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151話
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「次からは、ちゃんと考えて行動するんだぞ?」
「はーい……」
俺達は宿に戻った。
~~~~~~
「そういえば、お前ってなんの武器使ってるんだ?」
ふと疑問に思ったことを質問した。
「僕は、この剣を使ってるんだ♪」
「へぇ~見せてもらってもいいか?」
「もちろん!」
~~~~~
俺は、渡された剣を手に取ると、鑑定を発動させた。
『魔剣』:使用者によって形を変える不思議な剣。持ち主を選ぶ。
「これは……すごいな……」
「そうなの?」
「ああ……お前にぴったりだ……」
「やったー!」
優斗は飛び跳ねていた。
「それで……これからどうしますか?」
「そうだな……とりあえず、ギルドに行ってみるか……」
「分かりました……」
~~~~~~
ギルドに着くと、中は人で溢れかえっていた。
「すごい人ですね……」
「そうだな……」
しばらく待っていると、ようやく受付までたどり着いた。
「依頼を受けたいんですけど……」
「かしこまりました……こちらの依頼などどうでしょうか?報酬もかなり高いですよ」
1枚の依頼書を差し出してきた。
『依頼内容・街の近くに現れたモンスターの討伐』
「これお願いできますか?」
「分かりました……お気をつけて……」
「ありがとうございます」
俺達は宿に戻ることにした。
「どんな感じなんだ?」
「どんな感じとは?」
「強さとかだよ……」
「そうですね……恐らくですが、私達よりは強いと思います……」
「そうなのか……」
俺達が話していると、1人の男が話しかけてきた。
「あの~すみません……」
「どうかしましたか?」
「いや……道を聞きたくて……」
「どこに行きたいんですか?」
「えっと……この街の外れにある、小さな村なんですが……」
「それなら知っていますよ」
「本当ですか!よかった……」
男はホッとした表情を浮かべた。
「ええ……でも、どうしてそんなところに?」
「実は、そこに住んでいる友人に会いに行こうと思ってまして……」
「なるほど……ちなみにお名前は?」
「えっと……アベルと言います……」
「そうでしたか……では、頑張ってください……」
「はい!ありがとうございました!」
男は元気よく去って行った。
~~~~~~
翌日、俺達は街の外に来ていた。
「本当にここで合ってるのか?」
「はい……間違いないはずなんですが……」
俺達は周囲を見渡してみたが、特に変わった様子はなかった。
「どうする?もう少し奥の方に行くか?」
「いや……止めときましょう……」
「分かった……」
俺達は引き返すことにし、歩き始めたその時だった。
急に地響きが鳴り響いた。そして、目の前に大きな影が現れたのだ。
「おい……嘘だろ……」
それはドラゴンだった。
~零視点終了~
~優斗視点~ 僕達は巨大なドラゴンと対峙していた。
「こいつはヤバイんじゃない?」
「そうですね……」
2人は冷や汗を流しながら言った。
(こんなの相手に勝てるのかな?)
僕は不安になっていた。すると、後ろから声が聞こえた。
「大丈夫だ……俺がなんとかする……」
「え?」
振り向くと、そこには昨日会った男の人が立っていた。
「あなたは……」
「話は後だ……今はあいつを倒すぞ……」
「はい……」
「よし……行くぞ!」
そう言うと、彼は走り出した。
「グオオォ!!」
ドラゴンはブレスを放った。
しかし、それを軽々と避けた。
(凄い……)
その後も、次々と攻撃を避けていった。
(あれ……この光景どこかで見たことがあるような……)
「優斗さん!ぼーっとしてないで、援護するよ!」
「う、うん!」
僕は剣を構えた。
(まずは動きを止める)
僕は地面に向かって剣を振り下ろした。
すると、地面にヒビが入り、亀裂が広がっていった。
その隙に、レイラが魔法を唱えた。
「ライトニング!」
雷がドラゴンの頭上に落ち、爆発を起こした。
「今だ!」
彼が叫んだ。その瞬間、僕の体は勝手に動いており、剣を振り上げていた。そのまま勢いよく振り下ろすと、ドラゴンの首を切断した。
しかし、首だけになってもまだ動いていた。
「レイラ!」
レイラが前に出ると、両手をかざした。
すると、風が巻き起こり、ドラゴンを吹き飛ばした。
その瞬間、彼の手には黒い剣が握られていた。
「終わりだ……」
剣を横に振ると、衝撃波が発生し、ドラゴンを真っ二つにした。
「す、すごい……」
「まあ……こんなもんか……」
「あ、ありがとうございました……」
「いいってことさ……それよりも……」
そう言いながら、僕達の方に近づいてきた。
「お前達、なかなかやるじゃないか……」
「あ、ありがとうございます……」
「それで……お前ら、名前はなんていうんだ?」
「小此木優斗です」
「私は、レイラ・エルティです」
「そうか……俺はクシャラドだ」
「よろしくお願いします」
「ああ……ところでお前らはこれからどうするつもりなんだ?」
「えっと……とりあえず、この国を出て旅をしようかと……」
「そっか……じゃあ、もし困ったことがあったら言ってくれ。できる限り力になる」
「ありがとうございます!」
「おう!」
そう言って、彼は去っていった。
~~~~~~
「それにしても……あの人強かったね~」
「そうだな……かなりの強さだったな……」
「そうですね……一体何者なんでしょうか……」
僕達が話していると、誰かの声が聞こえた。
「見つけたぜぇーーーーーーーーーーーー!!!」
その声の主は、先程戦った男だった。
「久しぶりだなぁー!シルエルティーーー!!会いたかったぞぉーーーーーー!!」
「ひっ……」
「お、落ち着いてください……」
「これが落ち着けるかっての!!」
(なんか怖い人だな……)
「おい!てめえも来い!」
そう言うと、強引に腕を引っ張られた。
「ちょ、ちょっと待って……」
「うるせぇーーーーーー!!!」
「ひぃ……」
「おい……離せよ……」
すると、彼を止めてくれた。
「誰だてめえ?」
「俺か?俺は……」
「も、もしかして……アベル様ですか!?」
「お!よく分かったな!そうだ!俺がアベルだ!それでこっちは……」
「はい!シルエルです!覚えていますか?」
「おお!もちろんだ!大きくなったな~♪」
「お、おかげさまで……」
「そうかそうか!良かったよ!」
(なんだか楽しそうな人達だな……)
「それで、どうしてここに?」
「いや~実は、ある人物を追っているんだよ」
「そうですか……」
「それじゃあ、また会えたらいいな!それじゃあな!」
「はい!失礼します!」
アベル達は去って行った。
~~~~~~
「それにしても、アベルさんってどういう人だったんだろう?」
「さあな……」
「そういえば……シルエルさんがアベルさんの事を『アベル様』って呼んでたけど……」
「それは……俺達は小さい頃から一緒にいたからな……」
「なるほど……そういうことだったのか……」
「ああ……だから、あいつだけは絶対に許さない……」
「そうだったのか……」
僕達は宿に戻ることにした。
「もうすぐで着くぞ……」
「うん……」
「着いた……」
僕達は、村の入り口に立っていた。
「ここが目的地なのか?」
「ああ……」
「へ~どんなところなんだろう……」
僕は期待しながら、中に入って行った。すると、そこにはたくさんの花が咲いていた。
「わぁ……綺麗だ……」
「ここは、俺の大切な場所だ……」
「そうだったの……」
「俺の両親と妹が死んだ場所でもあるが……」
「え?」
僕は驚いていた。まさかそんなことが起こっているとは思っていなかったのだ。
「ど、どういうこと?」
「そのままの意味だ……」
「でも、その割には悲しそうじゃないよね……」
「悲しいさ……ただ、今は悲しみを乗り越えただけだ……」
「そう……なんだ……」
「まあ……とりあえず、ここでゆっくりしていこう……」
「うん!」
こうして、2人の旅が始まった。
2人は村の外れに来ていた。
「本当にここでいいんだな?」
「うん!間違いないよ!」
「そうか……ならいいんだが……」
「それより早く行こうよ!」
「ああ……」
そう言いながら、彼は歩き始めた。
(大丈夫かな?)
少し不安になりながらも、後を追いかけた。
~優斗視点終了~
~零視点~
「今日はここまでだ……」
「うん……」
「明日は、もう少し遠くまで行ってみるか……」
「分かった……」
「よし……寝るぞ……」
「お休み……って何するの!?」
「ん?何を言っているんだ?寝ないのか?」
「だって……同じ部屋だし……」
「それがどうかしたか?」
「恥ずかしいし……」
「そうか……まあ、俺は気にしないが……」
「僕が気になるんだけど……」
「そうか……じゃあ、好きにしろ……」
「う、うん……」
(やっぱりおかしい……)
そう思いながら寝ていたらお尻を揉まれる
「ちょ、零……くん」
「どうした?」
「どうしたって……その……当たってるし……」
「わざと当ててるんだが?」
「なんで?」
「お前を襲おうと思ってな……」
「え?……んぁ」
「可愛い声で鳴くんだな……」
「ち、違う……これは……」
「いいじゃないか……誰もいないんだし……」
「そ、そうだけど……」
「じゃあ、続けるぞ……」
「ダ、ダメだよ……こんなところで……」
「お前が誘ってきたんだろ?」
「違うぅ……ひゃ」
「ほら……もっと声を聞かせてくれ……」
「そ、そこはだめぇ……」
「ふっ……相変わらず弱いな……」
「だ、だって……」
「じゃあ、次はこっちだな……」
「そっちもらめぇ……あ……やぁ」
「そっかそっか……お前はこっちの方が好きなんだな……」
「ぁ……んぁ……ぁー……っ!!……んん!」
「もうイッたのか?」
「はぁはぁ……」
「……!……入れるぞ!」
「ちょっと待って……今敏感になってるから……」
「無理だ……我慢できない……」
「お願い……休ませてぇ……」
「いくぞ……」
「待ってぇ……まだイったばかりなのにぃ……」
「動くぞ!」
「待ってぇ……ほんとに……おかしくなっちゃう……」
「いいぞ……もっと乱れてみせろ……」
「零……くん……の……ばか……んん!」
「イクぞ!中に出すからな!」
「きて……僕の……奥に……いっぱい……ちょうだい!」
「……!……はぁはぁ……気持ちよかったか?」
「うん……凄かった……」
「そうか……なら良かった……」
「あのね……零君」
「なんだ?」
「僕、もう我慢できそうにないよ……」
「奇遇だな……俺も同じだ……」
「ねぇ……しよ?」
「ああ……」
~~~~~~
「腰痛ーい」
「大丈夫か?」
「全然大丈夫じゃないよ……」
「そうか……」
「でも、幸せ……」
「そうか……」
「ねえ……これからは毎日しようよ!」
「そうだな……」
~~~~~~
その後、2人は仲良く暮らしました。
~~~~~~
~優斗視点~
(あれ?なんか夢を見てたような気がするけど)
「腰痛ーい」
これだけは夢じゃないや。
~~~~~~
~零視点~
(また、あんな夢を見てしまった……)
「どうしたんですか?」
「い、いやなんでもない……」
(もしかしたら、あいつはもう死んでいるかもしれないな……)
「そうですか……あ、ご飯できてますよ!」
「ああ……」
(あいつが生きていることを祈ろう……)
~~~~~~
「零くんおはよう」
「ああ……」
(あいつが生きていれば、いつか会えるだろう……それまでは、この平和を守っていこう……)
こうして、2人の旅が始まった。
僕達は村を出発してから3日が経った。
そして、ようやく次の目的地に着いた。
「ここが目的地なのか?」
「ああ……ここで合ってるはずだ……」
「へ~」
僕は辺りをキョロキョロしていた。すると、突然声をかけられた。
「よう!久しぶりだなシルエル!!」
「アベルさん!?どうしてここに!?」
「いや、実はある人物を追っていてだな……」
「そうだったのですね……」
「それで、お前は何をしているんだ?」
「俺達は、ここから先にある村に向かっているんですよ……」
「そうなのか!じゃあ一緒に行くか!」
「いいですよ!」
「おお!そうか!ありがとう!」
(なんだか楽しそうな人達だな……)
「ところで、その人はどんな人なんだ?」
「えっと……優しい人でしたよ……」
(なんだか寂しそうにしてるな……)
「そうか……まあ、早く行こうぜ!」
「はい!」
~~~~~~
(まさか、ここで会うとは思わなかったな……)
~~~~~~
~優斗視点~
(やっぱり、零の知り合いだったんだな……それにしても、零の様子がおかしいな……)
「着いたぞ!」
僕達の前には大きな湖があった。
「綺麗だね!」
「そうだな……」
「それじゃあ、入るか!」
(え?マジで?)
「さあ!早く行こう!」
(仕方ないか……)
僕と零君は湖に入って行った。
(冷たい!)
「どうした?顔色が悪いが……」
「ちょっと寒いだけ……」
「そうか……」
(嘘です……超寒くて死にそうです……)
「おい!こっち来い!」
(え?どういうこと?まさか?)
『ザッブーン』
「ちょ、ちょっと零くん?何してるの?」
「お前が風邪をひくと思ってな……」
「それはありがたいんだけど、僕まで濡れちゃったじゃん……」
「そうか……」
「そうかって……」
「それより、お前もこっちに来てみろ!」
「え?なんで?」
「いいから、いいから」
「もう」
ちゃぷ
「え?温かいというか熱めのお湯だ」
「温泉だよ」
「温泉?」
「ああ、ここは俺達の村の名物なんだ」
「へ~知らなかったよ」
「俺も最初は驚いたよ」
「そうなんだ……」
「とりあえず、身体洗うか……」
「うん!」
~~~~~~
「ふぅ……温まったね」
「そうだな……」
「じゃあ、そろそろ出ようか……」
「ああ……」
(なんか、急に静かになったな……)
「ねえ……何かあったの?」
「いや、なんでもない……」
(絶対なんかあるよね……)
「そっか……」
(まあいっか……)
「よし、出るぞ……」
「う、うん……」
(あれ?零ってこんなに大きかったっけ?)
「どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ……」
(気のせいかな……)
「そうか……」
(やっぱり、なんか変な気がする……)
「ねえ……零?」
「どうした?」
「なんか変わった?」
(あれ?僕今なんて言った?)
「……!そんなわけないだろ?」
(ちょっと動揺したような……)
「そうか……」
「ほら、上がるぞ……」
「う、うん……」
(やっぱり、今日の零はどこか違う気がする……)
~~~~~~
「よし、飯にするぞ」
「はい……」
「どうした?」
「いえ……」
「そうか……」
(やっぱり、おかしい……)
~~~~~~ ~零視点~
(危なかったな……バレるところだった……)
~~~~~~
~優斗視点~
「ごちそうさまでした!」
「美味しかったよ!」
「そうか……」
「ねえ……」
「なんだ?」
「今日はもう寝よう?」
「そうだな……」
「お休みなさい」
「ああ……」
~~~~~~
~優斗視点~
朝起きると隣には零がいた。
「おはよう」
僕は零に声をかけた。
しかし返事はなかった。
(まだ、起きてないのか……)
僕は零の頬をツンツンした。
しかし、反応はない。
(どうしたんだろう……)
心配になったので、もう一度声をかけてみた。
しかし、やはり返答がなかった。
(大丈夫かな……)
そう思い、僕は零の手を握った。すると、突然手を握り返された。
(起きたのかな……)
しかし、零が起きることはなかった。
そのまま、時間が過ぎていった。
そして、日が暮れてきた。
しかし、零が目を覚ますことはない。
(このままだとまずいな……)
僕はそう思った。だから僕は零を背負って村に帰ることにした。
そして、村についた。
すると、そこにはアベルさんが待っていた。
「おお!戻ってきたか!って、どうしたんだ?」
僕は事情を説明した。すると、アベルさんが提案してきた。
「それなら、うちの宿で泊まっていけ!部屋も余っているしな!」
「ありがとうございます!」
そして、僕達はアベルさんの家に行った。
そして、アベルさんがこう言った。
「お前達は、しばらくここにいろ!いいな!」
「わかりました!」
こうして、僕達はアベルさんの家で1週間過ごすことになった。
アベルさんの家に泊まり始めて2日が経った。
その間、僕は何もできないままだった。
(せめて、僕にもなにかできることがないだろうか……)
そう考えているうちに夜になってしまった。
その日の夜、僕はなかなか眠れず、外に出た。
~~~~~~
~優斗視点~
外に出ると空は綺麗な星で埋め尽くされていた。
「綺麗だな……」
僕は思わず呟いた。
その時だった。
後ろから気配を感じたのだ。
振り向くとそこにいたのは零だった。
「なんだ……零だったんだ……」
「はーい……」
俺達は宿に戻った。
~~~~~~
「そういえば、お前ってなんの武器使ってるんだ?」
ふと疑問に思ったことを質問した。
「僕は、この剣を使ってるんだ♪」
「へぇ~見せてもらってもいいか?」
「もちろん!」
~~~~~
俺は、渡された剣を手に取ると、鑑定を発動させた。
『魔剣』:使用者によって形を変える不思議な剣。持ち主を選ぶ。
「これは……すごいな……」
「そうなの?」
「ああ……お前にぴったりだ……」
「やったー!」
優斗は飛び跳ねていた。
「それで……これからどうしますか?」
「そうだな……とりあえず、ギルドに行ってみるか……」
「分かりました……」
~~~~~~
ギルドに着くと、中は人で溢れかえっていた。
「すごい人ですね……」
「そうだな……」
しばらく待っていると、ようやく受付までたどり着いた。
「依頼を受けたいんですけど……」
「かしこまりました……こちらの依頼などどうでしょうか?報酬もかなり高いですよ」
1枚の依頼書を差し出してきた。
『依頼内容・街の近くに現れたモンスターの討伐』
「これお願いできますか?」
「分かりました……お気をつけて……」
「ありがとうございます」
俺達は宿に戻ることにした。
「どんな感じなんだ?」
「どんな感じとは?」
「強さとかだよ……」
「そうですね……恐らくですが、私達よりは強いと思います……」
「そうなのか……」
俺達が話していると、1人の男が話しかけてきた。
「あの~すみません……」
「どうかしましたか?」
「いや……道を聞きたくて……」
「どこに行きたいんですか?」
「えっと……この街の外れにある、小さな村なんですが……」
「それなら知っていますよ」
「本当ですか!よかった……」
男はホッとした表情を浮かべた。
「ええ……でも、どうしてそんなところに?」
「実は、そこに住んでいる友人に会いに行こうと思ってまして……」
「なるほど……ちなみにお名前は?」
「えっと……アベルと言います……」
「そうでしたか……では、頑張ってください……」
「はい!ありがとうございました!」
男は元気よく去って行った。
~~~~~~
翌日、俺達は街の外に来ていた。
「本当にここで合ってるのか?」
「はい……間違いないはずなんですが……」
俺達は周囲を見渡してみたが、特に変わった様子はなかった。
「どうする?もう少し奥の方に行くか?」
「いや……止めときましょう……」
「分かった……」
俺達は引き返すことにし、歩き始めたその時だった。
急に地響きが鳴り響いた。そして、目の前に大きな影が現れたのだ。
「おい……嘘だろ……」
それはドラゴンだった。
~零視点終了~
~優斗視点~ 僕達は巨大なドラゴンと対峙していた。
「こいつはヤバイんじゃない?」
「そうですね……」
2人は冷や汗を流しながら言った。
(こんなの相手に勝てるのかな?)
僕は不安になっていた。すると、後ろから声が聞こえた。
「大丈夫だ……俺がなんとかする……」
「え?」
振り向くと、そこには昨日会った男の人が立っていた。
「あなたは……」
「話は後だ……今はあいつを倒すぞ……」
「はい……」
「よし……行くぞ!」
そう言うと、彼は走り出した。
「グオオォ!!」
ドラゴンはブレスを放った。
しかし、それを軽々と避けた。
(凄い……)
その後も、次々と攻撃を避けていった。
(あれ……この光景どこかで見たことがあるような……)
「優斗さん!ぼーっとしてないで、援護するよ!」
「う、うん!」
僕は剣を構えた。
(まずは動きを止める)
僕は地面に向かって剣を振り下ろした。
すると、地面にヒビが入り、亀裂が広がっていった。
その隙に、レイラが魔法を唱えた。
「ライトニング!」
雷がドラゴンの頭上に落ち、爆発を起こした。
「今だ!」
彼が叫んだ。その瞬間、僕の体は勝手に動いており、剣を振り上げていた。そのまま勢いよく振り下ろすと、ドラゴンの首を切断した。
しかし、首だけになってもまだ動いていた。
「レイラ!」
レイラが前に出ると、両手をかざした。
すると、風が巻き起こり、ドラゴンを吹き飛ばした。
その瞬間、彼の手には黒い剣が握られていた。
「終わりだ……」
剣を横に振ると、衝撃波が発生し、ドラゴンを真っ二つにした。
「す、すごい……」
「まあ……こんなもんか……」
「あ、ありがとうございました……」
「いいってことさ……それよりも……」
そう言いながら、僕達の方に近づいてきた。
「お前達、なかなかやるじゃないか……」
「あ、ありがとうございます……」
「それで……お前ら、名前はなんていうんだ?」
「小此木優斗です」
「私は、レイラ・エルティです」
「そうか……俺はクシャラドだ」
「よろしくお願いします」
「ああ……ところでお前らはこれからどうするつもりなんだ?」
「えっと……とりあえず、この国を出て旅をしようかと……」
「そっか……じゃあ、もし困ったことがあったら言ってくれ。できる限り力になる」
「ありがとうございます!」
「おう!」
そう言って、彼は去っていった。
~~~~~~
「それにしても……あの人強かったね~」
「そうだな……かなりの強さだったな……」
「そうですね……一体何者なんでしょうか……」
僕達が話していると、誰かの声が聞こえた。
「見つけたぜぇーーーーーーーーーーーー!!!」
その声の主は、先程戦った男だった。
「久しぶりだなぁー!シルエルティーーー!!会いたかったぞぉーーーーーー!!」
「ひっ……」
「お、落ち着いてください……」
「これが落ち着けるかっての!!」
(なんか怖い人だな……)
「おい!てめえも来い!」
そう言うと、強引に腕を引っ張られた。
「ちょ、ちょっと待って……」
「うるせぇーーーーーー!!!」
「ひぃ……」
「おい……離せよ……」
すると、彼を止めてくれた。
「誰だてめえ?」
「俺か?俺は……」
「も、もしかして……アベル様ですか!?」
「お!よく分かったな!そうだ!俺がアベルだ!それでこっちは……」
「はい!シルエルです!覚えていますか?」
「おお!もちろんだ!大きくなったな~♪」
「お、おかげさまで……」
「そうかそうか!良かったよ!」
(なんだか楽しそうな人達だな……)
「それで、どうしてここに?」
「いや~実は、ある人物を追っているんだよ」
「そうですか……」
「それじゃあ、また会えたらいいな!それじゃあな!」
「はい!失礼します!」
アベル達は去って行った。
~~~~~~
「それにしても、アベルさんってどういう人だったんだろう?」
「さあな……」
「そういえば……シルエルさんがアベルさんの事を『アベル様』って呼んでたけど……」
「それは……俺達は小さい頃から一緒にいたからな……」
「なるほど……そういうことだったのか……」
「ああ……だから、あいつだけは絶対に許さない……」
「そうだったのか……」
僕達は宿に戻ることにした。
「もうすぐで着くぞ……」
「うん……」
「着いた……」
僕達は、村の入り口に立っていた。
「ここが目的地なのか?」
「ああ……」
「へ~どんなところなんだろう……」
僕は期待しながら、中に入って行った。すると、そこにはたくさんの花が咲いていた。
「わぁ……綺麗だ……」
「ここは、俺の大切な場所だ……」
「そうだったの……」
「俺の両親と妹が死んだ場所でもあるが……」
「え?」
僕は驚いていた。まさかそんなことが起こっているとは思っていなかったのだ。
「ど、どういうこと?」
「そのままの意味だ……」
「でも、その割には悲しそうじゃないよね……」
「悲しいさ……ただ、今は悲しみを乗り越えただけだ……」
「そう……なんだ……」
「まあ……とりあえず、ここでゆっくりしていこう……」
「うん!」
こうして、2人の旅が始まった。
2人は村の外れに来ていた。
「本当にここでいいんだな?」
「うん!間違いないよ!」
「そうか……ならいいんだが……」
「それより早く行こうよ!」
「ああ……」
そう言いながら、彼は歩き始めた。
(大丈夫かな?)
少し不安になりながらも、後を追いかけた。
~優斗視点終了~
~零視点~
「今日はここまでだ……」
「うん……」
「明日は、もう少し遠くまで行ってみるか……」
「分かった……」
「よし……寝るぞ……」
「お休み……って何するの!?」
「ん?何を言っているんだ?寝ないのか?」
「だって……同じ部屋だし……」
「それがどうかしたか?」
「恥ずかしいし……」
「そうか……まあ、俺は気にしないが……」
「僕が気になるんだけど……」
「そうか……じゃあ、好きにしろ……」
「う、うん……」
(やっぱりおかしい……)
そう思いながら寝ていたらお尻を揉まれる
「ちょ、零……くん」
「どうした?」
「どうしたって……その……当たってるし……」
「わざと当ててるんだが?」
「なんで?」
「お前を襲おうと思ってな……」
「え?……んぁ」
「可愛い声で鳴くんだな……」
「ち、違う……これは……」
「いいじゃないか……誰もいないんだし……」
「そ、そうだけど……」
「じゃあ、続けるぞ……」
「ダ、ダメだよ……こんなところで……」
「お前が誘ってきたんだろ?」
「違うぅ……ひゃ」
「ほら……もっと声を聞かせてくれ……」
「そ、そこはだめぇ……」
「ふっ……相変わらず弱いな……」
「だ、だって……」
「じゃあ、次はこっちだな……」
「そっちもらめぇ……あ……やぁ」
「そっかそっか……お前はこっちの方が好きなんだな……」
「ぁ……んぁ……ぁー……っ!!……んん!」
「もうイッたのか?」
「はぁはぁ……」
「……!……入れるぞ!」
「ちょっと待って……今敏感になってるから……」
「無理だ……我慢できない……」
「お願い……休ませてぇ……」
「いくぞ……」
「待ってぇ……まだイったばかりなのにぃ……」
「動くぞ!」
「待ってぇ……ほんとに……おかしくなっちゃう……」
「いいぞ……もっと乱れてみせろ……」
「零……くん……の……ばか……んん!」
「イクぞ!中に出すからな!」
「きて……僕の……奥に……いっぱい……ちょうだい!」
「……!……はぁはぁ……気持ちよかったか?」
「うん……凄かった……」
「そうか……なら良かった……」
「あのね……零君」
「なんだ?」
「僕、もう我慢できそうにないよ……」
「奇遇だな……俺も同じだ……」
「ねぇ……しよ?」
「ああ……」
~~~~~~
「腰痛ーい」
「大丈夫か?」
「全然大丈夫じゃないよ……」
「そうか……」
「でも、幸せ……」
「そうか……」
「ねえ……これからは毎日しようよ!」
「そうだな……」
~~~~~~
その後、2人は仲良く暮らしました。
~~~~~~
~優斗視点~
(あれ?なんか夢を見てたような気がするけど)
「腰痛ーい」
これだけは夢じゃないや。
~~~~~~
~零視点~
(また、あんな夢を見てしまった……)
「どうしたんですか?」
「い、いやなんでもない……」
(もしかしたら、あいつはもう死んでいるかもしれないな……)
「そうですか……あ、ご飯できてますよ!」
「ああ……」
(あいつが生きていることを祈ろう……)
~~~~~~
「零くんおはよう」
「ああ……」
(あいつが生きていれば、いつか会えるだろう……それまでは、この平和を守っていこう……)
こうして、2人の旅が始まった。
僕達は村を出発してから3日が経った。
そして、ようやく次の目的地に着いた。
「ここが目的地なのか?」
「ああ……ここで合ってるはずだ……」
「へ~」
僕は辺りをキョロキョロしていた。すると、突然声をかけられた。
「よう!久しぶりだなシルエル!!」
「アベルさん!?どうしてここに!?」
「いや、実はある人物を追っていてだな……」
「そうだったのですね……」
「それで、お前は何をしているんだ?」
「俺達は、ここから先にある村に向かっているんですよ……」
「そうなのか!じゃあ一緒に行くか!」
「いいですよ!」
「おお!そうか!ありがとう!」
(なんだか楽しそうな人達だな……)
「ところで、その人はどんな人なんだ?」
「えっと……優しい人でしたよ……」
(なんだか寂しそうにしてるな……)
「そうか……まあ、早く行こうぜ!」
「はい!」
~~~~~~
(まさか、ここで会うとは思わなかったな……)
~~~~~~
~優斗視点~
(やっぱり、零の知り合いだったんだな……それにしても、零の様子がおかしいな……)
「着いたぞ!」
僕達の前には大きな湖があった。
「綺麗だね!」
「そうだな……」
「それじゃあ、入るか!」
(え?マジで?)
「さあ!早く行こう!」
(仕方ないか……)
僕と零君は湖に入って行った。
(冷たい!)
「どうした?顔色が悪いが……」
「ちょっと寒いだけ……」
「そうか……」
(嘘です……超寒くて死にそうです……)
「おい!こっち来い!」
(え?どういうこと?まさか?)
『ザッブーン』
「ちょ、ちょっと零くん?何してるの?」
「お前が風邪をひくと思ってな……」
「それはありがたいんだけど、僕まで濡れちゃったじゃん……」
「そうか……」
「そうかって……」
「それより、お前もこっちに来てみろ!」
「え?なんで?」
「いいから、いいから」
「もう」
ちゃぷ
「え?温かいというか熱めのお湯だ」
「温泉だよ」
「温泉?」
「ああ、ここは俺達の村の名物なんだ」
「へ~知らなかったよ」
「俺も最初は驚いたよ」
「そうなんだ……」
「とりあえず、身体洗うか……」
「うん!」
~~~~~~
「ふぅ……温まったね」
「そうだな……」
「じゃあ、そろそろ出ようか……」
「ああ……」
(なんか、急に静かになったな……)
「ねえ……何かあったの?」
「いや、なんでもない……」
(絶対なんかあるよね……)
「そっか……」
(まあいっか……)
「よし、出るぞ……」
「う、うん……」
(あれ?零ってこんなに大きかったっけ?)
「どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ……」
(気のせいかな……)
「そうか……」
(やっぱり、なんか変な気がする……)
「ねえ……零?」
「どうした?」
「なんか変わった?」
(あれ?僕今なんて言った?)
「……!そんなわけないだろ?」
(ちょっと動揺したような……)
「そうか……」
「ほら、上がるぞ……」
「う、うん……」
(やっぱり、今日の零はどこか違う気がする……)
~~~~~~
「よし、飯にするぞ」
「はい……」
「どうした?」
「いえ……」
「そうか……」
(やっぱり、おかしい……)
~~~~~~ ~零視点~
(危なかったな……バレるところだった……)
~~~~~~
~優斗視点~
「ごちそうさまでした!」
「美味しかったよ!」
「そうか……」
「ねえ……」
「なんだ?」
「今日はもう寝よう?」
「そうだな……」
「お休みなさい」
「ああ……」
~~~~~~
~優斗視点~
朝起きると隣には零がいた。
「おはよう」
僕は零に声をかけた。
しかし返事はなかった。
(まだ、起きてないのか……)
僕は零の頬をツンツンした。
しかし、反応はない。
(どうしたんだろう……)
心配になったので、もう一度声をかけてみた。
しかし、やはり返答がなかった。
(大丈夫かな……)
そう思い、僕は零の手を握った。すると、突然手を握り返された。
(起きたのかな……)
しかし、零が起きることはなかった。
そのまま、時間が過ぎていった。
そして、日が暮れてきた。
しかし、零が目を覚ますことはない。
(このままだとまずいな……)
僕はそう思った。だから僕は零を背負って村に帰ることにした。
そして、村についた。
すると、そこにはアベルさんが待っていた。
「おお!戻ってきたか!って、どうしたんだ?」
僕は事情を説明した。すると、アベルさんが提案してきた。
「それなら、うちの宿で泊まっていけ!部屋も余っているしな!」
「ありがとうございます!」
そして、僕達はアベルさんの家に行った。
そして、アベルさんがこう言った。
「お前達は、しばらくここにいろ!いいな!」
「わかりました!」
こうして、僕達はアベルさんの家で1週間過ごすことになった。
アベルさんの家に泊まり始めて2日が経った。
その間、僕は何もできないままだった。
(せめて、僕にもなにかできることがないだろうか……)
そう考えているうちに夜になってしまった。
その日の夜、僕はなかなか眠れず、外に出た。
~~~~~~
~優斗視点~
外に出ると空は綺麗な星で埋め尽くされていた。
「綺麗だな……」
僕は思わず呟いた。
その時だった。
後ろから気配を感じたのだ。
振り向くとそこにいたのは零だった。
「なんだ……零だったんだ……」
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