのだが、当の本人はまるで意に介した様子はないようで、何故かニッコリと笑いかけられた。


──その途端、俺の背筋に悪寒が走る。


颯真の笑顔が黒く感じられるのは俺の気のせいだと思いたい。

しかし無情にもそれが気のせいなどではなかったことをすぐに思い知らされた。


「まだ終わりじゃねぇぞ。会長の件まだ聞いてないよな?」


その言葉に俺の眠気は一気にに吹き飛んだのだった。

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