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158話

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「お兄さん。いえ……僕の愛する旦那様。僕のためにあんな危ないことをしてくれたんですよね。すごく嬉しかったですよ!だけど、あまり無茶をするのは良くないですからね!今後は気をつけてください」と言う
「あぁ……約束するよ。これから先 何があってもお前の側から離れないことと ずっと笑顔が絶えないように頑張ること……その二つだけは絶対に守るから安心して欲しい」と言うと優美は彼の腕を掴み胸を押しつけると
「私にも守って欲しいことがあります。それは いつまでも側にいること そして私を愛し続けることです!良いですね?」と言うので
「もちろんだ」と言い返した
(どんな勝負だ!?)
そんな二人を見た聖也は、仲の良いカップルだと思っており微笑んでいたのだが、聖斗が優斗を離すと聖也の元へ向かう どうやら優斗は聖也の元へと行ったのだ。
「聖哉!あの時は本当に助かった!感謝しても仕切れないくらいだ……本当ありがとう。」
「いや 大丈夫だよ。それより……聖斗。優斗を守ってくれてありがとう。俺からも礼を言う。それと 聖美のことよろしく頼んだぞ!」と伝えると聖斗は何も言わずに優斗の手を握る その行動に首を傾げていると突然聖美は顔を赤くしながら優斗を抱き締めてきたのである。
(えぇぇ……なんでいきなりこんなことしてきたんだよ……俺には聖那がいるっていうのに……これだと流石に理性を保てなくなる……頼むからやめてくれよ……)
そんなことを思いながらも我慢していたのだがとうとう限界が訪れてしまう 聖也に目線を向けるとそこには満面の笑みを浮かべた聖弥がいたので(あぁ ダメだ。もう無理だ……)そう思うとすぐにその場から離れた。だが、時すでに遅しであった。
そのまま優斗達の部屋に向かうのだが聖奈が待ち構えていたのである そして部屋に入ったと同時にベッドに押し倒された。
(くそぉぉ……どうして今日に限ってこうなるんだ?まだ朝だというのに……
まあいいか たまにはこういう日があってもいいか)
それから聖那に朝まで愛され続け疲れはしたものの幸せな気分で眠りについたのであった……
**
3人が寝静まる中……1人起きていた者がいた それは ギルド長 アルフォンスだったのである。彼はこの村の英雄として祭り上げられており 村長の『娘』の聖斗(え?あいつ男の娘だったよな)
と結婚しないかという話が進んでいたのである。だが本人は、自分のことは好きではないと思っていたために、この話は断っていたのだが 実は、彼のことが好きだということを知っていた。なぜなら彼は彼の弟子だからだ。
彼は才能がないと言われ続けたのにも関わらず諦めることなく、剣を学び続けてきた。そのため彼は、彼を見放すことなどできるはずがなかった。
(彼はこの世界の救世主であり希望なんだ……私がなんとかして助けてあげたいんだが……だが、このタイミングでこの話をしたら聖斗君の印象が悪くなってしまうかもしれないしどうしたものかな?)と考えていた そして考え抜いた末に出した答えは……聖奈と結婚することである。だが、彼がそのことに納得するかといえば……それは否である。だが……今は、そのことしかないと思いこの選択をするのだった ちなみにこの時はまだ知らなかった……この決断が彼を救うきっかけになるとは思わなかったのである 翌日になり目を覚ますと、優斗の様子がおかしい事に気づく……そういえば昨日の夜中に何かあったのかもしれないなと思い出しながらも声をかけることにした。
「優斗君……どうかしたの?」そう言うと聖奈が驚いた様子を見せるが気にせず続ける
「ねぇ……本当に大丈夫?顔色が悪いような気がするんだけど……」
「気持ち悪い……どうしたんだろ?……あ(そういや生理もきてない)」
そう言ってばたりと優斗が倒れる。
「優斗くん!?」
と叫び慌てて優斗のところに行くと、彼女は「お兄さん。起きてください……」と言いながら揺するが反応が無いので 仕方がなく聖奈を部屋に残して聖哉のところに駆けつける
「おい聖哉!!しっかりしろ!返事をしてくれ!」と体を揺らしている時に「う~ん」と反応したので意識はあるみたいだ。
とりあえず安心はしたが今度は、優斗の方が心配なのでそちらの方へと行くとアリシャ達はすでに起きているようで聖耶に抱きつくようにして寝ている聖耶を見ると優しく抱き寄せた
「ふぅ 可愛いなぁ 癒されるなぁ」と言うと頭を撫で始める それに気づいたのか2人はゆっくりと起き上がる
「お主 起きたのか」
「うん。まあね ところで聖那達は?」
と聞くと聖也に起こされたことを思い出す すると部屋の外からドタドタと足音が聞こえたので何事だと思って急いでドアを開けると 聖斗が走ってこっちに向かってきたので抱き抱える
「優斗。ちょっと待ってくれ。今抱きつくのは良くない」と言って落ち着かせると「優斗?大丈夫なのか……あ……その……あれは……そういう病気?」
検査の結果
妊娠と診断された。
(え?優斗が妊娠!?……まさか)
そう考えていると優美が「お兄さん!優斗さんを大事にしてあげないといけませんよ。優斗さんはお兄さんの子供を産んだら……死んじゃいますからね。ちゃんと考えてあげて下さいね。もし仮に死んだりした日には許しませんからね。それでは失礼します」
そう言われて考える。
優斗が死んだ場合のことだ……想像しただけで涙が溢れる……絶対にそれだけはできない!
(ならどうすればいい?どうするべきだ?俺は一体どうしたいと思っているんだ?)
そんな風に悩んでいるといつの間にか、聖那に抱きしめられていたのだ 聖那は「真司……大丈夫?辛そうな顔をしていたけど……」
聖也に相談した結果……優斗のことを優斗に任せると伝えると「任せて。俺なりに頑張ってみるさ。じゃあまた後で」と返されたので部屋を出て行った 真悟達が部屋を出た後聖也がやってくると「お前たち。少しの間部屋から出ていてくれるか?」と言う それに対して、二人はすぐに察しがついた。
(多分 優斗のことが好きなんだろう)と思う それから聖耶が聖那達に外に出てもらうように言うと、二人は素直に従った。その後、「あの時は本当に助かった。本当にありがとう。これからもよろしくな!」と聖也に頭を下げる すると聖也はすぐに顔を赤くなる
「別に……当たり前のことだから気にすんなよ。あと、俺と友達にならないか?」と聞かれたのと、自分のことを聖也と呼んでくれと言われた。
その言葉に対して嬉しく思いすぐに答える聖斗が落ち着いたのを見計らうと聖美は聖也を連れて、部屋に入ると二人きりになった
「お姉ちゃん。話ってなに?」と聞いてみると聖也は優斗に近づいてキスをする それを聖美が見ていると 聖弥はいきなり聖斗を押し倒してきた。
「お主 優斗と言ったか……私のものにしてやるぞ 大人しくしろ」
「やめて僕のお腹には聖也の赤ちゃんいるの」
「なんだ。嫌なのか?だったら……そうだな。この世界を滅ぼしてしまおう」と呟く 聖美はそれを聞くと 聖也を止める為に「わかったよ 私をあげるよ。でもお願いだからこの世界の人達には手を出すな!!」と叫んでいた。そしてそのまま犯されると何度も繰り返してしまう。しかし、彼女は幸せを感じていたのであった
**
しばらく経った頃聖耶の部屋にアリシャが訪れると優斗が苦しんでいたのを見て「聖斗。どうしたのじゃ?」
と心配しながら問いかける そこで真悟は優斗が妊娠していることを告げると、彼女達は驚く
(そういえば優斗のお姉さんのことは全然知らなかったよね。)
聖斗の姉の優香がどんな人だったのか知りたいと思い聞くことにした。まず聖斗から優斗の姉の話を聞く
「お前達の思っているような優しいお姉さんではない。俺が小さい時に両親を亡くしたせいもあって、かなり甘やかされまくったんだが……」と、そこから先はなかなか話そうとしない なので真哉が無理矢理口を開かせると
『優香が可愛くて仕方がない』とか言っていたが……本当はどうなんだろうと思ったがあまり深く詮索しなかった。だが、聖耶はその事を問いただして聖斗から『小さい時』に何を言われたかを詳しく聞いた。そしてそれが本当だとわかる
「聖耶。聖耶はどう思ってる?僕が死んだ場合の聖耶にとって大切な存在になるわけでしょ?僕に死んでほしくないでしょ」
と言われ 聖耶は何も言えない……聖美はそんな様子を伺いながら 何も出来ないのであった。
~ 一時間前 聖奈がトイレに行って帰ってくると
「あー!!もうお腹痛い。」
と言いながら、下腹部を抑え始めた。
なので慌てて駆け寄ると 聖奈の背中を摩る
「聖奈。痛いところはここ? どうして欲しい?なんでも言って」
と言うと聖奈が急に苦しみ始める
「聖奈。大丈夫?落ち着いて。ゆっくり息を吸って 吐いて」
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