21 / 23
二章・魔界ファーステリア編
止まぬ暴走
しおりを挟む
「ーー遺言はあるか?」
武器を忘れ、ジャキっと二つの刃〈終焉の双刃〉を向けられ、いよいよリィールに殺られると思いつつ彼はゴクリと生唾を飲み込みます。
そんな時でした。
「〈迅雷〉!」
その叫び声と共に彼らと彼女の目の前に大きな電流が走ったと思うと目の前には自身の身長程に大きい大剣を持った魔人スクルドと龍人ドラグニルことドランが立っていました。
「陸斗殿、鈴殿大丈夫ですか?」
「あ、あぁ……てか一体どこから……」
「リィール様の魔力を感じ取ったので直ぐに戻ってきて、道中倒れていた傷だらけの方を保護しここに来ただけでございます」
「それに今のリィールはちぃと危険だからな。お前らだとすぐに死んじまう。つーわけでリィール。俺らが相手だ」
ドランが言った傷だらけの方というのは恐らく魔力暴走し、先程一瞬にして瀕死に追いやられたあの緑光線の人だろうとわかります。
しかしその人を保護するまでの余裕があり、まるでこのことに慣れているかの如く……いや事実彼らはリィールの“暴走”を幾度となく止めたり、魔力暴走者を保護することに慣れてしまっています。だからこそ、冷静に行動でき、殺気に当てられても平気なのです。
「とりあえず詳しいことは後ほどお話致しますのでここでお待ちくださいませ。ものの数分で終わりますゆえ」
「……ほう、数分で我を止めるとな。いいだろうまとめて我が血肉の糧となれ!」
その言葉が戦闘開始の合図となりますが、陸斗達が近くにいるためドランはすかさず転移魔法で数十メートル程先にリィールとスクルドを転移させてから、陸斗達に律儀に挨拶を交わし戦闘に参加しました。
流石に何が起こっているのか思考が追いつかない彼らは唖然と口を開け驚くことしかできませんでした。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「そんなものか魔人!」
転移後先にしかけたのは初代魔王リィールでした。
両手に持った剣をなんの躊躇もなしにスクルドに一撃、二撃、三撃ととても重たい攻撃を華麗な剣さばきで、繰り出していたのです。
その重さは一撃あたり一トンクラスの重撃。それなのにも関わらず彼は大剣の腹の部分で全ての攻撃を受け止めます。しかし相手は一トンの重撃。防げは防ぐ程身体への負担は大きく、地面が重さによりグンッグンッと攻撃の度に地震ににた揺れと共にクレーターを作り大きくさせています。
「どうした魔人!早う反撃せんと沈むぞ!」
四撃
五撃
六撃
彼女の攻撃は止まることを知らず金属と金属がぶつかり合う音が淡々と鳴り響く中、重撃を防ぎ続けるスクルドは額に汗を滲ませつつ余裕な表情を浮かべていました。
まさにリィールの攻撃全てを地面へと受け流しているかのように。
否、ようにでは無く本当に受け流しています。どれだけ重たい攻撃も大剣が受け止め、衝撃を避雷針かのように地面へと受け流しているのです。
だからこそ余裕な表情を浮かべ、ある“タイミング”を測っているのです。
「余裕の顔を浮かべるか……ならばこれはどうだ!はあっ!」
七撃
八撃
九撃
十撃……二十撃
更に重たく早い攻撃がスクルドの大剣を襲いますが彼の大剣は非常に固く一振倍の重さとなった重撃おも防ぎ続けます。また、その衝撃も少しはスクルドに蓄積するものの殆どが地面へと流されてるためやはり余裕な表情を浮かべています。
「くっ!キリがないな……」
刹那の二十連重撃を全て防ぎ切ったもはや盾と言える大剣は今の攻撃で熱を持ったのか大剣の腹部分が赤く染っていました。
「もう終わりかリィール」
「……あぁ、そうだな……これで終わりだ!」
今度は正面からではなく背後に回り攻撃を仕掛けようとしています。流石にスクルドもそれには対応できず、リィールが振りかぶる剣が彼に当たりそうになったその刹那。バシッと鞭のような音と共にリィールの体に巻き付くように簡単には外れそうもない鎖が完全に身動きを封じたのです。
「やはり無詠唱は苦手でございます……」
「待ちくたびれたぜドラン」
「すいません。ですがあとはーー」
「フッ……ハッハッハ!これで本当に我を止めることが出来たというのか!実に面白いぞ龍人!」
身動きを封じ、ようやく決着が着いたと思いきや、鎖の拘束をいとも簡単に破壊され、やはりリィールは危険で、そう簡単には戦闘は終わらないとその場に緊張が走りました。
武器を忘れ、ジャキっと二つの刃〈終焉の双刃〉を向けられ、いよいよリィールに殺られると思いつつ彼はゴクリと生唾を飲み込みます。
そんな時でした。
「〈迅雷〉!」
その叫び声と共に彼らと彼女の目の前に大きな電流が走ったと思うと目の前には自身の身長程に大きい大剣を持った魔人スクルドと龍人ドラグニルことドランが立っていました。
「陸斗殿、鈴殿大丈夫ですか?」
「あ、あぁ……てか一体どこから……」
「リィール様の魔力を感じ取ったので直ぐに戻ってきて、道中倒れていた傷だらけの方を保護しここに来ただけでございます」
「それに今のリィールはちぃと危険だからな。お前らだとすぐに死んじまう。つーわけでリィール。俺らが相手だ」
ドランが言った傷だらけの方というのは恐らく魔力暴走し、先程一瞬にして瀕死に追いやられたあの緑光線の人だろうとわかります。
しかしその人を保護するまでの余裕があり、まるでこのことに慣れているかの如く……いや事実彼らはリィールの“暴走”を幾度となく止めたり、魔力暴走者を保護することに慣れてしまっています。だからこそ、冷静に行動でき、殺気に当てられても平気なのです。
「とりあえず詳しいことは後ほどお話致しますのでここでお待ちくださいませ。ものの数分で終わりますゆえ」
「……ほう、数分で我を止めるとな。いいだろうまとめて我が血肉の糧となれ!」
その言葉が戦闘開始の合図となりますが、陸斗達が近くにいるためドランはすかさず転移魔法で数十メートル程先にリィールとスクルドを転移させてから、陸斗達に律儀に挨拶を交わし戦闘に参加しました。
流石に何が起こっているのか思考が追いつかない彼らは唖然と口を開け驚くことしかできませんでした。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「そんなものか魔人!」
転移後先にしかけたのは初代魔王リィールでした。
両手に持った剣をなんの躊躇もなしにスクルドに一撃、二撃、三撃ととても重たい攻撃を華麗な剣さばきで、繰り出していたのです。
その重さは一撃あたり一トンクラスの重撃。それなのにも関わらず彼は大剣の腹の部分で全ての攻撃を受け止めます。しかし相手は一トンの重撃。防げは防ぐ程身体への負担は大きく、地面が重さによりグンッグンッと攻撃の度に地震ににた揺れと共にクレーターを作り大きくさせています。
「どうした魔人!早う反撃せんと沈むぞ!」
四撃
五撃
六撃
彼女の攻撃は止まることを知らず金属と金属がぶつかり合う音が淡々と鳴り響く中、重撃を防ぎ続けるスクルドは額に汗を滲ませつつ余裕な表情を浮かべていました。
まさにリィールの攻撃全てを地面へと受け流しているかのように。
否、ようにでは無く本当に受け流しています。どれだけ重たい攻撃も大剣が受け止め、衝撃を避雷針かのように地面へと受け流しているのです。
だからこそ余裕な表情を浮かべ、ある“タイミング”を測っているのです。
「余裕の顔を浮かべるか……ならばこれはどうだ!はあっ!」
七撃
八撃
九撃
十撃……二十撃
更に重たく早い攻撃がスクルドの大剣を襲いますが彼の大剣は非常に固く一振倍の重さとなった重撃おも防ぎ続けます。また、その衝撃も少しはスクルドに蓄積するものの殆どが地面へと流されてるためやはり余裕な表情を浮かべています。
「くっ!キリがないな……」
刹那の二十連重撃を全て防ぎ切ったもはや盾と言える大剣は今の攻撃で熱を持ったのか大剣の腹部分が赤く染っていました。
「もう終わりかリィール」
「……あぁ、そうだな……これで終わりだ!」
今度は正面からではなく背後に回り攻撃を仕掛けようとしています。流石にスクルドもそれには対応できず、リィールが振りかぶる剣が彼に当たりそうになったその刹那。バシッと鞭のような音と共にリィールの体に巻き付くように簡単には外れそうもない鎖が完全に身動きを封じたのです。
「やはり無詠唱は苦手でございます……」
「待ちくたびれたぜドラン」
「すいません。ですがあとはーー」
「フッ……ハッハッハ!これで本当に我を止めることが出来たというのか!実に面白いぞ龍人!」
身動きを封じ、ようやく決着が着いたと思いきや、鎖の拘束をいとも簡単に破壊され、やはりリィールは危険で、そう簡単には戦闘は終わらないとその場に緊張が走りました。
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。
もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです!
そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、
精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です!
更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります!
主人公の種族が変わったもしります。
他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので
そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。
面白さや文章の良さに等について気になる方は
第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

異世界英雄の学園生活~英雄に休息なんてありません~
パチ朗斗
ファンタジー
魔法が存在する世界リレイリア。その世界には人類の敵である魔王という者が存在した。その魔王はとてつもなく強く、人類は滅亡すると思われた。だが、たった一人の男がいとも容易く魔王を討伐する。その男の名はキョーガ。
魔王討伐という任務を終えたキョーガは自分の元住んでいた世界……"日本"に帰還する。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる