のほほん異世界暮らし

朝食と1日のスケジュールを考える

翌朝、まだ日が昇りきらない薄明かりの中、いつものように目を覚ました。外からは鳥たちのさえずりが聞こえ、どこか涼やかな空気が窓から流れ込んでくる。夏の終わりが近づいていることを肌で感じる瞬間だ。

ベッドを抜け出すと、シャズナとルシファンが僕の足元で丸くなって寝ているのが目に入る。シャズナは相変わらず優雅な姿勢で寝ていて、耳をピクピクと動かしながら夢の中にいるようだ。一方、ルシファンは少し仰向けになり、無防備な寝顔をさらしている。「どちらも安心しきってるなぁ」と思わず微笑んだ。

台所に向かい、いつものように朝食の準備を始めた。パン生地をこねながら、野菜スープの鍋に火をかける。朝から軽やかに過ごすには、手作りの温かいスープが一番だ。シャズナとルシファンも、こうした朝の香りに敏感で、すぐに目を覚ますのだろう。

案の定、スープが煮立ちはじめた頃、背後から小さな足音が聞こえてきた。振り返ると、ルシファンが「ちち！」と一声鳴いて僕の足元に駆け寄り、シャズナは少し眠たげな目をしながらその後ろからゆっくりとついてきている。

「おはよう、シャズナ。ルシファン」と声をかけると、ルシファンは元気よく尻尾を振りながら僕の足に体をすり寄せてきた。「本当に朝から元気だな」と思いつつ、手を止めて彼の頭を軽く撫でてやる。シャズナは「ふん」と短く鼻を鳴らしつつも、僕の近くに腰を下ろして静かに待っている。

「朝ご飯ができるまで、ちょっとだけ我慢しててくれよ」と言うと、ルシファンは「ち！」と返事をするかのように短く鳴きながらも、じっとしきれない様子で僕の足元をくるくると回る。その横でシャズナは冷静に「どうせすぐ食べられる」とでも言いたげな表情だ。

朝食を準備し終え、三人でテーブルを囲んでいると、外から柔らかな日差しが差し込んできた。シャズナはその光を浴びながら目を細め、どこか満足げに尻尾をゆっくりと揺らしている。一方でルシファンは朝のスープに夢中で、小さな舌を忙しなく動かしていた。

食事が終わると、少しのんびりする時間だ。シャズナは窓辺で体を丸め、ルシファンは僕の膝の上に飛び乗って甘える。僕は少し苦笑しながらも、そんな二匹の愛らしい様子に心が和らぐ。

「さて、今日は新しく整備したお茶畑の手入れをするか。それから、そろそろハロウィーンソフィも収穫の準備が必要だな」とスケジュールを頭の中で整理する。シャズナとルシファンも、今日の活動にきっとついてくるのだろう。朝の静かな時間を楽しみつつ、僕は二匹と共にまた一日を始める準備を整えた。