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6、二人、腹を割ってみる。その一
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団長に引っ越しの為に2日休みを貰ってから、今日は2日目である。昨日は午前中フェリクス様を砦内部案内して回ろうとしたのだが、何処へ行っても女性が群がって思う様に進まなかったので、私は砦内部の地図を見せてあっさりと説明を終えた。後は行きたい所が有ればその都度案内する様にした。手作りの地図は中々の好感触で、フェリクス様へ進呈する羽目になった。
まあ、私はすっかり覚えているから良いのだけども。
「今日は町へ行く」
「却下です」
早朝、部屋前で集合したら、これだ。
私は昨日の大変さでつくづく悟ったのだ。フェリクス様付き従者とはいえ、甘い顔して何でも言う通りに砦内で姿を晒していると、私が砦の女全員に恨まれる。なので、フェリクス様には自重して頂くのだ。
「む。何故だ。魔道具修理の道具が足りぬから、買いに行きたいと……」
「どなたかに頼んで下さい。一昨日命狙われてたくせにほいほいと出歩かないで下さい。私では傷を治せても戦えません! 」
「戦えぬとはまた謙遜を。まあ、今まで護衛など有って無い様なものだった。心配は要らん」
「あれを見せられては同行する私は不安でしかありませんからね? この『歩く爆心地』!! 」
そう言うと、何が楽しいやらフェリクス様は笑い出した。いや、笑い事では無い。彼の魔法は凄いのだろう。けれど、魔力枯渇で倒れられては叶わない。
「ならば護衛を雇おう。誰か信頼の置ける者はおらんのか」
「私と親しくしてくれる者は皆非力な女性達ばかりです。男性は特に……」
「何だ、団長と副団長とは仲が良さそうだったが」
「あれは顔見知りなだけで、親しい訳では……」
寧ろ毎度説教されているからとは言えない。
「しかし、商売道具が無ければ意味が無い。素材も欲しいし、他に見たい物もあるのだ」
「昨日辺境伯邸から荷物が届いてたじゃないですか。何が足りないのですか? 」
「あんな物、当座の服と金。魔道具修理の道具は最小限しか持って来ていない。いつどこで狙われるか分からない状態だったからな。従者達も襲われる可能性があった。その状態ではそんなに持ち出せん」
「……では、団長へ相談してみましょう」
「何だ良いのか? 」
「そんなお話を聞かされては、買いに行くしかないじゃないですか。それに下手にその辺の騎士を雇っても危ないですから。団長室へ参りましょう」
行きたくは無いけれど、私達は団長室へと向かう事にした。
団長室付きの文官に通して貰い、私達は中一日振りに団長と対面する。
「……辺境伯領の町ですか? まあまあ商店は揃ってるかと思いますが……良いでしょう。副団長を付けます」
「これは有り難い。宜しくお願い致します」
「……何だか面映ゆいですね……」
「そうですか? 親兄妹に城の重鎮達にはこんな口調でしたから、慣れたものです。ジェラルド殿も慣れですよ、慣れ」
「そうですね、私も腹を括りましょう」
団長の言葉に、フェリクス様は満足そうに頷いた。
団長の計らいで直ぐに馬車を用意するとして、私達は団長へお礼を言い、団長室を後にした。
「ところで、リサ」
「何でしょう、フェリクス様」
「服はそれで行くのか? 」
服……焦げ茶のワンピースにクリーム色のカーディガン。調合用の白衣を着ていないだけのシンプルな服装だ。町へ行くなら問題の無い筈。
「可笑しいです? 庶民はこんなものですよ」
「リサ。庶民だからと言ってお洒落をしてはいけない決まりなど無いし、私の従者であるのならそれなりの服装をして欲しい」
「……仰りたい事は分かりますが、手持ちの物だとこれが一番マシなのです。後は灰色と紺色と……」
何なら私を置いて行ってくれても……それは無理でしょうけれど。
「まあ、リサは付いてくればよい。お陰で町へ行くのが楽しみになって来た」
「何故そうなるのですか……」
フェリクス様の無駄なやる気が、嫌な予感しかしないのは何故なのだろう。私達はそのまま、外へと足を踏み出した。
「えっ!! 副団長が御者をされるのですか?! 」
馬車停めへ着くと、ちょっと崩した普段着で現れた副団長御自ら御者などを申し出てくれた。とても有り難い以上に申し訳なさ過ぎる。けれど、私は御者が出来ない。
「勿論そのつもりで来たからね。気にせず行きましょう」
私は今後自身の薬屋開店の為に、御者を覚えないといけないなと痛感した。荷物も運ぶし、何より当分フェリクス様の従者だ。従者は御者も出来る者の方が多いだろう。覚えて損はない。
早速出発した馬車の中、一昨日振りに私達は向かい合って座っている。
「さて、リサ。一昨日の事だが……」
「フェリクス様には誠に申し訳無く、どうぞ平にご容赦下さいませ! 」
私は直ぐに座った状態で、膝に顔を擦り付ける勢いで頭を下げた。
「……何故そんなに頭を下げる」
「はっ! 私が小高い場所から確認もせずに街道へ降りてしまったせいで、フェリクス様の背中を……その、踏み付けてしまったからです! 」
「はぁ?! 」
「私も足を乗せて思ったのです。これは『人』だと。しかし、気付いた時には既に遅く、私はあれよあれよと簀巻きにされてしまい、剰え気を失ってしまい……まさかフェリクス様を足蹴にしていたとは……っ! 」
私はフェリクス様の言葉を待った。いくらバレていたとは言え、なあなあにしておく訳には行かない。きちんと謝罪を受け入れて欲しかった。
「……顔を上げろ。別に罰せぬ」
「……罰は従者をするというので返しております」
「お前……。大体、俺は踏み付けられたのなど知らん! 何をやってるんだお前はっ? 俺以外だったら脚の一つや二つ折られても文句は言えないぞっ?! 」
そこで私は初めて顔を上げた。
「えっ?! えええっ?! だって、上着……」
「大方、森の中で使った汚れたハンカチを間違えて使ったのだろうと思っただけだ! 」
「そこまでうっかりしませんよ! 」
「人を踏んでる時点でうっかりだこの馬鹿者っ」
正論過ぎて言い返せない。いや、普段の私はそこまでうっかりしていない。フェリクス様とは相性が悪いのだ、きっと。それか、誘導の魔法がかけられていたに違いない。
「言っただろう? 『罠』は気を失っていないと発動しない。と言う事はあの時俺は確かに意識が無かった。情け無い事にな」
「正に死体に鞭打つ所業……申し訳……ございません」
「まだ死んでたまるか。……わざとか? 」
「滅相も無い! 」
慌てて首を振る。
つまり何だ、私は言わなくても良い罪をほいほいと独白してしまったと言う事で……何だこれは。踏んづけた事実と同等に恥ずかしい。逃げ出したい。
「まあ良い。こんな話をする予定では無かったからな。お互い自己紹介をしたいと思ったんだ」
「自己紹介……? 」
「どうして俺が命を狙われているのか知らずに、従者は出来ないだろう? 」
「まあ、確かにそうですね」
「それと、何故その魔道具を使っているのか、説明を命ずる。素顔の分からぬ者に、信頼など置かないだろう? 違うか? 」
「……えっ? 」
私のか細い声は、馬車の車輪に掻き消されたのだった。
まあ、私はすっかり覚えているから良いのだけども。
「今日は町へ行く」
「却下です」
早朝、部屋前で集合したら、これだ。
私は昨日の大変さでつくづく悟ったのだ。フェリクス様付き従者とはいえ、甘い顔して何でも言う通りに砦内で姿を晒していると、私が砦の女全員に恨まれる。なので、フェリクス様には自重して頂くのだ。
「む。何故だ。魔道具修理の道具が足りぬから、買いに行きたいと……」
「どなたかに頼んで下さい。一昨日命狙われてたくせにほいほいと出歩かないで下さい。私では傷を治せても戦えません! 」
「戦えぬとはまた謙遜を。まあ、今まで護衛など有って無い様なものだった。心配は要らん」
「あれを見せられては同行する私は不安でしかありませんからね? この『歩く爆心地』!! 」
そう言うと、何が楽しいやらフェリクス様は笑い出した。いや、笑い事では無い。彼の魔法は凄いのだろう。けれど、魔力枯渇で倒れられては叶わない。
「ならば護衛を雇おう。誰か信頼の置ける者はおらんのか」
「私と親しくしてくれる者は皆非力な女性達ばかりです。男性は特に……」
「何だ、団長と副団長とは仲が良さそうだったが」
「あれは顔見知りなだけで、親しい訳では……」
寧ろ毎度説教されているからとは言えない。
「しかし、商売道具が無ければ意味が無い。素材も欲しいし、他に見たい物もあるのだ」
「昨日辺境伯邸から荷物が届いてたじゃないですか。何が足りないのですか? 」
「あんな物、当座の服と金。魔道具修理の道具は最小限しか持って来ていない。いつどこで狙われるか分からない状態だったからな。従者達も襲われる可能性があった。その状態ではそんなに持ち出せん」
「……では、団長へ相談してみましょう」
「何だ良いのか? 」
「そんなお話を聞かされては、買いに行くしかないじゃないですか。それに下手にその辺の騎士を雇っても危ないですから。団長室へ参りましょう」
行きたくは無いけれど、私達は団長室へと向かう事にした。
団長室付きの文官に通して貰い、私達は中一日振りに団長と対面する。
「……辺境伯領の町ですか? まあまあ商店は揃ってるかと思いますが……良いでしょう。副団長を付けます」
「これは有り難い。宜しくお願い致します」
「……何だか面映ゆいですね……」
「そうですか? 親兄妹に城の重鎮達にはこんな口調でしたから、慣れたものです。ジェラルド殿も慣れですよ、慣れ」
「そうですね、私も腹を括りましょう」
団長の言葉に、フェリクス様は満足そうに頷いた。
団長の計らいで直ぐに馬車を用意するとして、私達は団長へお礼を言い、団長室を後にした。
「ところで、リサ」
「何でしょう、フェリクス様」
「服はそれで行くのか? 」
服……焦げ茶のワンピースにクリーム色のカーディガン。調合用の白衣を着ていないだけのシンプルな服装だ。町へ行くなら問題の無い筈。
「可笑しいです? 庶民はこんなものですよ」
「リサ。庶民だからと言ってお洒落をしてはいけない決まりなど無いし、私の従者であるのならそれなりの服装をして欲しい」
「……仰りたい事は分かりますが、手持ちの物だとこれが一番マシなのです。後は灰色と紺色と……」
何なら私を置いて行ってくれても……それは無理でしょうけれど。
「まあ、リサは付いてくればよい。お陰で町へ行くのが楽しみになって来た」
「何故そうなるのですか……」
フェリクス様の無駄なやる気が、嫌な予感しかしないのは何故なのだろう。私達はそのまま、外へと足を踏み出した。
「えっ!! 副団長が御者をされるのですか?! 」
馬車停めへ着くと、ちょっと崩した普段着で現れた副団長御自ら御者などを申し出てくれた。とても有り難い以上に申し訳なさ過ぎる。けれど、私は御者が出来ない。
「勿論そのつもりで来たからね。気にせず行きましょう」
私は今後自身の薬屋開店の為に、御者を覚えないといけないなと痛感した。荷物も運ぶし、何より当分フェリクス様の従者だ。従者は御者も出来る者の方が多いだろう。覚えて損はない。
早速出発した馬車の中、一昨日振りに私達は向かい合って座っている。
「さて、リサ。一昨日の事だが……」
「フェリクス様には誠に申し訳無く、どうぞ平にご容赦下さいませ! 」
私は直ぐに座った状態で、膝に顔を擦り付ける勢いで頭を下げた。
「……何故そんなに頭を下げる」
「はっ! 私が小高い場所から確認もせずに街道へ降りてしまったせいで、フェリクス様の背中を……その、踏み付けてしまったからです! 」
「はぁ?! 」
「私も足を乗せて思ったのです。これは『人』だと。しかし、気付いた時には既に遅く、私はあれよあれよと簀巻きにされてしまい、剰え気を失ってしまい……まさかフェリクス様を足蹴にしていたとは……っ! 」
私はフェリクス様の言葉を待った。いくらバレていたとは言え、なあなあにしておく訳には行かない。きちんと謝罪を受け入れて欲しかった。
「……顔を上げろ。別に罰せぬ」
「……罰は従者をするというので返しております」
「お前……。大体、俺は踏み付けられたのなど知らん! 何をやってるんだお前はっ? 俺以外だったら脚の一つや二つ折られても文句は言えないぞっ?! 」
そこで私は初めて顔を上げた。
「えっ?! えええっ?! だって、上着……」
「大方、森の中で使った汚れたハンカチを間違えて使ったのだろうと思っただけだ! 」
「そこまでうっかりしませんよ! 」
「人を踏んでる時点でうっかりだこの馬鹿者っ」
正論過ぎて言い返せない。いや、普段の私はそこまでうっかりしていない。フェリクス様とは相性が悪いのだ、きっと。それか、誘導の魔法がかけられていたに違いない。
「言っただろう? 『罠』は気を失っていないと発動しない。と言う事はあの時俺は確かに意識が無かった。情け無い事にな」
「正に死体に鞭打つ所業……申し訳……ございません」
「まだ死んでたまるか。……わざとか? 」
「滅相も無い! 」
慌てて首を振る。
つまり何だ、私は言わなくても良い罪をほいほいと独白してしまったと言う事で……何だこれは。踏んづけた事実と同等に恥ずかしい。逃げ出したい。
「まあ良い。こんな話をする予定では無かったからな。お互い自己紹介をしたいと思ったんだ」
「自己紹介……? 」
「どうして俺が命を狙われているのか知らずに、従者は出来ないだろう? 」
「まあ、確かにそうですね」
「それと、何故その魔道具を使っているのか、説明を命ずる。素顔の分からぬ者に、信頼など置かないだろう? 違うか? 」
「……えっ? 」
私のか細い声は、馬車の車輪に掻き消されたのだった。
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