91 / 161
91話
しおりを挟む
(零……くん……え!?……ちょ……んぅ...///)
突然、僕の唇に柔らかい感触がした。それは紛れもなく零くんだった。
「ははっ、ファーストキスだったんだぜ」
「な、なんなんだよいきなり……」
「だって……俺、優斗のこと好きだもん」
「は!?……そんなこと言われたら……ずるいよ」
僕は恥ずかしさを隠すように少し大きな声を出した。
(やばい……したい……零……くんと)僕は心の中で思ったことをそのまま口に出して言った。
「いいのか……?」
「うん……いい……だよ」
僕たちは互いに見つめ合った。
(あ……僕……初めてなのにこんなに緊張しないなんておかしいのかな?)
そう思った瞬間に僕の服が脱がされていた。
「や、やめ……」
抵抗しようとする僕の手を払い除けると零くんは強引に口づける。
舌を絡める。
「ん……はぁ……あっ……だめぇ……ん」
「かわいいな……優斗」
耳を舐められビクってなる。
「もう我慢できない……」
僕の中に零くんのものが入ってくる。
僕は痛みに耐えながら受け入れる。
僕達は何度も交わった。そして僕は意識を失った。
目が覚めると隣で零くんが寝ていた。
僕は昨日のことを思い出して顔が赤くなるのを感じた。それと同時に零くんへの気持ちが大きくなっていることに気づいた。
(僕は……この人のこと……本当に好きになったんだな)
僕はそう思いながらまた眠りについた。
「ねぇ……起きてよ」
「なに?」
「ちょっと相談があるんだけど」
僕は零に話しかけた。今、話せるのは零しかいない。それにリリアもいないし……。
「リリアがどうかしたのか?」
「あのね、実は今から魔王討伐に行ってくるんだ」
「おい待てよ、今ってどういうことだ?今はまだこの世界は救われていないはずだろ?」
零が言っていることは最もだ。だけど行かなければならない。それが僕の使命だと思ったからだ。
「僕にしかできないことだと思うから……僕にはそれができると思うんだ」
「優斗……死ぬかもしれないぞ?」
「それでも……やりたい……今ならきっとできる気がする」
「なら止めはしない。でも約束しろ、必ず帰ってくると」
「わかった……じゃあいってくるね」
そう言って僕は部屋を出た。
僕の姿を見たリリアがこちらに走ってきた。
「優斗さん……まさか……あなた……」
「僕なら大丈夫です。心配はいりません」
「ならいいのですが……」
「それと……僕が戻ってくるまでここをお願いします」
「承知しました。どうかご無事で」
「ありがとうございます」
僕は城をあとにした。
何故か零くんまで着いてきた。
(なんでさっきは来ないって言ってたのに)
「優斗は俺が守る」
(なんで!?……かあ)
真っ赤になる。
(あ、熱い……)
「とりあえず魔王を倒しに行くんでしょ」
「あぁ、そうだな」
「その前に色々調べたいことがあるんだ」
「それはどこだ?」
「王立図書館だ」
「よし、行くか」
僕はこの世界に来てから一度も行ったことがない。この世界の本を読んで知識をつけなければと僕は思った。
「ここが王都か、大きいな」
僕たちがいた村とは大違いだ。
僕たちは街の中心部にある建物にやってきた。
中に入ると、とても綺麗に並べられた本が沢山あった。
僕と零くんは適当に一冊手に取ってみる。
「これは……歴史書だな。読んでみよう」
僕が最初のページを開くとその本の文字が頭に流れ込んできた。
(なるほど……やっぱりそういう感じなんだ)
すると、僕はこの本を読み始めた。
「えっと、まずは初代勇者のことからだ」
僕はその内容を読んだ後、次の本を読むことにした。
するとまた別の本の内容が頭に入ってきた。それを何回も繰り返していると僕は全ての内容を理解できた。
すると僕の中で何かが変わったような感覚がして僕は思わず呟いていた。
「これが『勇者の力』なのか」
僕は確信を持った。この力があれば魔王を倒せると。
(次はスキルの確認だ)
僕はステータスを確認した。
すると新しい文字が追加されていた。
「ん?……『零の心』?」
すると、急に僕の中に映像が流れ込んで来た。
僕は頭が痛くなりその場に倒れてしまった。
「おい!どうした!」
「うっ……なんだこれ……零くんの……心?」
「え!?……お、おい!しっかりしろ……優斗!?」
僕の意識はそこで途切れた。
僕が目を覚ますと見覚えのある場所にいた。そこは零くんの部屋だった。
(あぁ……戻ってきたのか……)
「あ、目が覚めたみたいですね」
そこにはリリアがいた。僕は起き上がってベッドから降りた。
「あの、僕は……」
「あなたは突然倒れたんですよ」
「そうですか……迷惑かけました」
「そんなことはないですよ」
「ところで僕はどのくらい寝てたんでしょうか?」
「えーと1時間程です」
「そんなに寝てたんだ」
僕は時計を確認しようと辺りを見渡したが見当たらなかった。
「リリア、時間は分かりますか?」
「今は夜中の12時ですね」
「なるほど……」
「それよりも体調はもうよろしいのですか?」
「うん、特に問題はないかな」
「よかったです。それで魔王のことですが……」
リリアが少し不安そうな表情をしている。
(リリアにこれ以上の苦労をかけさせるわけにはいかないな)
「僕、行ってくるよ」
「なら零さんも連れていきなさい。貴方とは同じ身体を共有する者なんでしょ?」
「う、うん……」
「なら零さんは絶対に連れていく必要はあります」
「分かったよ……」
それからリリアに色々と注意を受けた。しかし、リリアの優しさが伝わってきて嬉しかった。
僕は零くんを呼ぼうと外に出ると、そこに零くんが立っていた。
(なんでここに?)
「優斗……行くんだな」
「うん……でもその前に聞いておきたいことがあるんだ」
「ん?なんだ?」
「僕がいない間なにがあった?」
「あぁ、あれね。優斗は倒れてたんだ。そしたらリリアが部屋に運べって言ってさ」
「あぁ、そう言うことか」
僕は零くんの話を軽く聞いたあと、零くんにこれからのことを伝えた。そして、僕の考えも。
「魔王は多分だけど僕じゃないと無理だ。だから零は待ってて欲しい」
「いや、俺が一緒に戦うぞ」
「いや……でも」
「お前だけに任せてられるかよ。それに俺はもう決めたんだ」
零は真剣な目をしていた。
「わかったよ……なら行こう」
「あぁ」
僕達は歩き出す。魔王がいる城に向かって……。
~~~~~~~
「ここが『未開の森』かここを越えると魔王城まで行けるわけか」
進むと
優斗がもじもじしだした。
「どうした?トイレ?」
真っ赤にして
「2人きりだなって思ったらしたくなって」
「あ、あぁ……そゆこと……じゃあ、あそこでいい?」
木の生えた茂みに2人で行く
……
…………
「あ!……んぁ……零くん」
ぱちゅん
ぱちゅん
「優斗……気持ちいいぞ」
「あっ……僕も……ああん」
びゅる びゅー どぷどぴゅ
優斗が達したあとすぐに俺も出してしまった。
その後、何回もしまくったあと俺らは森を抜けた。
~~~~~~~
魔王城に着いた僕と零くんはすぐに行動に出た。魔王城の門を開けた瞬間に零くんに合図をした。
すると、僕が飛び出した。零くんが僕に続いてくるのがわかる。
僕は一気に階段を駆け上がる。すると、目の前に魔族が現れた。
その瞬間に僕の体が動き始める。僕はそのスピードに身を任せたまま攻撃する。
「はあああ!!」
その速さのまま剣を突き刺す。
グサッ
「ぐはっ!」
「ふぅ……よし次だ」
すると今度は3体の魔族が現れる。すると僕の体はその全てを攻撃し始めた。
ザクッ ドスッドスッ
「ぎゃぁあ!!!」
僕は次々と魔族を倒していった。
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「優斗!」
「え!?」
すると、いつの間にか僕は地面に押さえつけられていた。
……
「ん!……いやぁ……ぁん」
僕の服が脱がされていく。
「なにするの……」
「はぁ……可愛い子だ」
僕は必死に抵抗するが、何故か力が入らない。
「零……くん……助け……んっ……てぇ……」
「だめだよ。君はこれから私の玩具になるんだよ」
そう言って僕の中に入ってきた。
(なにこれ……気持ち悪い)
ずぶっ ぬちゃっ
「いや!?……いやぁ……零くん!……」
近くに零くんはいない。
(なんでいないの……零くん)
「んぁ……ぁん」
どんどん激しくなる。
(もうダメかも……零くん)
僕は抵抗できないままただひたすらに喘いでいた。
「ん……あぁ……あぁぁん」
(もう限界)
「イク……あぁ……イッちゃう……あぁぁぁぁあ!!!」
(あぁ……やっと終わった)
僕はそのまま気絶するように眠ってしまった。
(うっ……なんか……奥に出されてる)
「優斗!!」
僕はハッとして起き上がった。
(ここは……魔王城)
よく見ると零くんがそばに居た。
「零くん?……」
僕は零くんに抱きついた。
零くんが優しく頭を撫でてくれた。僕はしばらく零くんの胸の中で泣き続けた。
落ち着いた後僕は気になったことを聞いた。
「なんで零くんは無事だったの?」
「それが……」
僕たちはこの城にきた経緯を話すことにした。
話を聞き終わると、リリアは少し呆れた表情をしていた。
「優斗さん?いくら零さんを守りたかったとは言え無茶をしすぎです」
僕は俯いて何も言えなかった。
リリアは少し怒った表情をして
「それにしても……私との約束を忘れるとは許せません」
リリアが指を鳴らしながら近寄ってくる。その迫力はとても恐ろしかった。
そしてリリアの顔が近づいてくると、首筋に鋭い痛みが走った。
「痛た!リリア?何をしたの?」
「キスマークですよ」
リリアが微笑みかける。
(リリアってこんなに大胆になったのかな?)
そう思うと嬉しく感じた。
~~~~~~~
「さて、そろそろ魔王を倒すとしますか」
「そうだね。早くしないと他の勇者が来るかもしれないし」
僕達は立ち上がり階段を登り始めた。そして最後の部屋に入るとそこには巨大なドラゴンがいた。
僕達を見つけるとその翼を広げこちらに向かって飛んで来た。
(僕達がここにいるのはバレているみたいだね。なら僕がやるしかない)
僕の体はまた勝手に動き出す。そして一瞬のうちにそのドラコンの首を切り落とした。そして僕の口は言葉を紡いだ。
『魔王討伐完了しました』
すると僕の心の声が響いた。
〈スキル『魔王の加護』を獲得しました〉 僕はその能力を確認した。
『魔王の加護:全属性の魔法使用可能(使用時消費魔力半減)・身体能力向上』
僕はその力で零くんを安全な場所まで転移させた。
~~~~~~~
「あれ?零くんは?」
「零さんの事は私が守りますから大丈夫ですよ」
僕は安心して魔王城に向かった。
~~~~~~~ 1階まで降りると大きな扉の前に1人の女が立っていた。
(あの人は一体……?でも戦わない訳にはいかないよね……)
2人が見つめ合うと、2人同時に飛び出していった。
(あ!やっぱり強い!)
僕よりレベルが上なんじゃないかと思えるほど強かった。
しかし僕は諦めなかった。なぜなら、今零くんを守るのは自分しかいないからだ。僕は女の人に全力を尽くした。
~~~~~~~
俺は優斗が戦っている間リリアと作戦を立てていた。まずは俺が優斗と合流して一緒に戦い、その後、俺が足止めをするからその間に優斗が女を倒して俺のところに来てくれるかと言うものだった。
「よし、行くぞ!」
俺が飛び出すと、案の定優斗が突っ込んできた。
(優斗、ごめん!)
すると俺の身体は動き出した。優斗の横をすり抜けて、そのまま女に切りかかった。
グサッ ザクッ
「ぐはっ!」
すると目の前に優斗が現れた。
(やばい!)
すると急に俺の体が動かなくなった。その瞬間に女は後ろを向いてしまった。
(やべぇ……やられる)
と思ったら後ろから優斗が攻撃してきた。その攻撃に女が振り向くと、今度は優斗の動きが止まった。
(優斗!チャンスだ!やれ!)
優斗が剣を突き刺す瞬間、女の目が光った。
すると、優斗の体は動き出し、優斗の攻撃は不発に終わった。
(やばい……この状態はやばい!なんとかしないと同じ事の繰り返しだ!どうにか……そうだ!リリアだ!リリアならこの状態を解けるはずだ)
俺はリリアを呼んだ。
(おーいリリア!聞こえるか?)
(はい。聞こえてますよ)
(助けてくれ!頼む!このままじゃ優斗が危ない!)
(それはわかりましたけど……どうするんですか?優斗さんに声を届ける方法なんて知りませんよ)
(大丈夫だ!こうやって話せば届く)
(なるほど。それでしたらやってみましょう)
(助かる!)
リリアとの会話を終えると再び意識が遠のいていった。…………
目を開けると、リリアの顔があった。
(ここは……?どこなんだ?)
周りを見渡すとそこはどこかの部屋のようだった。そしてリリアに聞くことにした。
「ここって何処なんだ?」
リリアは驚いた顔をして答えた。
「え!?零さん?零さんですよね?私のことわかる?」
俺は戸惑ってしまった。
(何言ってんだ?リリアの事忘れるわけがないじゃないか)
俺は自分の記憶を呼び覚まそうとしたが全く思い出せなかった。
(なんで?……俺はなんでこんなに頭が真っ白になっているんだ?なんで?どうして?わからない。わからない……怖い)
頭を抱えて苦しんでいると、誰かの声が聞こえてきた。
(零くん)
俺は必死でその方向を向きその人の姿を見た。すると、その人からは聞いたことのない言葉が聞こえた気がした。その言葉を聞くたびに俺の記憶は徐々に戻っていった。
そして全てを思い出したとき、涙が溢れ出てきた。
その人は俺の大好きな人で、その人も俺のことを愛してくれていて……なのに……なんで……俺は……守れなかった……大切な人を……。
「ごめん……なさい……」
そう言うと彼女は涙を流した。そんな彼女を抱き締めながら俺はただ謝り続けた。
~~~~~~~
僕はその光景を黙ってみていることしかできなかった。
突然、僕の唇に柔らかい感触がした。それは紛れもなく零くんだった。
「ははっ、ファーストキスだったんだぜ」
「な、なんなんだよいきなり……」
「だって……俺、優斗のこと好きだもん」
「は!?……そんなこと言われたら……ずるいよ」
僕は恥ずかしさを隠すように少し大きな声を出した。
(やばい……したい……零……くんと)僕は心の中で思ったことをそのまま口に出して言った。
「いいのか……?」
「うん……いい……だよ」
僕たちは互いに見つめ合った。
(あ……僕……初めてなのにこんなに緊張しないなんておかしいのかな?)
そう思った瞬間に僕の服が脱がされていた。
「や、やめ……」
抵抗しようとする僕の手を払い除けると零くんは強引に口づける。
舌を絡める。
「ん……はぁ……あっ……だめぇ……ん」
「かわいいな……優斗」
耳を舐められビクってなる。
「もう我慢できない……」
僕の中に零くんのものが入ってくる。
僕は痛みに耐えながら受け入れる。
僕達は何度も交わった。そして僕は意識を失った。
目が覚めると隣で零くんが寝ていた。
僕は昨日のことを思い出して顔が赤くなるのを感じた。それと同時に零くんへの気持ちが大きくなっていることに気づいた。
(僕は……この人のこと……本当に好きになったんだな)
僕はそう思いながらまた眠りについた。
「ねぇ……起きてよ」
「なに?」
「ちょっと相談があるんだけど」
僕は零に話しかけた。今、話せるのは零しかいない。それにリリアもいないし……。
「リリアがどうかしたのか?」
「あのね、実は今から魔王討伐に行ってくるんだ」
「おい待てよ、今ってどういうことだ?今はまだこの世界は救われていないはずだろ?」
零が言っていることは最もだ。だけど行かなければならない。それが僕の使命だと思ったからだ。
「僕にしかできないことだと思うから……僕にはそれができると思うんだ」
「優斗……死ぬかもしれないぞ?」
「それでも……やりたい……今ならきっとできる気がする」
「なら止めはしない。でも約束しろ、必ず帰ってくると」
「わかった……じゃあいってくるね」
そう言って僕は部屋を出た。
僕の姿を見たリリアがこちらに走ってきた。
「優斗さん……まさか……あなた……」
「僕なら大丈夫です。心配はいりません」
「ならいいのですが……」
「それと……僕が戻ってくるまでここをお願いします」
「承知しました。どうかご無事で」
「ありがとうございます」
僕は城をあとにした。
何故か零くんまで着いてきた。
(なんでさっきは来ないって言ってたのに)
「優斗は俺が守る」
(なんで!?……かあ)
真っ赤になる。
(あ、熱い……)
「とりあえず魔王を倒しに行くんでしょ」
「あぁ、そうだな」
「その前に色々調べたいことがあるんだ」
「それはどこだ?」
「王立図書館だ」
「よし、行くか」
僕はこの世界に来てから一度も行ったことがない。この世界の本を読んで知識をつけなければと僕は思った。
「ここが王都か、大きいな」
僕たちがいた村とは大違いだ。
僕たちは街の中心部にある建物にやってきた。
中に入ると、とても綺麗に並べられた本が沢山あった。
僕と零くんは適当に一冊手に取ってみる。
「これは……歴史書だな。読んでみよう」
僕が最初のページを開くとその本の文字が頭に流れ込んできた。
(なるほど……やっぱりそういう感じなんだ)
すると、僕はこの本を読み始めた。
「えっと、まずは初代勇者のことからだ」
僕はその内容を読んだ後、次の本を読むことにした。
するとまた別の本の内容が頭に入ってきた。それを何回も繰り返していると僕は全ての内容を理解できた。
すると僕の中で何かが変わったような感覚がして僕は思わず呟いていた。
「これが『勇者の力』なのか」
僕は確信を持った。この力があれば魔王を倒せると。
(次はスキルの確認だ)
僕はステータスを確認した。
すると新しい文字が追加されていた。
「ん?……『零の心』?」
すると、急に僕の中に映像が流れ込んで来た。
僕は頭が痛くなりその場に倒れてしまった。
「おい!どうした!」
「うっ……なんだこれ……零くんの……心?」
「え!?……お、おい!しっかりしろ……優斗!?」
僕の意識はそこで途切れた。
僕が目を覚ますと見覚えのある場所にいた。そこは零くんの部屋だった。
(あぁ……戻ってきたのか……)
「あ、目が覚めたみたいですね」
そこにはリリアがいた。僕は起き上がってベッドから降りた。
「あの、僕は……」
「あなたは突然倒れたんですよ」
「そうですか……迷惑かけました」
「そんなことはないですよ」
「ところで僕はどのくらい寝てたんでしょうか?」
「えーと1時間程です」
「そんなに寝てたんだ」
僕は時計を確認しようと辺りを見渡したが見当たらなかった。
「リリア、時間は分かりますか?」
「今は夜中の12時ですね」
「なるほど……」
「それよりも体調はもうよろしいのですか?」
「うん、特に問題はないかな」
「よかったです。それで魔王のことですが……」
リリアが少し不安そうな表情をしている。
(リリアにこれ以上の苦労をかけさせるわけにはいかないな)
「僕、行ってくるよ」
「なら零さんも連れていきなさい。貴方とは同じ身体を共有する者なんでしょ?」
「う、うん……」
「なら零さんは絶対に連れていく必要はあります」
「分かったよ……」
それからリリアに色々と注意を受けた。しかし、リリアの優しさが伝わってきて嬉しかった。
僕は零くんを呼ぼうと外に出ると、そこに零くんが立っていた。
(なんでここに?)
「優斗……行くんだな」
「うん……でもその前に聞いておきたいことがあるんだ」
「ん?なんだ?」
「僕がいない間なにがあった?」
「あぁ、あれね。優斗は倒れてたんだ。そしたらリリアが部屋に運べって言ってさ」
「あぁ、そう言うことか」
僕は零くんの話を軽く聞いたあと、零くんにこれからのことを伝えた。そして、僕の考えも。
「魔王は多分だけど僕じゃないと無理だ。だから零は待ってて欲しい」
「いや、俺が一緒に戦うぞ」
「いや……でも」
「お前だけに任せてられるかよ。それに俺はもう決めたんだ」
零は真剣な目をしていた。
「わかったよ……なら行こう」
「あぁ」
僕達は歩き出す。魔王がいる城に向かって……。
~~~~~~~
「ここが『未開の森』かここを越えると魔王城まで行けるわけか」
進むと
優斗がもじもじしだした。
「どうした?トイレ?」
真っ赤にして
「2人きりだなって思ったらしたくなって」
「あ、あぁ……そゆこと……じゃあ、あそこでいい?」
木の生えた茂みに2人で行く
……
…………
「あ!……んぁ……零くん」
ぱちゅん
ぱちゅん
「優斗……気持ちいいぞ」
「あっ……僕も……ああん」
びゅる びゅー どぷどぴゅ
優斗が達したあとすぐに俺も出してしまった。
その後、何回もしまくったあと俺らは森を抜けた。
~~~~~~~
魔王城に着いた僕と零くんはすぐに行動に出た。魔王城の門を開けた瞬間に零くんに合図をした。
すると、僕が飛び出した。零くんが僕に続いてくるのがわかる。
僕は一気に階段を駆け上がる。すると、目の前に魔族が現れた。
その瞬間に僕の体が動き始める。僕はそのスピードに身を任せたまま攻撃する。
「はあああ!!」
その速さのまま剣を突き刺す。
グサッ
「ぐはっ!」
「ふぅ……よし次だ」
すると今度は3体の魔族が現れる。すると僕の体はその全てを攻撃し始めた。
ザクッ ドスッドスッ
「ぎゃぁあ!!!」
僕は次々と魔族を倒していった。
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「優斗!」
「え!?」
すると、いつの間にか僕は地面に押さえつけられていた。
……
「ん!……いやぁ……ぁん」
僕の服が脱がされていく。
「なにするの……」
「はぁ……可愛い子だ」
僕は必死に抵抗するが、何故か力が入らない。
「零……くん……助け……んっ……てぇ……」
「だめだよ。君はこれから私の玩具になるんだよ」
そう言って僕の中に入ってきた。
(なにこれ……気持ち悪い)
ずぶっ ぬちゃっ
「いや!?……いやぁ……零くん!……」
近くに零くんはいない。
(なんでいないの……零くん)
「んぁ……ぁん」
どんどん激しくなる。
(もうダメかも……零くん)
僕は抵抗できないままただひたすらに喘いでいた。
「ん……あぁ……あぁぁん」
(もう限界)
「イク……あぁ……イッちゃう……あぁぁぁぁあ!!!」
(あぁ……やっと終わった)
僕はそのまま気絶するように眠ってしまった。
(うっ……なんか……奥に出されてる)
「優斗!!」
僕はハッとして起き上がった。
(ここは……魔王城)
よく見ると零くんがそばに居た。
「零くん?……」
僕は零くんに抱きついた。
零くんが優しく頭を撫でてくれた。僕はしばらく零くんの胸の中で泣き続けた。
落ち着いた後僕は気になったことを聞いた。
「なんで零くんは無事だったの?」
「それが……」
僕たちはこの城にきた経緯を話すことにした。
話を聞き終わると、リリアは少し呆れた表情をしていた。
「優斗さん?いくら零さんを守りたかったとは言え無茶をしすぎです」
僕は俯いて何も言えなかった。
リリアは少し怒った表情をして
「それにしても……私との約束を忘れるとは許せません」
リリアが指を鳴らしながら近寄ってくる。その迫力はとても恐ろしかった。
そしてリリアの顔が近づいてくると、首筋に鋭い痛みが走った。
「痛た!リリア?何をしたの?」
「キスマークですよ」
リリアが微笑みかける。
(リリアってこんなに大胆になったのかな?)
そう思うと嬉しく感じた。
~~~~~~~
「さて、そろそろ魔王を倒すとしますか」
「そうだね。早くしないと他の勇者が来るかもしれないし」
僕達は立ち上がり階段を登り始めた。そして最後の部屋に入るとそこには巨大なドラゴンがいた。
僕達を見つけるとその翼を広げこちらに向かって飛んで来た。
(僕達がここにいるのはバレているみたいだね。なら僕がやるしかない)
僕の体はまた勝手に動き出す。そして一瞬のうちにそのドラコンの首を切り落とした。そして僕の口は言葉を紡いだ。
『魔王討伐完了しました』
すると僕の心の声が響いた。
〈スキル『魔王の加護』を獲得しました〉 僕はその能力を確認した。
『魔王の加護:全属性の魔法使用可能(使用時消費魔力半減)・身体能力向上』
僕はその力で零くんを安全な場所まで転移させた。
~~~~~~~
「あれ?零くんは?」
「零さんの事は私が守りますから大丈夫ですよ」
僕は安心して魔王城に向かった。
~~~~~~~ 1階まで降りると大きな扉の前に1人の女が立っていた。
(あの人は一体……?でも戦わない訳にはいかないよね……)
2人が見つめ合うと、2人同時に飛び出していった。
(あ!やっぱり強い!)
僕よりレベルが上なんじゃないかと思えるほど強かった。
しかし僕は諦めなかった。なぜなら、今零くんを守るのは自分しかいないからだ。僕は女の人に全力を尽くした。
~~~~~~~
俺は優斗が戦っている間リリアと作戦を立てていた。まずは俺が優斗と合流して一緒に戦い、その後、俺が足止めをするからその間に優斗が女を倒して俺のところに来てくれるかと言うものだった。
「よし、行くぞ!」
俺が飛び出すと、案の定優斗が突っ込んできた。
(優斗、ごめん!)
すると俺の身体は動き出した。優斗の横をすり抜けて、そのまま女に切りかかった。
グサッ ザクッ
「ぐはっ!」
すると目の前に優斗が現れた。
(やばい!)
すると急に俺の体が動かなくなった。その瞬間に女は後ろを向いてしまった。
(やべぇ……やられる)
と思ったら後ろから優斗が攻撃してきた。その攻撃に女が振り向くと、今度は優斗の動きが止まった。
(優斗!チャンスだ!やれ!)
優斗が剣を突き刺す瞬間、女の目が光った。
すると、優斗の体は動き出し、優斗の攻撃は不発に終わった。
(やばい……この状態はやばい!なんとかしないと同じ事の繰り返しだ!どうにか……そうだ!リリアだ!リリアならこの状態を解けるはずだ)
俺はリリアを呼んだ。
(おーいリリア!聞こえるか?)
(はい。聞こえてますよ)
(助けてくれ!頼む!このままじゃ優斗が危ない!)
(それはわかりましたけど……どうするんですか?優斗さんに声を届ける方法なんて知りませんよ)
(大丈夫だ!こうやって話せば届く)
(なるほど。それでしたらやってみましょう)
(助かる!)
リリアとの会話を終えると再び意識が遠のいていった。…………
目を開けると、リリアの顔があった。
(ここは……?どこなんだ?)
周りを見渡すとそこはどこかの部屋のようだった。そしてリリアに聞くことにした。
「ここって何処なんだ?」
リリアは驚いた顔をして答えた。
「え!?零さん?零さんですよね?私のことわかる?」
俺は戸惑ってしまった。
(何言ってんだ?リリアの事忘れるわけがないじゃないか)
俺は自分の記憶を呼び覚まそうとしたが全く思い出せなかった。
(なんで?……俺はなんでこんなに頭が真っ白になっているんだ?なんで?どうして?わからない。わからない……怖い)
頭を抱えて苦しんでいると、誰かの声が聞こえてきた。
(零くん)
俺は必死でその方向を向きその人の姿を見た。すると、その人からは聞いたことのない言葉が聞こえた気がした。その言葉を聞くたびに俺の記憶は徐々に戻っていった。
そして全てを思い出したとき、涙が溢れ出てきた。
その人は俺の大好きな人で、その人も俺のことを愛してくれていて……なのに……なんで……俺は……守れなかった……大切な人を……。
「ごめん……なさい……」
そう言うと彼女は涙を流した。そんな彼女を抱き締めながら俺はただ謝り続けた。
~~~~~~~
僕はその光景を黙ってみていることしかできなかった。
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】
ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。
※ムーンライトノベルにも掲載しています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる