浅井長政伝

みなと劉

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9話

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何故って? そりゃあ自分の部下を皆殺しにした奴が目の前に現れたら怒るのは当然だと思うけど。
普通ならもっと違う対応をすると思うんだよな。
だってさっきの部隊は俺達を包囲したりしていたわけだし。明らかに敵対行動を取っていたわけだからね。
まぁいいや とりあえず答えるとするか 俺が何者かって質問にね そんなことを考えた俺は敵部隊の長と思われる人物に向かって返事をした あんたが今口にした通りさ この俺こそが真の英雄にして覇王。織田信長様直属の配下、黒田官兵衛軍師が家臣、黒田零だ その名を聞いてもまだ戦おうとする気があるならば相手をしてやってもいいぜ 俺の言葉を受けて敵の部隊長は黙ってしまった。
まぁそうだよね。
今のこの状況を見て俺に戦いを挑む人はいないだろうし。さっさと降伏してくれれば楽なんだけどね。
そんなことを考えていた俺であったが。
次の瞬間、敵部隊は撤退を始めたのである。
その様子を見届けた後、俺達は官兵衛達の待つ場所まで戻った。すると官兵衛が俺の元に駆け寄ってきた。
官兵衛さん。
あの機体に乗っているのは誰なんですか? 貴方の知り合いなんでしょう?その問い掛けを受けた官兵衛は少し考えた後で口を開いた あれは私の古い友人だよ。
あいつは私よりも頭が切れる男だったからな。
そのせいかよく衝突することも多かったんだ。
でも、あいつはいつも正しかったよ。
だからこそ私はあいつに憧れていた。
だが、その憧れはいつしか憎しみへと変わっていった。
そして、その感情は次第に殺意へと変貌していった。
その結果としてあいつを・・・ いや、これ以上は話すまい。
それよりも今はあの機体をどうにかしなければ。
このままでは我々の未来はないからな。
そんな事を考えながら俺と官兵衛は覇王の機体に乗り込んだ。
覇王の機体に乗り込んだ俺と官兵衛は敵部隊の本体がいるであろう場所に進軍することにした。
それからしばらく進むと俺達の前に巨大な壁が立ち塞がった。
どうやらこの先に敵の部隊が待ち構えているようだ。
そんな事を考えていると官兵衛が俺に話し掛けてきた この先は敵の本拠地になるはずだ。
だからここからは君一人で行ってくれ。
私が同行しても足手まといにしかならないからな。
それに君は覇王の機体の性能を完全に使いこなしていないみたいだからね。
だからここは任せるよ。
官兵衛の言葉に対して俺はこう返答した 分かったよ。
官兵衛さんの気持ちは受け取ったぜ。
後は俺に任せてくれ。
そう言うと俺は機体を操作して敵軍の壁へと向かって行った。
そして俺は敵の壁にぶつかる直前に機体を停止させた。すると敵の部隊が一斉に砲撃を仕掛けてくる。しかし、その攻撃は全て俺の機体に触れる前に消滅してしまった。その光景を目の当たりにした敵軍の者達は驚きの声を上げていた。
何が起きたのか理解できないといった様子で混乱している。
その様子を見た俺は覇王の機体を動かし始めた。
そして敵部隊に接近すると手に持っていた剣を振り回しながら暴れ始めた。その攻撃によって敵部隊の機体が次々と破壊されていく。
しかし敵部隊もただ見ているだけではなく反撃を試みようとしてきた。その動きに気づいた俺は敵の攻撃を避けると同時に機体を移動させて、その勢いを利用して敵の機体を次々と破壊していく。そして全ての敵部隊を殲滅することに成功した。
これで敵部隊の本体を倒すことが出来るな そう思った俺は更に奥へと進んでいくことにした。
その頃、敵軍の本隊では一人の男が苛立ちを見せていた。
何故だ。
何故だ。
何故なのだ!! どうして覇王があんなにも強いのだ。
奴には特別な力などなかったはずなのに。
一体何故なんだ。
その理由が分からないまま男は考え続けていた。
しかし、いくら考えても答えが出ることはなかった。
そんな時であった。
突如として敵の部隊が現れたのは。
その数はおよそ1万。
しかもその機体は非常に強力であり、今まで相手にしていた機体とは比べ物にならないほどの性能を有していた。
その機体を見た男は一瞬にして敗北を悟った。
そして即座に撤退の指示を出した。
それを聞いた部下達は次々とその場を離れていった。
だが、一人だけその場に残っていた者がいた。
それは敵部隊の長を務める男である。
彼は自分の機体に乗り込みながら考えていた。
何故だ。
どうしてこのタイミングで奴が現れるのだ。
何かがおかしい。
この世界の法則に何らかの変化が起きているのではないか? そんなことを考えながらも機体は敵部隊に向かって攻撃を仕掛けた。そして激しい戦闘が始まった。
しかし戦況は明らかにこちらが不利である。
その為、敵部隊の長は機体を操作しながら必死に打開策を考えていた。そして一つの結論に至った。
仕方がない。
アレを使うしかないか。
その言葉を口にした後、敵部隊の長は機体の操作に集中し始めた。
その瞬間、敵機の動きが格段に良くなった。
同時に機体の出力が上昇した。
そして敵の長は機体の右腕に装備された盾を構えながら突進を開始した。
それに対して相手側の機体が攻撃を繰り出してきた。
その攻撃を受けても尚、敵の長の機体は止まらなかった。
そのまま敵部隊に向けて突撃を続ける。
そして遂に互いの機体が接触した。
その直後、凄まじい衝撃が発生した。その衝撃波は周囲の木々を吹き飛ばし、大地に大きな亀裂を発生させた。
やがて両者の機体は静止した。
しかし、それも束の間の出来事であった。
覇王の機体が相手の機体を押し返そうとした瞬間、敵の機体が突然爆発したのである。
それにより覇王の機体は大きく吹き飛ばされてしまった。
その結果、覇王の機体は大きなダメージを受けてしまう。
一方、敵の長はというと機体ごと消し飛んでしまった。その様子を見届けた後、覇王の機体は再び進軍を始めた。
その先に敵部隊の本拠地があると信じて。
敵部隊を壊滅させた後、俺達は敵の本拠地を目指して進んでいた。
すると前方に巨大な壁が見えてきた。
どうやらあれが敵の本拠地のようだ。
そんなことを考えていると壁の向こう側から複数の機体が姿を現した。
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